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ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士

作者:涙カノ
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第79話 =終わって始まる物語=

 
前書き
……今回で2話分といっても間違ってないような……それくらい量多いです

2015/01/04
一部修正しました 

 

「それじゃあ、今日はここまで。明日小テストするからしっかり復習しておくように」

授業の終わりを知らせる鐘が鳴り、数学の担当の先生が教室を出ると共に一気に部屋全体が騒がしくなる。この鐘の音はアインクラッド第1層はじまりの街のあの鐘と似たような音をしておりブラックユーモアを感じるがそれを感じ取っている生徒はこの場には一握りだろう。昼ごはんを求めカフェテリアへぞろぞろと談笑しながら向かっていくのがその証拠だ。

「……うぅ…死ぬー…」

最も俺は数学のせいで机に突っ伏しているけど…。この学校のノート代わりであるパソコンの操作にようやく慣れてきたところなのにさらに数学の公式とかもう頭がこんがらがってしょうがない。

「アンタ数学に関しては本当にアレね…」

突然目の前から声がして、顔を上げると見慣れた顔が。

「うっさいな~…」

もう数学になると病気なんじゃないかってくらいに頭痛くなるんだよ。今度病院に行って検査してもらった方がいいのかなと思うほどだ。そんなことは露知らず、悠香は自分のスクールバッグを俺の机においてカフェテリアへの移動を急かしてくる。ため息をつきながらラケットバッグにパソコンとマウスを壊れない程度に投げ入れ背負う。このバッグ、あの時に斬られたが翠さんに裁縫を教えてもらって四苦八苦して何とか直したものだ。

「もう皆カフェにいるかな」

「リズとサチは同じ階だから途中で会うかもしれないけどシリカは下級生だからいると思うわ」

「ふーん……でさ、悠香さん」

「…な、何よ…」

「向こうの名前、ここで出すなよ」

俺が注意するとやらかしたと思ったのかハッとして口元を押さえる。が、何かに気付いたのかその手を下ろして口を開いてくる。

「……なら私たちどうするのよ!」

「……諦めが肝心だと思うんだ、人間って」

こっちで向こうの名前を出すのは慣れていてもマナー違反とされていて時々嫌な顔をされる…といっても本名の俺やユカやアスナは入学当初にわかってサチにリズやシリカ、さらにキリトも上層プレイヤーには通り名もあわせてばれているらしいがばれた人はばれた人でそのまま通している。無理にごまかそうとしてもごまかせないしなかったことに出来るほど俺たち全員大人ではない。それぞれ見てた夢じゃなくて現実だからそれぞれ自分の納得できる形で記憶に決着をつけなきゃいけない。

「時々お前も向こうの2つ名で呼ばれるしな」

「…言わないで…。あれってめちゃくちゃ恥ずかしいのよ……」

と、あさっての方向を向いて顔を赤く染めるユカ。それに笑いながらしばらく歩くとなんだか見たことのある顔がこっちを向いて手を振ってきている。

「おーい、遅いぞー!」

「大声出さないでくださいよ、リズ……里香さん」

名前をいいなおされたが年下から注意されたことでむーとなって自分の席に座りなおす。俺たちもそれに続いてサチたちと同じテーブルのそばにある椅子に腰掛ける。

「…あぁ、頭使った。おなかすいた…」

「……リクヤ、なんだかおじさんくさいよ?」

「でも判らなくもないのよねー…あたしも頭痛いし…」

サチに苦笑いして言われるも俺とリズは一緒にぐでーっとなりながら同意した。丸々2年と半分、勉強はおろかペンすら握る機会はほとんどなかったから勉強が新鮮すぎてまだ慣れてない。そう考えると日本の学生ってすごいな~と改めて感じる。

「いや、リクヤも…っていうか私たち全員日本の学生やってたわよ?」

「だから俺、今までがんばったな~って」

「感心してますけど私たちこれからそうなるんですよ?」

「…ぐっ……」

「ま、徐々に順応してくしかないのよね~」

リズがヨーグルトドリンクの入った紙パックをズズズッと乙女らしからぬ音を立てて飲み干す。まぁそれも皆のお姉さん的な立場にいるサチにちょっと叱られていたが。

「さて、俺も飯にするか」

「…ん、美味しいそうじゃない。私にもちょっとくれない?」

「俺好みに味付けしたから口に合うかどうか判らないけど別にいいよ」

俺が弁当を広げると早速ユカが手づかみで玉子焼きを掴んでそのまま口に入れる。しばらくもぐもぐと食べた後どうやら口にあったのかOKサインをしてくれた。

「私ももらっていいかな」

「あぁ、そんなに食べたいならどうぞ食べてくれ」

サチは掴むもの何かないか探していたがザンネンながら今日はパンで箸類はどこにもなく、仕方なく手で掴んで食べていた。
それに続いて俺も自分のおかずを食べ始める。今日はちょっと寝坊してしまい、昨日少し残ったから揚げに玉子焼き、そしてふりかけご飯というシンプルすぎる弁当だが自分で作ったというものあってやっぱり美味しい。

