BIOHAZARD Operation MID-CHILDA
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第1話:襲撃
前書き
たいへん長らくお待たせしてしまい
申し訳ありませんでした
超亀更新ですがよろしくお願い致します
「今回の任務は第193観測指定世界
から戻る局員の襲撃だ」
襲撃ポイントへと向かうヘリの中で、ハンクは5人の隊員に作戦内容を説明していた。
外は猛吹雪で時折ヘリが激しく揺れる
「最優先ターゲットは高町なのは・八神ヴィータの2名
そして可能であれば、高町なのはの血液サンプルを入手せよ
というのが司令部からの命令だ」
『目的地まで、あと20秒!!』
パイロットの報告にハンクはMP5A5に弾倉を込め
初弾を薬室に送る
そして行動を共にする5人の隊員を見る
自分のチームから度胸と技量に優れた隊員を集めたが数が少なすぎる
(…数が少なかろうとミッションは成功させる)
ただ、自分の愛弟子であるベクターが任務に参加できたのは幸運だった。
『到着したぞ!
迎えは1930時にZ02B05A07だ!!
10分待って来なければ置いて行くからな!!』
「よし!ミッション開始だ!!」
ハンクを含めた6名は地面ギリギリを飛行しているヘリから飛び降りると早速、襲撃の準備を始めた。
今回の任務には対空戦魔導士用装備の試作品が配備されている
それは長さ約1メートル 直径15センチのポール状の装置で名前をエネミーセンサーと言う
この装置はリモコン式で発動すると閃光と共に特殊な粒子を拡散させるのだ。
現在、改良が進められており将来的には、センサー式で手榴弾位の大きさとなる予定だ。
「時間がないぞ!急げ!!」
ターゲットの移動が時間通りなら、あと10分程で到着する筈だ。
「よし、ターゲットの『高町なのは』は私が相手をする
ベクターは『八神ヴィータ』を足止めしろ
ゴブリン1はセンサーの起動を
ゴブリン2・ゴブリン3・ゴブリン4は局員を始末しろ」
「「「「「了解」」」」」
そして、それぞれが襲撃の為に遺跡の各所に散らばる
襲撃に最適なポイントは2つ
1つ目は移動中の局員を雪原で襲撃するポイント
確実に殲滅させる事が可能だが遮蔽物が無い為に襲撃を察知される可能性が高い
2つ目は移動ルート上に存在する遺跡で襲撃するポイント
遮蔽物が多く襲撃を察知される可能性が低く
タイミングが良ければ反撃される事なく殲滅する事が可能だが
逆に言えば、タイミングが悪ければ遮蔽物を利用され逃げられる可能性がある
2つのポイントの内、ハンクは後者を選んだ。
理由としては3つある
1つ目は任務の重要性
2つ目は敵にAAクラスとAAAクラスの魔導士がいる事
そして3つ目は新装備のテストである
以上の点を含めて考えれば妥当な判断だろう
『隊長、ターゲットを目視しました
あと5分程でポイントに来ます』
「…武器の点検をしろ」
短く命令を下しハンク自身も装備を点検する
…その最中に、ふと息苦しさを感じガスマスクの吸入缶に手をやる
何か固い物が付着している
バリッと引き剥がし目の前に持って行く
吸入缶に付着していたのは氷の塊だった。
気がつけば吹雪が治まっている
ハンクは、しばらく氷の塊を見つめ手に力を込める
手に持った氷が砕け散った瞬間
遺跡が白い光に包まれた。
ヴィータside
今回の任務は観測指定世界から戻る局員の護衛で、簡単な任務
そして なのはが任務に同行する事になった。
アタシは少し疑問に思った。
局員の護衛に高ランク魔導士が2人も付く何て例がない
何より、なのはは休んでない
任務から帰ると休む間もなく夜遅くまで訓練
僅かな睡眠を取り朝早く起きて魔法の練習
健康診断すら受けない
だから任務前に休むように言った
でも
「大丈夫!
私、頑丈だから
もう心配性だなぁヴィータちゃんは」
なのはは笑ってそう言った。
だから大丈夫だとアタシは思ってしまった。
(普段通り飛んでるし大丈夫…だよな?)
