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なのは一途のはずがどうしてこうなった?

作者:葛根
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第七章 タヌキ娘の知略

 
前書き
この小説は魔法少女リリカルなのはの二次創作です。
原作とは異なる設定、独自解釈、キャラクターの著しい崩壊などが含まれております。
原作の雰囲気を重視される方はご注意ください。
割りとマジで原作崩壊しています。 

 


「ぐぉおおお」
「ひっ」

それは叫びであった。
それは嘆きであった。
それは猛りであった。
血の涙を流す人物は咆哮する。

「おぉおおお! なんでや! 既になのはちゃんには先を越され! フェイトちゃんまでに遅れを取った! 私は悔しい!」
「は、はやてちゃん……」
「……」
「はやて……」
「落ち着くですー」

八神はやての豹変に、シャマル、シグナム、ヴィータ、リインはそれぞれの反応を見せた。
シャマルは取り乱す八神はやてに動揺し、シグナムは黙り、ヴィータは同情し、リインは宥《なだ》めた。
その中でシグナムは恐れていた。
まずい、まずいで御座る!
ここに来て、ミウラ・ケイタとの関係を黙っていたことを後悔した。
今更言えるわけがない。
リインは知っているはずなのに今まで主であるはやてに伝えていないらしい。
それは、リインが思った以上に腹黒だからだろうか?
それとも別の理由があるのだろうか?
分からないまま、はやての絶叫を聞いていた。



リインは熟考する。
シグナムの功績を使う札と考えてどうやれば自分にチャンスが回ってくるかを複数思考で考えた。
人間化すればおおよそヴィータと同じ位の容姿になる。
しかし、ミウラ・ケイタがその容姿に反応するかしないかが問題であり、ヴィータが結ばれなければ自身もまた、結ばれないと考えたのだ。
よって、リインはヴィータが結ばれるまではシグナムの功績を黙っておく事にしたのだ。
また、先んじてシグナムとの関係を八神はやてにバラされたくなければ私を抱けと脅迫しても良いのだ。
シグナム以外で次にチャンスがあるのは自分自身だと確固たるモノがあり、八神はやての動揺の様も滑稽に見えてしまうのは余裕があるからだろうと言える。
実の所、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンの行動も伝えなくても良かったのだが、彼女が彼の部屋に入るのを一般局員が目撃しており、その局員は仕事の打ち合わせか今後の仕事の話だろうと思っていたようだが、リインはこの局員からいずれ漏れる事を懸念して、早めに手を打ったのだ。
それが、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンとミウラ・ケイタの関係を八神はやてに明かすことであった。
八神はやての階級は二等陸佐である。
よって、その権限からアクセスすれば二人のスケジュールが改変できるのである。
昨日の二人は部屋で今後の機動六課について朝まで仕事という事になっている。
そのスケジュールは一般局員でもその気があれば確かめられるため隠蔽工作は完璧である。
あまり、無理のない変更でよかったですー。



八神はやては一通り感情をさらけ出したことによって落ち着きを取り戻していた。
そして、天啓が降りる。
本日の仕事、機動六課の部隊長庁舎視察。
それは、"誰を視察に同伴させても違和感なく仕事"と言い切れるのだ。

「ふ、ふふ、ふはははは。アーッハッハハ!」
「ついに壊れたか主よ」
「ボケェ! シグナムのボケェ! リイン! 急遽ミウラっちの仕事を変更や! 機動六課の部隊長庁舎視察に連れて行く! 建前は、もし、庁舎を敵に攻め入られた時の為にどうすればいいかの見地を戦略講師の意見を聞く、や」
「り、了解ですー」



何もなかった。
そう振る舞うのはフェイト・テスタロッサ・ハラオウンとミウラ・ケイタであった。
午前は仕事で一緒で執務官補佐であった。
午後の仕事は急遽変更で八神はやての視察に同伴。
本当なら戦術教導官の講師を新人にするはずであったが、それは他の誰かに振り分けられたようだ。
まあ、引継ぎと資料は渡してあるから問題ないだろう。
思惑通り、現場に出ることがなくなりよかった。
かと言って実戦の勘を落としては身も蓋もないので、その内誰かと実戦訓練が必要だ。
ならば、横にいる人物に声をかけよう。

「なあ、フェイト、今度実戦訓練やろうぜ」
「え? もう! 昼間からエッチな事言わないでよ!」

夜の実戦訓練ではない。
アホの子だ。

「いや、現場に出ることなくなったからと言って腕を落としたら駄目だろ?」
「あ、そっちかぁ。ごめん勘違いしちゃった」

顔を赤らめて謝られたので許そう。
美人の恥ずかしがる顔はそれだけでご馳走なのだ。
まあ、なのはには負けるがな。



昼食を取る。
久々になのはと二人きりでご飯だ。

「こうやって二人で食べるのって久しぶりだね」
「そうだね。何かとはやてかフェイトがいるからね」

そう、狙ったように彼女達は二人きりでの食事を邪魔してくるのだ。
それが珍しくなかった。
四人がけのテーブルに正面同士で向かい合う。
このテーブルに乱入する勇気のある人物は彼女達以外にはいなかった。
平和である。
だが、ミウラ・ケイタはフェイト・テスタロッサ・ハラオウンの事をどうやって言い訳するのか思考していた。
まあ、また、決闘になりそうだなと予感していた。
短期的に二人にの女性と関係を持ってしまった。
それに激昂されるだろう。だからほとぼりが冷めるまでは黙っておこうと考えた。
目の前の彼女には笑顔が似合うのだ。

「ね、次いつしよっか?」
「ぶっ!」

エロい彼女だ。

「今晩は?」
「いいよ」

二つ返事であった。こうして二人は午後の仕事に活力を得た。



騙し、騙され策に嵌められるのは誰か。

配点:(主人公)



 
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