「おーい、リクヤー!!」

弁当を談笑しながら楽しんでいると突然後方から声がかかる。誰かと思って後ろを見てみると同じクラスで同じ部活動のにっしーこと西浜高史だった。SAOでは中層プレイヤーとして2年生活してたがテニスに関しては俺よりか上手いやつだ。

「相変わらずハーレムしてんな」

「どういう意味だよ、それは…。んで、どうしたの?」

「俺らこれからテニスしにいくけどどうするのか聞きに来た」

「お、マジで!?行く行く!」

昼休み自体この学校意外と長くて時々暇をもてあましているのでこういうお誘いは大歓迎だ。俺の返事を聞いたにっしーは言うと思ったと言わんばかりの顔をして外へと向かって行った。

「ってわけだから俺もう行くよ」

食べかけの弁当(おかずは適当に分け与えて)をバッグにしまい背負いなおす。

「…アンタっていつもそうよねー」

「そうですよ」

「ほんとだよね…」

「もう救いようのない気がするわ…」

上からユカ、シリカ、サチ、リズに口々にそういわれ心に4本くらいトゲのような槍のようなものが刺さった気がするが何とか心がくじけるのを堪えてにっしーの後を追う。と、前にリズに声をかけられ急停止する。

「リクヤってさー今日のオフ会どうするのー!」

「もちろん行くけど…。…何時からだっけ?」

俺が時間を聞くと一瞬リズがにやりとした表情を浮かべた気がするがまばたきした瞬間にいつもの顔に戻ってるので気のせいだと納得して時間を聞くとどうやら17時かららしい。それなら部活終わるのも同じくらいだから移動あわせて今日は早めに切り上げて向かおうとするか。

―――――


そういえばあれから須郷たちがどうなったのかとかいろいろどうなったかも話しておくべきかな。アルヴヘイムの地で現実離れした実験をしていたあの二人はまず否定、否定の繰り返しでさらには互いに罪をなすりつけようとし、そして最後にはあの茅場晶彦に全ての罪をかぶせようとした。が、やつらの部下の1人が重要参考人で引っ張られた時点で一気に急展開を向かえ自白し始めたのだ。さらにSAO未生還プレイヤーのこともばれて完全に逃げ場がなくなり、後半が決まった今は精神鑑定を申請するというあがきをいまだに見せているらしい。
ここまで来てしまえばもう俺たちの手の届かない問題になりそうなのでそこからは大人の判断に任せよう。ただ、この件のせいで結婚話を進めていた小父さんこと彰三さんは結構なショックを受けていたらしい。アスナ曰く「人を見る目がなかったーだって」。後で小父さんの友人である俺の父さんにこっちに来てもらって慰めてもらおうかと考えたが肩の荷の降ろし方が判らないだけだから趣味を見る蹴れば元気になるのでそこまでしなくてもいいと結城姉妹は言っていた。

そして幸運だったのはユカ以外、実験をされたという記憶を持っているSAOプレイヤーがいなかったこと。そしてユカもそんなに精神に異常をきたしているわけではなく「俺に敵とみなせ」という命令が少し残ってるだけだから今のところは怒らせたら投げナイフならぬシャーペンが飛んでくるだけ、普通の生活を送れば十分に治るらしい。

…とまぁ、上のことだけ見れば正直いいことだらけだが実は須郷と廣田のせいでレクトプログレス社とアルヴヘイム・オンライン、さらには他のVRMMOというゲームすらも存続不可能な打撃を被ったのだ。SAOだけで結構な信頼を失っていたにもかかわらず人体実験していたというのが追い討ちとなって『全てのVRMMOが犯罪に使われる可能性がある』という評価が下った。
最終的にはレクトプログレスは解散、レクト本社もかなりの打撃は受けたものの何とか危機は乗り越えつつあるらしい。そしてアルヴヘイム・オンラインは運営中止に追い込まれてほかのVRMMOも社会的批判がすごくて中止を免れないと言われていた…が、そんな状況を丸々ひっくり返したのが和人が託されたという『世界の種子』というデータだった。託したのはヒースクリフさんこと茅場晶彦だ。
その茅場はSAOがクリアされたあの日、普通のSAOプレイヤーとは違う方法で死んでしまったらしい。今思うと茅場が生きているうちで最後に話したのが自分って思うとなんだか寂しいような不思議な感情に襲われる。
そんな不思議な縁もあって俺はSAO対策エージェントに無理やり茅場の側近の人との連絡先を教えてもらい話を聞くことが出来た。その人は「神代凛子」という茅場と同じ研究をしていた女性だ。彼女は茅場がSAOクリアと共に命を絶つということを事件以前から決めていたこと、そしてその死に方を教えてくれた。その時、あの人の考えてることなんてどうせ分からないからということで和人と一緒に行って、その和人に茅場の死に方をわかりやすく説明してもらった。どうやらナーヴギアのようなフルダイブマシンを改造したもので脳ミソに高出力のスキャニングを行って、脳を焼ききって死んだ…ということらしい。
神代さんによるとスキャンが成功する確率は0.1%にも満たないものだったらしいのだが和人が話したということは成功したんだろう、運がいいのかそれすらも自身の実力で何とかしたのかわからないがとにかくすごいなとはその時思った。
和人はその時に初めて人前で「世界の種子」についてを口にした。互いに向こうであったことは触れないようにしていたので詳しいことは両方判っていないので俺も初耳だった。その世界の種子に関して神代さんは「あの世界に憎しみしかないのなら消去してください。ですが…もしも、もしも……。あの世界に憎しみ以外のものがあなた方の中にあるのなら…」と。

