真剣で武神の姉に恋しなさい!
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川神学園 昼休み
前書き
今回から千李の日常会話の口調を女性口調に変えます。前回までの千李は男口調過ぎたのでそれだと百代とキャラが被ってしまいわかりにくいと思うので、基本的には女性口調で通しますが気分が高揚したときなどは多少男口調になるということでいきます。なので今までの千李は一年ぶりに百代たちに会うということで気分が高揚していたということですwww(アトヅケ~・・・)
あとワン子や大和の千李と百代に対しての呼び名も変えます。区別をつけるためです。
ワン子は千李のことを「千姉様」百代のことを「モモ姉様」とし、大和は「千李姉さん」「モモ姉さん」に分けます。
では今回の話しに行きたいと思います。どうぞ。
昼休み 川神学園 3-F
「くぁ~……。よく寝たわー」
大きなあくびとともに机に突っ伏していた千李が起床する。
「すごく寝てたな姉さん。二限目からずっとだったろ?」
そんな千李を見ながら隣の百代が話しかけた。
こんなことを言ってるものの、百代もさっきの時間は爆睡していたのだが。
百代の問いかけに対し千李が目をこすりながら言った。
「ん~?そうだったかな覚えてないわ。それより百代?お前、昼休み仕事があるんじゃないの?」
「ああ。そうだけど。今日はないんだ。だから学食に行ってくる。姉さんは行かないのか?」
百代が言うと千李は軽く首を縦に振った。
「ええ。ちょっと私は用があるから」
「そうか。じゃあまたあとでな」
「はいは~い」
百代は昼休みになるとラジオに出演しているが今日はなかったようだ。
ほかにあと一人いるらしいが、今の千李にそんなことを気にしている暇はなかった。
百代が教室から出たのを見送った千李は席を立った。
「さてと。大和のところにでも行って、昼飯おごってもらうかな」
そう千李の用というのは大和に飯をおごってもらうことだったのだ。
千李は2-Fの教室に歩き出した。
2-F
岳人たちが食堂にダッシュしたところを見送った大和は、熊飼(通称、クマちゃん)に頼んでいたパンを食べようとしていた。
しかしパンが口に入ろうとした瞬間、大和の首筋に二つの柔らかいものが押し付けられた。そして知っている人物の声が聞こえた。
「大和~。お腹空いたからなんか奢ってくれないかな~?」
声の主は千李だった。
「せ、千李姉さん?ちょっとあの当たってるんですけど。その……柔らかいものが」
「ふふん。当たってるんじゃなくて。当ててるのよ……」
大和の耳元で千李がささやく。
千李の甘い声に大和は持っていたパンを離してしまった。
そこを見逃さなかった千李はすばやく手を回しパンをほおばる。
「あ!?」
大和が気づき声を上げるがもう遅い。
すでにパンは千李の口の中に納まってしまっていた。
「ぐまぐま。……んま!?何このパン?さくさくでうまいわ~。ご馳走様。大和。」
「・・・オレの昼飯が一つ減った。」
大和はうなだれるが、千李はうまいものが食べられたのと、弟分をいじれたので楽しそうにしていた。
そんな千李を見ていた大和も落ち込む気もなくなったようだ。
「……まぁいいや。それで?千李姉さん奢ってくれって。お金持って来てないの?」
「うん。今日朝ルー師範代に預けたバックにいれっぱだったからね。一銭もないよ」
千李は大和の問いに対し胸を張る。胸を張ったせいで大きな双丘がゆれた。
大和はそれに生唾を飲み込んだが、冷静に対処した。
「で、でもオレも今日はこれだけしかないから。そうだな……。ワン子に頼んでみれば?」
「う~ん。そっか。じゃあそうするかな。だったらお前も行こう」
「うん」
二人はワン子と京の元に行った。
「あ、千姉様!どうしたの?」
千李に気づいた一子は駆け寄ってくる。
「ん~?いやね、妹である一子に言うのもなんなんだけどね?ちょっとお昼分けてくれないかな?」
千李が頼むと一子はすぐに了承し弁当のおかずを千李に少し分けた。
「いや~。やっぱ持つべきものは、いい妹よね~。それに対し大和ときたら」
一子の頭を撫で繰り回しながら千李は大和をジト目で見つめる。
「さっきオレのパンを横取りした人がそんな目しないでください」
「ん?京の弁当もおいしそうね。ちょっともらってもいい?」
「はい」
千李が言うと京は弁当箱を差し出す。その弁当は真っ赤に染まっていた。そう京は超が付くほどの辛党なのだ。
風間ファミリーの中ではそのことを京カスタムと呼んでいる。
無論千李もそんなことは知っているものの、かまわず食べた。
「千李姉さん大丈夫?」
大和が心配そうに覗き込むが千李の反応は予想のはるか上を行くものだった。
「大和たちが騒ぐほど辛くないじゃない」
「なん……だと……!?」
「嘘……でしょ……!?」
千李の反応に一子と大和が驚愕する。
それもそのはず京カスタムを施された食材を食べた者は皆失神してしまったとか何とか。
そんな二人を尻目に、京と千李は固く手を握っていた。
