【完結】剣製の魔法少女戦記
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第四章 空白期編
第九十七話 『愛の証明編 前世の記憶を持つ少女と狂王』
前書き
タイトルの出だしの名前が小っ恥ずかしいですね。
それと計三話でこの話は終わる予定です。
そして鉄龍王様からいただいたキャラですが某○アスから二人ゲスト出演します。
名前ですぐにわかると思います。
ですがここでしっかりと言っておきますがこの二人はれっきとした型月世界となのは世界の人間ということです。
キャラ設定は多少同じであってもまったくの別人ですのでそこのところをご了承ください。
ある意味今回は一つの挑戦も含まれています。
Side 衛宮士郎
アインスと付き合いだしてから私はどうアインスと付き合っていくべきかを色々な人に相談したりしながらも魔術事件対策課におもむいて仕事をしている。
まだこれといって魔術による大きな事件は起きてこないがこの世界でもいずれは通る道だ。
「キャスター」
「はい、なんですかご主人様?」
「地球に関してはどう思う? 我らが干渉して良いものだろうか…」
「まだ分かりませんねー。この世界では魔術師はまだ生まれてくる者たちは私達に比べれば赤子に過ぎません。
ですからまだ静観していた方がいいと思います。それに死徒とかはいないようですし」
「そうだな。しかし死徒になる秘術を生み出す輩は出てくるかもしれないからな。用心はしておいて損はないだろうな」
「そうですね」
そんな時だった。
「あ、あの…衛宮さん、少しお話を聞いてもらっていいでしょうか?」
「ん? なんだ、“カレン・ルージュ”二等陸士?」
「カレンで構いません」
「そうか」
少し固い表情をしながらもそういうので私もそれに習ってカレンと呼ぶ。
彼女はカレン・ルージュ。
ミットチルダで発見された魔術師の一人で髪色は赤で髪は跳ねている。
まだ15歳だがその魔術の属性故か少々燃え上がる気質を持っている。
魔術の属性は火。得意魔術は“炎熱・輻射波動”。
対象に触れて熱を注ぎ込み膨大な熱量で焼き尽くすというものだ。
他にも輻射波動の応用でバリアを展開できたり遠距離から波動を溜めた熱線を放てるという便利な能力である。
しかし物騒な能力でもあるのでナックル式魔術式デバイス『カグヅチ』で非殺傷設定に抑えているという事だ。
彼女はなにやら前世の過去というものを持っているらしく昔からそれで思い悩んでいたという。
あの毒舌家のカレンとは違い特殊な思考は持ち合わせていないようで私としては良かったと思う。
閑話休題
「それで、どうした?」
「は、はい…。私の前世の話で聞いてもらいたいことがあるんです」
「君の前世をか…?」
「はい…」
なにやら重要な話のようだな。
オフィスでは話しづらいだろう。
それで、
「なら会議室で話すとしようか。ここでは話しづらそうだしな」
「ありがとうございます…」
それでカレンとともに会議室に移動して二人で向かい合って話す。
私が紅茶を二人分用意しながら話を開始する。
「して、今まで重要な事は話してこなかったがその過去というのはもしかして私も関係している話なのかね?」
「は、はい…。今まで打ち明けなかったのも本音を言いますと衛宮さんの事が怖かったからなんです…」
「またどうして…?」
「はい。私は信じられないかもしれませんが前世であなたに殺された過去を持つんです」
「私に、か…?」
「はい。そして私が過ごしていた世界は魔術が存在していた世界でした」
ッ!?
それでその世界の様々な機関を聞いてみると私たちの世界とほぼ同じだった。
「…もしや、並行世界の私が君を…?」
「おそらくですが…」
「だが、君はなにかその私に殺されるような事をしたのか。どうにも信じられないのだが…」
「いえ、私は何もしていません。問題があるとしたら私の婚約者が人間と吸血鬼のハーフだったことなんです」
「人間と吸血鬼のハーフ…だと?」
「はい。彼の名前は“ライゼル・S・クロウリー”という名前でした。覚えはありませんか…?」
「いや、初めて聞く名だ。その彼が何をしたんだ…?」
「いえ、なにもしていません。突然衛宮さんに襲いかけられましたから」
「その私は何かを言っていたか…?」
「なんでもライの事を“外道な人体実験などの研究をしている死徒”と言っていました。でも彼はそんな事は一切していなかったんです。
でも衛宮さんは一切話しを聞いてくれなくて様々な剣を放ってきてライも応戦したんですが逸れた剣が私に向かってきて、それで…」
それでカレンは黙り込む。
おそらくそれがカレンの最後の瞬間だったのだろう。
「そうか…。おそらくその私は魔術協会に騙されてそのライゼルという彼を討伐しに来たのだろう…。
私とは違う衛宮士郎の事だからそうなのかは分からんが…しかし、今どうしてその事を私に?」
「はい。昨日に夢で久しぶりにその夢を見まして私が死んだ後、狂う彼の光景を見たんです。そして衛宮さんを殺す光景も見ました。