――――――

『ありがとうございました!』

部活の終了の掛け声ともに一気に皆がばらばらと動き始める。かくいう俺も漏れずにラケットをバッグにしまい、急いで制服に着替えて学校を出る準備をする。とにかく急げばギリギリ5時には間に合いそうだ。

「んじゃ、お先に!」

「例のオフ会かー」

「まぁね!…お前も来る?」

「んにゃ、俺お前以外親しい攻略組いねぇもん。遠慮しとく」

にっしーはそのままうしろへ戻っていき残っているテニス部の輪へ入っていった。元攻略組だからっていうことで時々近寄りがたいと思われているけどいつかは俺もああいう中に自然にいれれるようになりたいな…。

「やっべ!!」

変なこと考えてる場合じゃない、急がないと精神的に殺される気がする!主にユカとリズに…ということで急いで今日の目的地のオフ会の会場でもあるエギル経営ダイシーカフェへと足を進める。作者が住んでるとことは地方なので東京の地理に関してはまったく知らない、だから道のりまでは割愛で…。少々汗だくになりながら走っていると前の方に見慣れた後姿が3つほどあった。

「…おーいっ!」

俺の声に振り返ったその3人はやっぱり俺の知っている…どころか内2人は一緒に住んでるやつらだった。簡単に言えば和人とアスナそしてスグだ。

「あ、リクヤ君」

「姿見えなかったから先に行ったかと思ったぞ」

向こうで夫婦、こちらで恋人な2人が話しかけてくる。それにしてもこいつらは公衆の面前で手を繋いでて恥ずかしくないのか、と一度も経験がないのでそんな考えが頭を掠める。

「バリバリ部活だっての」

「…いつも思うけどやっぱりハードじゃない?」

「スグに言われたくないんだけど……」

最近だがようやく俺は直葉のことを「スグ」という愛称で呼べるようになった。俺がいうのを躊躇ってただけなんだけど。とまぁ、いろいろとたわいもない会話をしていると無愛想に【本日貸切】と書かれて、これまた無愛想な木札がかけられている
またまた無愛想な黒いドアの前に着いた。

「そういえば、スグってエギルに会うの初めてだっけ」

「あー、うん。向こうでは何回か狩りしてるけどね。大きい人だよね~」

「言っとくけど本物もあのまんまだかんな。心の準備しとけよ」

スグは感心するように答えると和人と俺はニヤリと笑って、和人が言った。それに眼を丸くするスグの向こうでアスナがクスクスと笑っている。

「わたしも初めて会ったときはびっくりしたよー」

「正直俺もビビッた」

「黒の剣士キリトと閃光アスナをビビらせるなんてどんなボスモンスターだよっていいたいけど…あれはでかすぎる」

俺たちのエギルに対する評価に少々おびえたような表情を浮かべているスグの肩をポンポン叩いてひとまず安心させる。エギルは姿はともかく中身はめちゃくちゃいいやつだからそんなおびえる必要もないしな。そして和人は笑いながらドアを押すとそこには広いともいえない店内にぎっしりと集まっている人が。カランと鐘がなると同時にわぁっと歓声やら拍手やら口笛やらが鳴り響く。さらにはスピーカーから大音量でアルゲードのBGMが流れているのでさらに盛り上がりに拍車をかけた。

