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『言霊使いと幻想郷』

作者:零戦
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第十九話






 紅霧異変を解決してから一週間後、博麗神社は相変わらず平和であった。

「あつぅ~」

 魅魔がパタパタと団扇を漕ぎながらだれていた。

「暑いと言っていたら余計に暑いぞ魅魔」

「暑いものは暑いんだよ~」

「霊夢を見習え。あそこで茶を飲んでいるんだし」

 直射日光が当たる縁側で霊夢がお茶を飲んでいた。

「……も…駄目……」

「って霊夢ッ!!」

 霊夢が倒れた。

「あのね誠兄……心頭滅却をすれば暑さなんか大丈夫と思ったけど……」

「もういい霊夢。何も喋るな……」

 此方が悲しくなってくる。

「おい~っす」

「ん? 孝之か」

 そこへ孝之がやってきた。この夏でも執事の服かお前は。

「修行だよ修行。ところで三人は暇か?」

「暇だけど……」

「なら紅魔館に来ないか? 湖で一泳ぎしないかと聞きに来たんだ」

「行くわッ!!」

 霊夢が目を光らせて復活した。後ろでは魅魔が「イヤッホオオォォォォォォォッ!!」と叫んでいる。

「こう暑いと夏バテするからね。一泳ぎしてさっぱりしたいわ」

「まぁ霊夢が行きたいなら行くか」

「分かった。霧雨には声かけているからな」

 孝之はそう言って石段を降りていく。ちなみに孝之の移動手段は俺がショートカットで出した原チャか軽の車である。

 無免許? 幻想郷には免許は存在しないのだよ。(無免許はしたらあかんよマジで)

「さっさと行くわよ誠兄」

「ちょっと待て霊夢。着替えとか持っていかないとな」

「早くするんだよ」

「お前も手伝えよ魅魔」

 そして準備を整えた俺達は紅魔館へと向かった。




「紅魔館へようこそ。よく来たわね」

 メイドの咲夜に日傘をしてもらいながら門の前でレミリア達が待っていた。

「今日はお招きありがとうねレミリア」

「別にいいわよ霊夢。私も暑いし涼みたいからね」

「吸血鬼は水が苦手だったような……」

「泳がないわよ。吸血鬼には吸血鬼なりの涼みかたがあるのよ」

 レミリアはそう言った。


~~少女着替え中~~

「さーて泳ぐぜッ!!」

「遊ぶのかー」

「おい霧雨とルーミア、準備体操をしてから入れ」

 俺はそう言う。そして準備体操後に霧雨、ルーミア、チルノが真っ先に湖に飛び込んだ。

「全く……私の弟子ながら子どもだね~」

「そう言いつつも浮き輪を持って浮いている魅魔には言われたくねぇな」

「う、五月蝿いよッ!!」

 いつも脚が無い魅魔だが今回は脚を出して浮き輪を持ってばた足で遊んでいる。ちなみに黒のビキニだ。

「霊夢はと……」

 霊夢は霊夢で何故か遠泳をしていた。

「霊夢ぅ、ビーチバレーで遊ばないか?」

「……今忙しいからいいわ」

 何か素っ気ないな霊夢……。

「(……誠兄に水着を見られるのは恥ずかしいわよ……)」

「仕方ない、美鈴や霧雨達もやらないか?」

「おーいいぜ」

「やりますよ」

 美鈴や霧雨達が集まってくるが……。

「どうした霊夢?」

 何故か遠泳していたはずの霊夢がやってきた。

「……私もやるわ」

「え? だってさっき……」

「いいから私もやるわ」

「お、おぅ」

 何か押しきられたけどまぁいいか。

「プ、デ霊夢」

「霊符『夢想封印』ッ!!」

「理不尽だぜェェェェェーーーッ!!」

 そしてぴちゅられた霧雨であった。

「霊夢、霧雨は何かしたのか?」

「気にしなくていいわ誠兄」

「……そうか」

 まぁいいか。

「それじゃあやるぞぉ~」

 俺はバレーの網と棒を出して孝之に作らせた。

「俺が作るのかよッ!!」

「気にするな」

 お前は執事だろうよ。さて準備は出来たみたいだな。

「そーれッ!!」

 ビーチバレーが始まった。ちなみに博麗組と紅魔組に分かれている。

「パチュリー様ッ!!」

 美鈴がトスでパチュリーに上げた。パチュリーも飛翔してアタックしようとするが……。

「むきゅッ!!」

「ぁ~ぁ……」

 勢い過ぎたせいで顔とボールが衝突した。パチュリーはそのまま倒れた。

「パチュリー様ッ!!」

「むきゅ~」

「こら駄目だな。気絶してる」

 てわけでパチュリーが退場して代わりに孝之が加入した。

「ぅ~、私も霊夢とビーチバレーをしたいわ……」

 いやいや、日光に当たると消えるだろ。

「そりゃッ!!」

 霧雨がアタックをした。それを美鈴がレシーブで受けようとする。

「あ……きゃッ!?」

 その時、砂で態勢が崩れて美鈴の胸に当たって弾みでビキニが取れた。

「オォッ!?」

「み、見ないで下さいッ!!」

 美鈴がさっと胸を隠す。ありがたやありがたや……。

「誠兄」

「どうした霊……」

 後ろを振り返ると夢想封印のスペルカードを持った霊夢がいた。

 ……俺死んだかな?

「お、落ち着け霊夢。話せば分かるッ!!」

「問答無用ッ!! 霊符『夢想封印』ッ!!」

「ちょ、ま……アーーーッ!!!」

「……ぴちゅられたな……」

 霊夢に問答無用でぴちゅられたのであった。





~~その後~~

「はい誠さん。例の物ですよ」

「ありがとう文。はいお金」

 俺は文にお金を渡して文から写真を受け取る。

「絶対に言うなよ?」

「言いませんよ。言えば私も夢想封印を食らいますからね」

 ぶっちゃけると文に写真を頼んでいた。

「ちなみに孝之は何を買った?」

「吸血鬼姉妹のを二枚ずつです。咲夜さんのも含めますと」

「……もう戻れないところまで行ってるな」

 小兎姫の出番だな。

「誠さんも言えませんよ」

 気にするな。

「それでは毎度でした~」

 文はそう言って飛び去った。さて、写真を見るとするか。

「……ん?」

 何故か写真には霊夢や魅魔、パチュリーの水着の写真もあった。ついでに文のも。

「……まぁいいか」

 後にそれが原因で霊夢にしこたま夢想封印でボロボロにされるのはまだ先だった。






 
 

 
後書き
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