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ハヤテと泉が幼馴染!?

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第14話 7月23日

 
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7月23日15時00分



「ただいま~……よいしょっと」
「おかえりなさ~い……って、あれ? ヒナちゃんどうしたの、その大荷物?」
 ヒナちゃんが生徒会の仕事から帰ってきたのでお出迎えに向かうと、ヒナちゃんは大きな箱などを何個か持ってきて丁度(ちょうど)置こうとしていた。
 そんなヒナちゃんに私は声をかけると、ヒナちゃんも私に気づく。

「あ、泉! ……これ……全部、生徒会の資料なのよ……」
「これ全部!? ……え、だけどこれだけの量をどうやってココに運んだの?」
「近くまでお姉ちゃんに車で運んでもらったのよ」
「へぇ、桂ちゃんにね~……でも珍しいね。ヒナちゃんがここまで資料とか残すの」

 私の疑問を聞いて、ヒナちゃんはため息混じりに頭に手を当てながら言う。
「そーなのよ……ここの所色々あってね……。千春も今日はバイトでいなかったし……そ! れ! に!」
 ……あれ? なんかヒナちゃんが機嫌悪くなってきているような……な、何か嫌な予感がする……!
「そ、それじゃ私、仕事に戻るね」
 こういう時は、美希ちゃん達のように逃げるのが一番だと思い、話を逸らして逃げよう――と、思ったんだけど……。
 戻ろうとする私の肩を掴まみ、ヒナちゃんは予想道理に私の(美希ちゃん達も含み)事だった。
「あなた達が仕事に来ないからでしょ!」
「に、にはは~……で、でも、美希ちゃんたちは(あと)2,3日は帰らないし……」
「あの子たちは居てもやらないわよ」
 ……確かに……ね。残念だけどそこはフォロー出来ないよ……ごめん二人とも……。

「3人の中で泉が一番(というかほとんど)仕事するんだからしっかり来なさいよね。……まあ、仕事が忙しいのも分かるけど……」
「にはは……ごめんね、ヒナちゃん」
「来ないと今度マリアさんに頼んで、泉のお給料減らしてもらうからね!」
「え……ちょっ!? 冗談でしょ、ヒナちゃん!!?」

 慌ててヒナちゃんに聞き直すと、ヒナちゃんはニコやかに
「ふふっ、冗談よ」
 と、言ってきた。
「な、ならよかったよ~……」
 でもヒナちゃんがあの笑いをする時は、全部が嘘じゃないんだよね~。
 少なくとも何かがあると私は思い、ヒナちゃんの機嫌を良くしようとした。
「そ、そうだ! ヒナちゃん。今、何か手伝えることない? 生徒会に出れない代わりに何か手伝うよ!」
「あら、泉が自分からそんなことを言うなんてめずらしいわね」
「も~、私にだってそういう時はあるよ~」
 卑怯(ひきょう)だと思うけど、たとえば今しようとしてる機嫌取りとかね。

「そう? まあいいけど……手伝ってくれるのは助かるし」
「にはは……それで、私は何をすればいいの? ヒナちゃん?」
「そうね……泉に資料作りとかは無理だろうし……」
 ごめん、ヒナちゃん……確かにそれは無理……かも? どっちにしても出来る自信がないです……。

「だから手伝う、って言った泉には悪いけど何も無い…………あ!」
「ど、どうしたの!?」
 ヒナちゃんが突然何か閃いたようなので、私は驚きながらも聞いてみた。

「あ、いや……大した事じゃないんだけど……泉、この荷物を泉の部屋に置かせてくれないかしら」
「ふぇ!? そんな事でいいの?」
「ええ。だってこの量じゃ置く場所が無いんだもの」
「にはは、そんな事くらいならぜんぜん良いよ」
「そう? ありがとね……。それじゃ運ぶの大変だろうから、『私も運ぶ』の手伝うわね」
 そう言って荷物を持って私の部屋、正確には『私の部屋(ハヤ太くんの部屋)への入り口がある部屋』に荷物を持って向かい始めるヒナちゃん。

 って! このままじゃハヤ太くんの部屋の事がヒナちゃんにバレちゃう!
「ちょっと、ヒナちゃん!? 私が全部運ぶから別にヒナちゃんは……」
 そしたらヒナちゃんは歩きながら
「なに言ってるのよ。二人で運んだら1回か2回で終わるでしょ。泉も仕事があるしこれぐらい良いわよよ」
 と、言ってきてくれた。……他のことだったら、素直に喜んじゃえるんだけどなぁ。

「そ、その通りなんだけど……」
「ならいいじゃない」
 ヒナちゃんはそう言いながら、さらに入り口の部屋のドアにに近づいて行く。

 ど、どうしよう……! ハヤ太くんの部屋への入り口は見つけにくい場所にあるけど……きっとヒナちゃんじゃ、見付かっちゃうよ~……なんでこんな時に限ってハヤ太くんはルカちゃんの家にご飯作りに行ってるの~!

 そして部屋のドアに着いたヒナちゃんは、
「それじゃあ入るわね。泉」
 そういってドアを開けて入った。


 ハ、ハヤ太く~ん! ……た、助けて~!!


 今いないハヤ太くんに助けを求めながら、これからどうしようか考える私だった。


=====後半へ続く=====




 
 

 
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