「……もう始まってるんですけど…」

「――おいおい、俺たち遅刻はしてないぞ」

あっけに取られている俺と和人とは違い、アスナとスグはもともと決めてあったかのような定位置に移動していた。それと入れ替わるようにリズが進み出てきた。

「作戦成功ねっ。主役どもは最後に登場するもんですからね。アンタたちには遅い時間を言ってあったのよ。さ、入った入った!」

たちまち俺と和人は店内の奥へと引っ張り込まれて小さなステージに押し上げられる。あの時こいつの顔がニヤリとしたような気がしたのはやっぱ気のせいじゃなかったか…。男二人で乗るにはちょっと狭いが俺と和人でステージに乗るとBGMが止み照明が絞られる。斜め下ではマイクを持っているリズの姿も。

「えー、それでは皆さんご唱和ください!…せーっの!!!」

「「「「「キリト、リクヤ、SAOクリアおめでとーーー!!!」」」」」

叫ぶと同時にクラッカーがなり始めたりシャッターが光り始めたりと、一気に来すぎてポカンとする。だけど、それも諦めからなのか何から来るのか判らないが俺たちも笑いへと変わっていく。

「……お前の賞賛じゃないの、勇者様」

「いやいや、あの時はお前()がなかったら駄目だったよ」

「そっか。なら……」

「あぁ」

互いに顔を見合わせて手を上げる。

「「ありがとな!」」

その声と共にバチンといい音でハイタッチ、その音で拍手喝采がさらに盛り上がっていった。


―――――

まさかあの後に簡単な、だがスピーチがあるとは思わず和人はテンパっていたが俺は「楽しもーぜーっ!!」と一言叫んでからカオスな宴へと突入していった。そして数時間後、カウンターに座っていた俺のうしろに人影が。

「…やつれたな、和人…」

有名度と貢献度では俺よりも和人の方が上、という理由からか男性から手荒い歓迎を受けていて疲れきった表情をした和人はよろよろとカウンターまで来ていた。

「何でお前はそんな疲れてなんだよ」

「こーいうのには慣れてるからね」

テニスの試合とかで相手の学校が強いと噂されててそこに勝ったりするとめちゃくちゃ手荒い祝福をうけるからこれくらいはたいしたことない。手荒い祝福ってのは「よくやった!」といいながら殴られたり蹴られたり…時々いじめなんじゃないかっておもうけど俺のいってた中学や高校では当たり前だったからそんな気持ちはどんどん薄れてもう受け入れれる。

「…マスター、バーボン。ロックで」

俺の隣に座った和人のオーダーに店主のエギルはロックアイスに琥珀の液体を注いだグラスを滑らせてくるがさすが常識人、バーボンなどという酒ではなく未成年も飲めるウーロン茶でした。クラインは便乗して本物を頼んでいたが…。

「ってかクラインこの後仕事は?」

「へっ、残業なんて飲まずにやってられるかってんだ。……それにしても、いいねぇー」

鼻の下を伸ばしながらいうクラインが見ている先にはアスナ、シリカ、リズ、ユカ、サチ、ユリエールさん、サーシャさん、リーファことスグら女性プレイヤー陣が勢ぞろいしている集まりが。確かに目の保養ってくらいは言えるけど、クラインがいうとなんか犯罪臭がする。ここを見れないユイのために録画しているらしいが間違ってもクラインに渡してはいけないとマジで思った。

「そういや、リクヤよぅ。サウス嬢は来ねぇのか」

「うん、来ないよ」

シレッといいのける。サウスこと美菜実はこういうの好きそうなのだが誘ってみたところ「あーわたし、ちょっとその日用事があるから…」とのことらしい。ともかくダイシーカフェにアイツは来ないのだ、ということを説明したクラインは…

「なんだよ、同じサラマンダーだからいい機会だって思ったのによ」

「駄目だ、こいつ」

「そうですよ、クラインさん。もう少し自重なさったほうが…」

キリトとは反対のスツールから声が聞こえた。こちらもクラインと同じスーツ姿だがビシッとしておりまともなビジネスマンという印象を持てる。その人物は元《軍》最高責任者、シンカーさんだ。

「…人生の先輩に言われちゃしかたないっすね」

クラインはそういってチビチビと酒を飲み始める。

「クラインのおかげで思い出したけど、ユリエールさんとの結婚おめでとうです」

「俺からも。おめでとうございます」

俺はオレンジジュースの入ったグラスを掲げてカチンとあわせ、俺の奥にいるキリトも身を少々乗り出してシンカーさんのグラスをカチンとあわせる。

「いやまぁ、現実に慣れるのはまだ精一杯ですけどね…。ようやく仕事も軌道に乗ってきましたし」

「うん、実にめでたい!!くっそぅ、俺もあっちで相手見つけとけばよかったぜ」

ここで向こうでどうがんばってもお前に相手は無理だ、と聞こえてこないのは皆の優しさだろう。

「そういえば見てますよ、新生《MMOトゥデイ》」

「いや、お恥ずかしい…。まだまだコンテンツも少なくて……そてに、MMOの事情じゃ攻略データとかニュースとかは無縁になりましたしね」

へぇ、そんなもんなのか…。俺はSAOに触れるまでネトゲ系はほとんど判らなかったからコンテンツが多いとか少ないとかわからないが、隣で和人とクラインはうんうんと頷いていた。