それでなにか胸騒ぎがしましてこうして相談してみました」
「そうか…その君の勘はよく当たる方か?」
「当たる方です。ですからもしかしたら彼が出てくるかもしれませんからお気を付けください…私にはその事しか伝えられませんから…」
「わかった。一応心の片隅にとどめておこう」
カレンにそう言って私は話しを切り上げる。
しかし、ライゼル・S・クロウリーか…。
やはり知らん名だな。
並行世界での事なのだから仕方がないといえばそこまでなのだがな。
それで今日の仕事もすべて終わらせて帰り支度をしている時だった。
「士郎、迎えに来たぞ」
「ああ、アインス。わかった。すぐに向かうから待っていてくれ」
「わかった」
アインスが私を迎えにやってきた。
付き合いだしてからはよく迎えに来てくれることが多くなって同僚の奴らからなにやら冷やかしが聞こえてくるがそいつには睨みを浴びせておいた。
それでも黙らないのならばO・HA・NA・SHIと洒落込むことになるがな。
それで荷物を持ってアインスに合流して、
「士郎、魔術事件対策課はどうだ? 最近なにかめぼしい事件は起こっているか?」
「いや、今のところはそんなに大きな事件は起きていない。いたって平和だよ。うちの課は」
アインスとそんなとりとめのない会話をしながらも帰りの道を歩いている。
ふとアインスが何度も手を出したり引っ込めたりしている光景を目にし、前にはやてから、
『ええか、士郎? もしこんな仕草をしていたらしっかりとエスコートしてやるんやで!』
という言葉をもらっている。
なので私は素直にアインスのその手を握ってやった。
すると「パァッ!」と喜ぶ表情をしてくれたので正解だったようだ。
「…あのー、ご主人様にアインス? 私の存在を忘れていませんか~?」
「「ッ!?」」
それで思わずパッと同時に手を離す私とアインス。
「いいですよー。どうせ私はそこらへんの木と一緒の扱いでも一向に構いませんから~」
どうやらキャスターが拗ねてしまったようだ。
空気が重い。
さて、どうするべきかと思っていた、そんな時だった。
「ッ!?」
強烈な殺気の視線を感じ直感に従い私はアインスを腕に抱え横に飛んだ。
「士郎!?」
「ご主人様! サーヴァントの気配です!」
「分かっている!」
それで先程まで私達がいた場所に目を向けるとそこには赤いサーベルを振り下ろしていてアスファルトを融かしている一人の男がいた。
格好は白い騎士服に銀色の篭手、赤い十字剣のマークが入った黒いマントを羽織っている。
銀髪で青い瞳。しかし左目には切られたような線の切れ込みが入っていた。
そして重要なのがその私に向けてくる目が憎悪に彩られていることだ。
「何者だ…? サーヴァントだというのだから名を名乗れ」
「私は“アヴェンジャー”。フハハハハハハハハハ!! 会いたかった…会いたかったぞ!! 衛っぇ宮ぁぁっ士郎ぉぉ!!!」
アヴェンジャーと名乗る男はその手のサーベルを構えて疾駆してくる。
そのスピードときたら常人を遥かに上回っている。
キャスターがなんとか鏡を盾にして防ぐが、
「なぜいきなり仕掛けてくるんだ!?」
「なぜだと…? そうか、貴様は“あの”衛宮士郎ではないということか。しかし、そんな事は関係ない…逆恨みだろうとエミヤの名を冠するものには死を!!」
それで何度もサーベルをキャスターと打ち合いぶつけてくる。
「くっ、っ!」
なんとかキャスターは防いでいるが、
「キャスターごときが私の前に立つな!!」
「きゃあっ!?」
回し蹴りをキャスターに食らわせてキャスターは吹き飛ばされてしまう。
「士郎! 私達も!」
「いや、待てアインス。あのサーベルは危険だ! 解析で調べてみたがあれは刺した瞬間に熱エネルギーで爆発を起こす! だからアインスは下がっていてくれ!」
「くっ…わかった。だが勝て。士郎!」
「ああ!」
「…さて、これでもう私と貴様に壁はなくなった。こうして貴様と出会えるとは私は幸運だな! 貴様に斬られた左目の傷が疼くぞ!!」
「…生憎だがお前のことは知らん」
「ほう…やはりあの衛宮士郎とは別人の衛宮士郎か。ならば教えてやろう。
我が真名は“ライゼル”。“ライゼル・S・クロウリー”…愛ゆえに生き、愛ゆえに戦い、そして…愛ゆえに狂った王………『狂王』と呼ばれた男だ!!」
「ライゼルだと!? カレンが言っていたあの男の事か!」
「…なぜ貴様が我が愛する者の名を語る? 語っていいのは、私だけだーーー!!」
「くっ…聞く耳持たずか! 仕方がない! 応戦する!! 投影開始!」
私は干将・莫耶を投影してライゼルへと斬り込む。
「やはり…やはりやはりやはりその剣か! 中身は違っても所詮は衛宮士郎! 同じ剣を使うか! 我が愛するものを刺殺した剣を使うかーーー!!」
ライゼルは狂っているかのように言葉を連呼し何度も私に剣を打ち付けてくる。
生前は騎士だったようだがなにかのクラススキルで攻撃方法が単純化しているのか?
