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問題児が異世界から来るそうですよ?~あれ?なんか人数が多い?~

作者:ほにゃ~
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第四話 問題児が問題を起こすそうですよ?

「なぁ、ジン。黒ウサギの姉ちゃんはまだかよ?」

「私もう疲れた」

「なら、皆は先に戻ってて。僕は新しい仲間を待ってるから」

「分かった。ジンもリーダーだからって無理すんなよ~」

手を振り子供たちを見送るとジンは溜息をつく。

色々あるのだが、今は新しく来た人たちが自分たちの新たな同士になってくれるのかが心配なのだ。

(もし新しく来た人たちが仲間になってくれなかったら、僕たちは箱庭を捨てて外に移住するしかないのかな)

ジンのコミュニティは現在とある事情から黒ウサギとルーシャを除いてジンよりも幼い子供しかいない。

なんとしても外に出て宛のない旅をするのだけは避けたかった。

ジン坊ちゃ―ン!新しい方を連れてきましたよ―!」

色々考えていると黒ウサギが手を振りながら駆け寄ってくる。

「お帰り、黒ウサギ。そちらの女性二人と男性が?」

「YES!こちらに居る六人の御方が―――――」

そこで黒ウサギは言葉を止めゆっくりと後ろを向く。

「………え、あれ?もう三人はどちらへ?ちょっと目つきが悪くて、全身から“俺問題児!”ってオーラを放っている殿方とお優しそうな笑顔を浮かべた女性と全体的に整ったお顔で“俺自由人!”ってオーラを放った殿方が後、ルーシャは何処に?」

「あぁ、十六夜君と久米さんに柊人君ね」

「十六夜さんでしたら、『ちょっと世界の果てを見てくるぜ!』と言って、ルーシャさんは『案内する』と言って十六夜さんと駆け出していきました」

事務的に返す皐。

「久米さんは『十六夜だけに面白そうなことさせないわ!』と言って十六夜君の背中に飛び乗って一緒に行ったわ」

呆れたように言う飛鳥。

「柊人は『一緒に行くと面白いことが起きそう』って言ってついて行っちゃった」

少し寂しそうに言う耀。

三人共、様々な表情で他の三人がどうしたのかを言う。

「な、なんで止めてくれなかったんですか!」

「すみません。『止めないでくれよ』と言われてしまったので」

「なら、どうして黒ウサギに教えてくれなかったのですか!?」

「『黒ウサギには言うなよ』と言われたから。」

「嘘です!絶対嘘です!皐さんは別として実は面倒くさかっただけでしょう御ニ人さん!」

「「うん」」

息の合った飛鳥と耀の返事に倒れ込む黒ウサギ。

「大変です!世界の果てにはギフトゲームのために野放しになっている幻獣が―」

「幻獣?」

「は、はい。世界の果てには強力なギフトを持った幻獣がいます。出くわしたら最後、人間じゃ太刀打ちできません!」

ジンは顔面蒼白になって慌て始める。

「あら、なら彼らはもうゲームオーバー?」

「ゲーム参加前にゲームオーバー?………斬新?」

「それはとてもまずい状況なのでは?」

ジンはことの重大さを話すが二人は肩をすくめるだかだった。

皐は一人ことの重大さを察し少し思案顔になる。

「ですが、ルーシャも一緒ならたぶん大丈夫だと思います。彼はとても強いですし」

そう言うジンだったが黒ウサギはそうでは無かった。

「ルーシャはいつもいつも、どれだけ私を困らせたら気がすむのやら」

拳を握りしめプルプル震える黒ウサギ。

「……ジン坊ちゃん。申し訳ありませんが、御三人様のご案内をお願いしてもよろしいでしょうか?」

ゆらりと立ち上がる黒ウサギ。

心なしか怒ってる感じだ。

「わかった。黒ウサギどうするの?」

「問題児を捕まえに参ります。ついでに――――“箱庭の貴族”と謳われるこの黒ウサギを馬鹿にしたこと、骨の髄まで後悔させてやります!後、ルーシャにお仕置きを!」

その瞬間、黒ウサギの青い髪が桜色に変わった。

「黒ウサギさん。私もお供よろしいでしょうか?」

「え?ですが……」

「これでも足には自信があります。決して足手まといにはなりません」

「分かりました。ですが、置いてけぼりを食らっても知りませんよ。

今の黒ウサギは他人に構ってられない程怒っていますので」

皐に一言そう言ってから黒ウサギはジンたちにに顔を向ける。

「一刻程で戻ります!皆さんはゆっくり箱庭ライフを御堪能ございませ」

そう言って黒ウサギは勢いよくジャンプをして門柱に飛び乗り更に跳躍をする。

皐はというとしっかりと黒ウサギの後ろについていた。

「黒ウサギに追いついている……凄い」

「皐ならあれぐらい楽勝よ。それにしても箱庭のウサギは随分速く飛べるのね」

「ウサギ達は箱庭の創始者の眷属ですから、力もありますし、様々なギフトに特殊な特権も持ち合わせた貴種です。彼女なら余程の幻獣に出くわさないかぎり大丈夫なはずです」

そう、とから返事をしながら飛鳥はジンの方を振り向く。

「取りあえず、十六夜君のことは彼女に任せて、箱庭に入りましょう。貴方がエスコートしてくださるの?」

「は、はい。コミュニティのリーダーをしているジン=ラッセルです。齢十一になったばかりの若輩ものですがよろしくお願いします。御ニ人お名前は?」

「久遠飛鳥よ。先ほどの彼は三上皐。私の御世話係兼護衛よ」

「……春日部耀」

礼儀正しく自己紹介をするジン。

それにならって飛鳥と耀もジンに一礼をする。

「それじゃあ、箱庭に入りましょう。まずは、軽い食事でもしながら話聞かせくれると嬉しいわ」

飛鳥はジンの手を取り笑顔で箱庭の外門をくくった。 
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