「まさに宇宙誕生の混沌って感じだもんな」

「だな。……そういやどうなったエギル。あの後、《種》の方は?」

和人は目の前でシェイカーをシャカシャカと振っているウェイターに話しかける。

「すげぇもんさ。今、ミラーサーバがおよそ50……ダウンロード総数は10万、実際に稼動してる大規模サーバが300ってとこかな」

和人が茅場から託された種…世界の種子はナーヴギア内にいるユイからメモリチップに落とされ、エギルの手によってその種を出芽することに成功した。その芽吹いたものは『フルダイブ・システムによる全感覚VR環境を動かすためのプログラム・パッケージ』だった。エギルの絶対に危険性のないという報告後の俺たちの相談の結果、このプログラム・パッケージ…通称《ザ・シード》をあちこちのサーバにアップロードして企業や個人、だれでも構わず落とせるように完全開放することにした。このおかげでちょっとした機材があれば仮想世界があっという間に誕生するようになる。さらにはALOプレイヤーのベンチャー企業関係者のおかげでアルヴヘイムは消滅を免れ再生し、プレイヤーデータも引き継がれた。そして《ザ・シード》で生まれた世界から他の世界へ自分のキャラをコンバートできる仕組みすら整いつつある。

「……VRってすごいんだな…」

「私たちは今、新しい世界の創造に立ち会っているんです。その世界を括るにはもうMMORPGという言葉では狭すぎる。私のホームページの名前も新しく変えたいんですがどうも、これ、というのが…ね」

「う~………う~~む……」

腕組みしながらうねり声を上げてクラインが考え始めるがそれを和人の肘が邪魔をする。

「ギルドに《風林火山》なんてつけるやつのネームングセンスには誰も期待してないって」

「なんだとキリト!言っとくがな、新生・風林火山にゃ加入希望者続出なんだよ!」

SAO時代から攻略組ギルドの上位に存在していた風林火山はあの活躍や普段を見てれば男気あふれててかっこいいんだが…

「なぁ、クライン。女子の入団希望者は?」

「ぐっ……」

残念、いないらしい。

「アハハ……そういやエギル、二次会の予定変更はないよな?」

「あぁ、11時ジャストにイグドラシルシティ集合だ」

「おっけ!もちろんあの“城”も…だよな?」

「おうよ。新しいサーバ丸々1つ使ったらしいがなんせ『伝説の城』だからな」

資金もがっぽり儲けれるとかさすが元商人な発言を目の前の大男はしているがそんなに上手くいくのか、という疑問を込めてオレンジジュースを飲み干して肩をすくめる。

「おーい、キリト、リクヤー!こっちこーい!!」

なぜかすっかり出来上がっているリズが大声で手をぶんぶん振って俺たちを呼ぶ。もしかしてあのピンク色の飲み物が酒じゃないかと疑うとアウトロー店主は1%未満だから大丈夫だと…何が大丈夫なのか教えて欲しいが。

「…ま、いっか…行くぞ、キリト!」

「え……ちょっと俺まだ飲んでるっ!?」

こんなところでぼおっとしながらウーロン茶飲んでる和人の腕を掴んでリズたちの元へ向かう。めちゃくちゃ長い夜になりそうだけどやっぱ楽しまなきゃソンでしょ!!

――――――――

「ほれほれ、こっちよ!」

「こ…の、ユカ!」

あのパーティが終わってうちに帰ってアミュスフィアでログインする者、エギルの店でそのままログインする者、会社からログインする者といろいろいたが順調に皆二次会会場であるアルヴヘイムの地に降り立ってきていた。その中でも早くログインしてしまった俺やユカ、サチにシリカやリズは待ち時間暇なのでとりあえず空中有り鬼ごっこすることにし、今は俺が鬼の状態だ。
原作出身者の2人はともかくユカは種族を決めるあの設定画面で1時間ほど悩んだと本人から聞いていたが目を瞑って選択したところケットシーとなったらしい。容姿は現実とほとんど変わっておらずそれに猫っぽい特徴を足したものだ。

「ほらサチ!リクヤが追ってきたわよ!」

「あ、うん!」

そしてサチはウンディーネ。彼女も容姿は変わっておらず現実で持っていた黒い髪が綺麗な水色で、瞳も同じくウンディーネの特徴を持った鮮やかな水色だ。
姿はサチもユカも…そしてリズにシリカも含めて現実とほとんど変わりない。その理由はちょっと前にでた《コンバート》出来る機能だ。これによりSAOプレイヤーが新ALOへとキャラデータを引き継ぐかどうかを選択できるようになった。なのでさっきいった4人だけではなくただ2人を除いたほとんどがSAOのデータを引き継いでALOへと新しく参入してきた。