中間地点である遺跡が見えた所で、なのはを見る
いつも通りの飛び方
いつも通りの顔
心のどこかで感じていた違和感を気のせいと片付けた
その時だった。
突然 白い閃光が視界を奪い浮遊感がした。
(落ちている!!)
冷静に飛行魔法を発動する…が
何故か飛行魔法が発動しない
何度やっても発動する気配がない
焦っていると、やわらかく冷たい物に体が触れる
(地面!?
チクショー何が起こってんだ?)
目を開けるが先程の白い閃光の影響か何も見えない
「クッソ一体何が…ぐあっ!!」
少しだけ目が見えるようになった時
聞き覚えのある炸裂音と共に局員達の悲鳴が木霊する
(質量兵器!?
なのはは!?)
ボンヤリとした視界の中で質量兵器を持ち局員を銃撃する黒い戦闘服を着た男達と倒れ伏し白い雪を赤に染めている局員が見えた。
目を覆いたくなるような光景の中で、ヴィータは見慣れた白いバリアジャケットを見つけた。
しかも襲撃者と必死に戦っている
(アタシが…なのはを助けないと)
立ち上がり、なのはの元に行こうとするヴィータの前に別の襲撃者が立ち塞がる
ガスマスクの上からフードを被った男
明らかに自分に敵意を向けている
「邪魔…すんなー!!」
一刻も早く なのはの元へ向かう為、男へと突進する
そして渾身の一撃が直撃すると思った瞬間
(えっ?)
視界が真っ白になり顔が冷たい雪に埋まる
見た目以上に襲撃者達は実力や経験があるようだ
(チクショー
…なのはは無事か?)
顔を上げ、なのはがいた場所を見た時
「あっ…あっ…うわあああああ!!」
目の前の光景にヴィータは絶叫してしまう
何故なら
なのはが
血を流して雪の上に倒れていたから
なのはside
それは突然の出来事でした。
観測指定世界での任務中 白い閃光が私達を襲い
何故か飛行が発動しなくて私達は地面に落ちた。
その直後に銃声と悲鳴が聞こえて
(私が、みんなを助けなきゃ!)
そう思って立ち上がって閉じていた目を開けた。
まだ、ボンヤリとしか見えない
背後に殺気を感じて防御魔法を展開する
左腕に衝撃を感じる、襲って来たのは黒い戦闘服を着て顔にはレンズが赤いガスマスクを付けた細身の男の人
でも今受けた一撃は予想以上に重く、それが私の中に流れる御神流の血が実力の差として警鐘を鳴らす
〈マスター!
右側面から来ます!!〉
レイジングハートの忠告に従って右側面を見ると私を蹴ろうとしている
防御魔法を展開しようと右手を向けようとした時
一瞬…ほんの一瞬だけ右手の動きが止まってしまい
回避できずに胸に受け、蹴り飛ばされ遺跡の壁に激突する
「うっ!
かはっ!!」
恐らく肋骨が折れたのだろう呼吸するだけで痛い
痛みに呻いていると目の前が急に暗くなり…そして
(えっ?
おなかに…何か)
自分のおなかに冷たい何かが刺さっている
さらに生暖かい何かが体を伝って流れている
(何が刺さってるんだろう?)
そう思い、おなかを見る
「いやあああああ!!」
自分のおなかには深々とナイフが刺さっていた。
生暖かい何かは自分の血
それが体を伝って地面に雪に吸い込まれる
ナイフが引き抜かれ、傷口から血が溢れ出る
「あっ‥あっ…あぁ……」
顔を上げると赤いレンズのガスマスクの男がいた。
手には注射器らしき物を持っている
(逃げ…ないと)
頭では理解していても体が動かない
一歩一歩近づいて来る男
目を逸らしたいのに逸らせない
視線が、ガスマスクに固定されている
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
表情が変わらないガスマスクが赤いレンズが怖い
今まで感じた事のない恐怖が、なのはを支配する
注射器の針が傷口に刺さり
空の容器が赤い液体で満ちていく
(誰か…助けて…フェイトちゃん……はやてちゃん!!)
なのはの意識はそこで途切れた。
後書き
長文になってしまいすみません
作中で登場した装備等については別で解説用のページを作ろうと思っています
ご意見・ご感想お待ちしております
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