なんとか受け止められる。
「援護します!」
そこにキャスターが背後から呪符を構えて、
「氷天よ! 凍れ!!」
それによってライゼルの足元から凍りついていく。
しかしそのサーベルを凍っていく部分に刺し、
「爆ぜろ! 紅蓮!!」
宝具の名か? 紅蓮と叫び次の瞬間には爆発が起こりライゼルの足元は燃え上がる。
「自滅か!?」
そう思ったが次の瞬間にはライゼルの足は瞬くもなく修復されていった。
瞬間再生か!?
なにかの保有スキル、いやもしや奴の宝具の一つか?
「無駄だ無駄だ無駄だ! 私に傷をつけられるものなどいない! 私は不死身なのだからな! ハハハハハハハハハ!!」
「ならば受けてみろ!――――投影開始!」
今私が投影するのはヘラクレスの斧剣。
「――――投影、装填…全工程投影完了――――是、射殺す百頭!!」
斧剣から放つ九つの斬撃によってライゼルに尽く叩き込む。
それらはすべて命中し腕や足、顔半分を吹き飛ばす。
これだけしたのだ。一回くらい死んでいてもおかしくない。
しかし…ライゼルはその体を瞬時に復元していきすぐに元の姿に戻る。
「無駄ァ!!」
「化物か!?」
「英霊の枠を超えています!」
「私は悪魔との契約で得たスキル“冥土帰し”がある。これがある限り何度でも復元してやる!…さて、そろそろトドメと行こうか」
ライゼルはサーベルをしまうと代わりにもう一つの武器…刀身が青い刀を取り出す。
すぐに解析をかけてみて分かった。
あれも危険な宝具だ。
切った傷口を凍らせ治癒を遅らせる効果を持っていて、しかも武器殺しの効果も持っている。
あれに触れた途端、どんな武器でさえバターのように溶けてしまうだろう。宝具までは分からないが投影の武器はおそらく溶かされるだろう。
恐ろしい武器を持っているな。
だが、負けてやれん!
念の為に私は絶世の名剣を投影して構える。
それからは何度も剣の斬り合いをしていき、キャスターも呪術を放って二人で応戦している。
だが刃毀れしないことで有名なデュランダルをしても切り結ぶ度に少しずつ溶けてきている。
ありえないという感想がすぐに浮かび、しかしなんとか受け止める。
「くぅっ!! ライゼル、少しは話しを聞け! お前に合わせたい人物がいる!」
「そんな言葉で私の気を迷わすつもりだろうがそうはいかんぞ!!」
「ぐっ!」
そろそろ英霊の攻撃を受け止めるのも限界に近づいている時だった。
『結界、展開するよ!』
そんなエイミィ嬢の言葉が通信で聞こえてきた。
それと同時に私たちの周りに結界が構築されていく。
「士郎!」
そしてはやて、リイン、志貴にアルクェイド、そしてヴォルケンリッターの面々が駆けつけてきてくれた。
「くっ…増援か。まだ私の憎しみは途絶えることはないが…いいだろう。しかし…!」
ライゼルは高速で私に駆けてきた。
くるか!?
だがライゼルは私の横を通り抜けていった。
なぜだ? と思ったが次に起きた悲鳴で何が起きたのか瞬時にわかった。
「アインス!?」
ライゼルはアインスを気絶させて捕まえていた。
「どうやらこいつはお前の大事な女らしいな。次の勝負までこいつは私が預かる。せいぜい覚悟をしておくのだな、衛宮士郎!!」
そして超跳躍をしてその場を去っていった。
「アインスーーー!!」
私が手を伸ばすがすでに遅くアインスは連れてかれてしまった。
「くそくそくそッ! 私を殺すことが目的ならなぜアインスを巻き込む!?」
地面を何度もたたき私は心から悔しがる。
また守れないのか!?という想いを抱く。
「ご主人様…気をしっかり」
「ああ…」
そこに駆けつけてきてくれたばかりで状況が把握していないはやて達が、
「…士郎、これはどういうことや? どうしてアインスが…」
「一度帰ったら説明する…エイミィ嬢、やつはどこに消えたか観測できたか?」
『ごめんなさい、士郎さん…結界を破壊していって脱出されちゃった…』
「そうか…くっ、必ず助けるぞ、アインス!」
アインスを必ず救うことを決めた瞬間だった。
後書き
ライゼルの基本骨子は某カ○ーズの人らしいです。
でも私はプレイしたことがないからどんな人物なのか知らないという(え…?。
イメージはプロトセイバーらしいです。
鉄龍王様、まず一話目はこんな話の運びの感じでもよろしいでしょうか?
それとステータスも更新しますのでもしよかったら見てやってください。
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