「ふにゃっ!?」

「よっし!!捕まえ……た?」

「リ…リクヤぁ………どこ握ってるのよっ!!!」

俺の手の中にあるのはもふもふしている帯のような……まぁ言っちゃえば猫の尻尾だ。それを確認しているうちにバチーンと大きな破裂音がしてユカの平手が飛んできた。

「痛ってぇ……なにするんだよ!」

「そっちが先でしょ!!」

「痛い!いや痛くないけど…痛いって!」

「痛くならないならいいでしょ!こっちはすっごい変な感じしたんだから!!」

と、ユカにボコボコにされている時にふと星空が目に入ったのでそちらに意識を移すと1人の少女が月めがけてロケットのように飛んでいるのが見えた。

「ちょっ…ちょっとタイム!……あれってスグ…じゃなくてリーファだよね」

「…そう…ね。何してるのかしら」

新生ALOになってから飛行時間の枷は外されたが宇宙までいけるようにはなっていない。なので飛んでいるうちにも飛行限界高度に到達してしまう…と思っていると案の定それに引っかかり重力に逆らわず落ちてきた。

「ユカたちはちょっと待ってて。リーファんとこ行ってくる」

「えぇ…わかったわ」

そういい残してリーファの飛んでいた高さまで一気に飛翔する。雲をそのまま突き抜けるとそこは雲の海と星の空が広がって
いるとても美しい場所だった。地上は人の作った美しさだがここには自然が作った美しさが確かにあった。…などと感心してる場合じゃなくて居間はリーファだ。きょろきょろと周りを見渡していると上から翅を広げないでそのまま落ちてくる1人の少女が。いわゆる「親方!空から女の子が!」状態だ。手を前に出すと某天空の城ラ○ュタほどゆったりではないがフワリと腕に降りてきた。

「よっと……大丈夫、リーファ。もうすぐで時間だけど…」

「……ん、ありがと…」

リーファはにこりと笑うと翅を羽ばたかせて再度中へと浮かぶ。

「あのさ…リクヤ…。なんで他の人みたいに元の姿に戻らなかったの?」

「そうだな…」

先ほどもあったとおりほとんどのSAOプレイヤーは元の姿+種族の形を取っているが2人…俺とキリトだけはその方法をとらなかった。といってもこの2人はまったく同じ方法を取ったというわけでもないけど。
まずはキリト。彼はあの城で必死で育ててきたSAOキリトというキャラを完全に初期化し、新たなキリトとしてALOに来た姿で
新ALOの地を踏んだ。周りにはもったいないだとかの声もあったけどその時に言っていたのは『あの世界のキリトの役目は終わったのだ』だとか…言ったことはともかくその決断力には驚く。
そして俺はデータは初期化せずにALOの姿でステータスはそのまま、という旧ALOプレイヤーと同じ処置を取った。ナーヴギアで入ったとはいえ俺は新たな体で新しい地を踏んだ。そしたら運良くステータスがあのときのものだったって考えてる。…とまぁかっこいい理由を並べそうになるが正直に言おう。

「どっちかを無くすって言うのがなんか…イヤでさ。それにSAOの姿でも背低いからだったらってね」

「……そっか…リクヤらしいね」

「俺はキリトみたいな決断力ないからね」

そのせいでいまだに決断できていないのだが…というのは隠して乾いた笑みを思わず浮かべ、それを見たからかリーファはクスッと笑った。そして立ったまま空を移動するとリーファは手を伸ばしてくる。

「ね、リクヤ。…踊ろ?」

「…踊るってダンシングの?」

「他に何があるのよ。ほらこっち」

そのまま右手を掴まれてまるで雲をすべるかのようにスライドしていく。

「おぉ!」

「最近開発した高等テクなの。ホバリングしたままゆっくり横移動するんだよ」

「へぇ…」

飛行は随意飛行にはすっかり慣れてエアライドバトルも並には行えるようにはなったが微妙な使い方はいまだに出来ない。でもここで引いたら負けた気がするという謎の挑戦心に駆られて翅に意識を集中させる。

「……っ…ぅお!?」

「きゃっ!……翅を止めてどうするのよ…」

「わ、悪い…」

どうやら翅に意識を集中しすぎたせいで羽の動きを完全に止めてしまったらしい。そのせいで落下するかと思ったがリーファが手を握ってくれたままだったのでそのまま再度ホバリングして姿勢を整える。

「えっとね、前に加速するんじゃなくてほんのちょっとだけ上昇力を働かせて、同時に横にグライドする感じ」

「……んー…っ」

リーファに腕を引かれながらよろめきながら、さらには何度も翅を止めてしまい落下しそうになることも多かったが数分の格闘のおかげでリーファのように綺麗にいかずともほんの少しだがコツっぽいのは判った。