「同志ができた~」
「イエ~イ」
そんなことを話しながら昼休みを過ごしているとテレビからニュースのアナウンスが聞こえてきた。
要約すると、埼玉県深谷の飲食店で食い逃げが発生したところ、居合わせた男子学生が取り押さえたというなんともドラマのようなニュースだ。
「取り押さえたの男子学生だって。イケメンかな?」
「勇気ありますよね。すごいです。」
ニュースを見ていた千花と真与が取り押さえた男子学生のことをほめているとアナウンサーが続ける。
「男を取り押さえたお手柄の男子学生は、神奈川県川神市在住の風間翔一さんで、限定メニューを先に注文されて腹が立っていたので本気で追いかけたと……」
アナウンサーが言うと同時に画面に見たことのある男が映し出された。
「ぶはっ!!」
一子が飲んでいた二個目の牛乳を吹き出した。一子の真正面にいた千李と京はひょいっとよけ。
「被害軽微。それより」
「あーらら。まさか翔一とわね」
千李は苦笑しながらも口の周りが牛乳にまみれた一子をハンカチで拭いた。
「今度はテレビかよ。」
みんなが驚くのも無理はない。
テレビに出たのは、千李たちが所属している風間ファミリーのキャップ、すなわち風間翔一だったのだから。
そのことをクラスの女子がきゃいきゃいと騒いでいた。その姿を見ながら男子数名はおもしろくなさそうだったが。
ニュースを見終わると千李がせきをたった。
「さてっと。じゃあ教室に戻ろうかしらね。また放課後にね」
「うん!またね千姉様」
手を振る一子に千李は軽くひらひらと手を振り返しながら千李は2-Fを後にした。
2-Fをさった千李は廊下でおもしろい人物に出会った。
その人物を一言で言うなら派手。川神学園の制服を着てはおらず、代わりに金ぴかの服を着ている。
その人物は千李を探していたのか千李を見ると話しかけてきた。
「お久しぶりです。千李殿!」
「英雄じゃない。元気そうね」
男の名前は九鬼英雄。
かの有名な九鬼の長男で武道四天王の一人である九鬼揚羽の弟だ。
「ああ。その説は世話になったな千李殿!」
「いいよ、気にしないで」
英雄は軽く頭を下げようとするが千李はそれを断った。
「いや。千李殿は我の恩人だ。千李殿困ったことがあればいつでも相談してくれてかまわないぞ!……それとすまないが一子殿のこともできれば…。」
「そういうことは、他人の力ではなくて自分でがんばりなさい。それともうすぐ時間よ、いいの?」
「むっ。それもそうだな、では千李殿また。行くぞあずみ!!」
「了解しました!英雄様!」
英雄の後ろからメイド姿の女性、忍足あずみが付いていく。
あずみは千李の隣に並ぶと千李に話しかけた。
「久しぶりだな鬼神」
先ほどのかわいらしい声とはまったく違う低く相手を脅す声だった。
しかしそんなあずみの声に臆することなく千李は対応する。
「あらあずみ。相変わらずあなたのその猫かぶりには驚かされわね」
「はっ、朝見せたあんたのバケモノっぷりに比べたらそうでもないさ」
あずみは軽く千李を皮肉るが千李はそれすらも軽くあしらう。
「ははっ。それで何か用かしらね?」
「いや。とくに用はないさ。ただ……」
「ただ?」
千李が聞くとあずみは腰を落とし拳を千李の背中に全力で叩き込んだ。
しかしその拳は千李に届くことはなく、千李がいたところを素通りしただけに終わった。
千李はというとあずみの後ろに立っていた。
「チッ……。やっぱりか」
それに対しあずみは舌打ちをし千李をにらんだ。
「前よりはずいぶんと早くなったじゃない。だけどまだまだねあずみ」
「バケモノが。あんたにほめられても嬉しくないよ」
あずみは千李に対して毒づいた。
「あら。残念。でもそろそろ行った方がいいんじゃない?」
千李が言うとあずみは言われなくたってそうするといった様子であり英雄の方に振り向いた。
あずみが振り向くと同時に英雄があずみを呼ぶ声が聞こえた。
「あずみ!何をしている早く来い!」
「申し訳ありません英雄様ああああ!!」
そういうとあずみは英雄のところに駆けて行った。
「さて。私も教室に戻らないと」
時間を確認し千李も3-Fに急いだ。
千李と百代はこの後の午後の授業も爆睡していたという。その妹である一子も同じく寝ていたという。
なんとも似たもの三姉妹である。
後書き
今回は以上です。
昼休みの回なのであまりおもしろくはなかったかもしれませんね。申し訳ありません。
どうでしたでしょうか女口調中心の千李姉さんは?やばい、私自身が千李が誰この人状態なんですけど・・・。だけどこうしないと百代と分けるのが難しいですね。百代がそれなりに男口調なのであれ以上男っぽくすると千李が完全に男になってしまいそうなので、これでいきたいと思います。
あと今回は原作のところをちょこっと使わせていただきました。キャップのことを出すにはこれしかなかったので。
感想、意見、駄目だしなどお願いします。
7月6日修正
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