ヘタリア大帝国
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TURN69 遅かった復帰その四
「伴侶としたくはありません」
「理想の日本男児か」
「間違ってもこの者達の様なのは」
東郷、それに田中もじろりと見据える。
「論外です」
「ははは、利古理ちゃんは厳しいな」
「貴様の様な輩が国家の品位を落とすのだ」
「人倫に劣ることはしていないつもりだが」
「そこまで遊んでいてよく言えるものだ」
生真面目な山下にとってはそれ自体が駄目であるのだ。
「貴様の様な破廉恥漢がな」
「まあそれ位にしてです」
小澤は話が止まらないと見て間に入った。
「肉じゃがはオフランス風もできますから」
「はい、そのことですね」
日本もここはあえて小澤の話に乗って流れを作ることにして応えた。
「他の国の感じにもできますね」
「例えばガメリカ風や中帝国風」
「面白そうですね」
「タイやベトナム、インドも」
「インドだとカレーではないのか?」
宇垣はインド風の肉じゃがと聞いてそれを連想した。
「糸こんにゃくは入るが」
「そうですね。言われてみればそうですね」
小澤もそのことを否定しない。
「それはそれでよさげですが」
「うむ、カレーはよいからな」
「ソビエト風だとボルシチです」
小澤はこの肉じゃがも話に出した。
「やはり何かが違います」
「美味そうだがな」
「イタリンですとトマトが欠かせません」
「それもよさそうだな」
宇垣もイタリンは好きなのでそれでいいとした。小澤はさらに乗ってこの国のものも話に出したのだった。
「ドクツは。本場ですね」
「そうだな。ジャガイモといえばな」
「質素な感じになると思いますがいいと思います」
「わしもそう思う。しかしドクツか」
「はい、ドクツです」
「まずいことになっているな」
宇垣は話を戦争のことに変えた。それはまさにだった。
「劣勢になったではないか」
「あのままだとモスクワも攻略できました」
小澤もそう見ていた。
「勢いで一気に」
「何だ?ソビエトの新兵器か」
宇垣はソビエト軍勝利の要因をそれに見ていた。
「あの国は昔から要塞を築くことは得意だが」
「旅順然りですね」
「セバストポリもだがな」
「モスクワにも要塞を築いたのでしょうか」
「詳しいことはまだわかっていないがどちらにしてもソビエトは勝利を収めた」
宇垣はこの事実を話した。
「つまり勝つ要因を持っていたということだ」
「あのドクツ軍をあっという間に追い返したからね」
南雲は肉じゃがをお代わりしながら述べた。
「相当なものだろうね」
「まさか大怪獣じゃねえよな」
田中は意識せず正解を言った。
「それを送り込んできたとかな」
「それはないだろう」
山下はこれまでの軍事的常識から田中に反論した。
「大怪獣を操るなぞ四国のあの巫女でもない限り無理だ」
「ああ、あの娘か」
「若しくは帝か」
富嶽のことである。
「そうそう操れる相手ではないぞ」
「ソビエトにはいねえか、そんな娘は」
「これまで聞いたことがない」
「だったらねえか、やっぱり」
「それこそクローンでもない限りな」
出来ないというのが山下の意見である。
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