「……こう?」

「うん、そんな感じだよ」

パチパチとリーファは拍手をしながらポケットから不思議な瓶を取り出す。栓を抜くとそこから銀の光の粒があふれ出しそれにあわせるかのように弦楽器の伴奏が聞こえてくる。

「エスコート、してくれる?」

「俺…踊りなんて全然やったことないからな…でも、やってみるよ」

「頼りにならないなぁ……」

ここで踊れるって言った方が恥ずかしいっての。まぁ、踊るのは楽しめばいいからその前の場面作りにはそれにあった言葉を言わないとなってことでどこかのテイルズの小説で読んだ台詞を思い出す。確かこれも舞踏会での台詞だっけ…など昔のことを思い出して右手を差し出す。

「よし…。…じゃ、踊ってくれますか、お姫様?」

「……はい、喜んで!」

リーファは俺の手に優しく自分の手を乗せるとゆっくりとステップを踏み出す。それにあわせて俺も翅を動かしてステップを行う。時々両手を握って近づいては、片手だけ離して離れてくるくる回ったりとアドリブだが互いの目をみてタイミングを合わせて宙を舞う。だが、そんないつまでも続くかと思うほど楽しい時間もリーファが手を離し、体を遠ざけたことで終わってしまう。

「リーファ…?」

「…あたし、これで帰るね…」

言っていることがさっぱり判らずに理由を聞くとリーファの顔は悲しみ一色で、今にも涙が零れそうな、そんな表情だ。

「…遠すぎるから……陸也やお兄ちゃんのいる……皆のいる場所が…。あたしじゃ…そこまで行けないよ…」

「……そんなこと、ない」

「でもあたしにはあの城の思い出……絆なんてない!!」

涙を流しながらリーファは大声で叫ぶ。

「だったら、今からでも作ればいい!リーファ…いや、スグが行けないって壁にぶち当たったら俺が、キリトが…皆がお前をその先へ連れてってやる!」

踊るときとは考えられないほど強引にリーファの腕を掴んで、先ほどまで鬼ごっこをしていたイグドラシルシティまで有無を言わせず加速する。時間は0:00の1分前、ギリギリ間に合うか…?でも時間は優しくなく世界樹に迫って数十秒後、何十にも重なった鐘の音が響き渡る。アルヴヘイムの0時を知らせる音だ。残念と思いながら素直にブレーキをかける。

「わぁっ!?」

「……ちょっと遅かったかな…」

「な、何が…」

リーファの質問には答えずにそのまま上空に浮かぶ満月を指差す。まだ変化が見えないのでリーファも不思議そうな顔をしているが次の瞬間、その表情も驚きへとどんどん変わっていく。

「月蝕…?」

「いつか見てみたいけど今回のははずれ。……そうだなぁ…耳、済ませてみろよ」

リーファは素直に月を見ながら耳を済ませている。その時、アルヴヘイムでなっていた音とは違う鐘の音がアルヴヘイムの鐘とあわせて鳴り響く。それと同時に月蝕と思われていた影が月全体に覆いかぶさりその輪郭が全て俺たちの目に入る。と、突然その物体自体が発光し、細かい部分まで目に入るようになる。その細かい部分とは建物、とてつもなく大きい層が何十も連なっている。建物にしては規格外の大きさを誇る全長10キロ以上の『城』。

「…あ、あれって……まさか…!」

「そ。…あれが俺たちの2年間いた城『浮遊城アインクラッド』だ」

「っ!!……で、でもなんでここに?」

会話の間にアインクラッドはその速度を緩め世界樹の上部の枝とわずかに接するほどの距離で停止した。

「データが残ってた云々とか…ま、難しい話はわかんないけど…目的ならあるよ」

「え…」

「完全クリア」

俺の話した目的に関しては完全にハテナを浮かべている。外部の人間はあのデスゲームがどうやってクリアされたのかを知らないのは当然だし、なので100層攻略したと考えるのが普通だ。でも、実際は俺とキリトが75層でヒースクリフさんとのデュエルで勝ち、本来のルール通りとはいえないがクリアしてログアウトしたのだ。

「ほんとはちょっとズルして帰ってきたからね…今度こそ1から全部攻略しきってあの城を完全制覇するんだ。…リーファ」

ポン、と頭に手を置いて言葉を続ける。ちょっと背の差があるんじゃないかって突っ込みはやめてくれ。

「泣き言になっちゃうけど…あの城って死ぬってペナルティがなくても難しかったんだ。だから俺と、俺たちと一緒にあの城制覇するの手伝ってくれないか?」

「…あ……」

リーファは俺の顔を直視して、また涙を流す。一瞬、俺間違ったこと言ったかと慌ててしまったがリーファは首を振って悲しみで泣いているんじゃないということを訴えてくれた。その証拠に今の彼女の顔は笑顔だ。

「うん、行くよ……どこまでも…一緒に…!!」

「やりっ!」

じゃあ、行こうぜ!と言おうとした瞬間に下から聞いたことのあるお調子者っぽい声が聞こえてきた。その方向を見ると紅い髪にバンダナを巻いて、腰に刀を差したお調子者クラインが。

「おーい、遅ぇぞリクヤ坊!」

さらにその下にはノームの証の褐色肌を光らせて、巨大なバトルアックスを背に担いだエギル、レプラコーン専用の銀色のハンマーを携えたリズ、こちらでもピナと再開できたシリカはそのピナと並んで飛んで黒い尻尾をたなびかせている。他にもユリエールさんとシンカーさん、ふらふら運転なサーシャさんにいつの間に着たのかサクヤさんやアリシャさん、ユージーン将軍にサウスまで。さらにレコンやほかにもぞろぞろとこの城を待ちわびていた面々が。

「ほら、置いてくぞ!!」

クラインが声を残して一気に飛び立つと他のパーティも我先にとスピードを上げる。

「お先!」

「ほらほら、早く」

「リクヤさん!」

エギル、リズ、シリカも同じく上昇していく。

「リクヤ、先行くね」

「早くしないとベリになっちゃうよー」

サチ、サウスも同じく城へと飛んでいく。

「スグ、覚悟はいいか?あの城は厳しいぞ」

「リーファちゃん、一緒にガンバロ!」

そういってキリト、アスナは一旦ここに止まってリーファの背中を叩いたり、握手をしてまた飛び立っていく。そしてユイも一旦俺の頭に乗ってペチペチ叩いて口を開く。

「ほら、にぃも早く」

「判ってるって!」

俺の言葉を聴くと満足したようにユイは頭から飛び立ち、自身の親めがけて一直線に行く。そして最後に黄色い線の入った白いミニスカワンピース、長いソックスについた投剣ホルダーをつけたケットシーが長髪を靡かせてフワリと停止した。

「さ、行きましょ。リーファちゃん」

「うん…!」

ユカの手をおずおずと握るリーファににこりと笑い、背中の黄色の翅を震わせて身を翻す。そんな2人を見て、またアインクラッドを眺める。ここでは本当にいろんなことがあった。デスゲームって宣言されたときのあの感じや月夜の黒猫団が壊滅してしまった後の空っぽ感、マルベリーを殺してしまったときの罪の意識ももちろんだ。でも、それと同じくらいにあの城にいてよかったと思えることもあった。キリトたちとの出会いやユカとの仲直り、こうしてリーファとあの城を攻略することだって元はといえばこの城があったからこそ。

だから俺は俺なりの感謝を込めて小さく口を開く。

『……どこかで見てろよ、みんな…絶対に制覇するから…!!』

言葉を出したことに気付いたのかユカとリーファはこちらを見ているが頬を叩いてニヤリと笑う。そして一気に翅を羽ばたかせると同時に口を開く。



「さぁ、一気に行こうぜ!」



 
 

 
後書き
涙「フェアリィ・ダンス編、無事終了!!」

リ「おめでと」

涙「ありがとう!!さて、今回はいかがだったでしょうか…アインクラッド編で『時間が飛びすぎ』という指摘も受け、自分なりにやってみたのですが…」

リ「というか大体原作沿ってるだろ。SAOの時は空白の時間が長かったから…」

涙「でも指摘を受けたのは事実だから。そこら辺も見ていただけると嬉しいです。あと、今回の文字の多さにはALO最終回だからってことで許してねww」

リ「…気持ちわるっ!!」

涙「う、うるさいな……さて、ここでご報告とご相談が…
来週僕の学校では1学期期末テストです。ということで今回はストックもないため更新できる可能性がほぼないですwwなのでここでご報告とさせていただきます。
そしてご相談というのは…『新キャラ募集』です!!」

リ「…は?」

涙「今までのオリキャラは自分が聞いたことのある名前のイニシャルから考えていました…ですがそろそろ限界が…ということで募集をかけたいです。一応学校生活的なものを書きたいと思っているのでそこにでてくるキャラの名前とどんな感じかを集めたいのですが…」

リ「…まぁ、急で悪いかもだけどちょっとこの駄作者に協力できないかな…頼む!!」

涙「お願いします!!キャラは僕にメッセージor感想をお願いします。
そして今回の話も感想、意見共々マッテまーす!!」

リ「じゃあな!!あ、最終回じゃないよ?GGOやるぜ?ってことで今更だけど銃の意見も待ってるよ!」 
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