転生とらぶる
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機動戦士ガンダムSEED
0212話
「では、勝利を祝って……乾杯!」
コップに入った烏龍茶を掲げて乾杯の音頭を取る。
俺のその台詞と共に、周囲に座っていた面々もコップを掲げてお互いのコップに軽くぶつけてからその中身を飲み干していく。……俺以外の大人組は全員アルコールだが。
ホワイトスター内にある俺の家……正確には俺達の家か。現在そこでは連合軍に対する祝勝会が行われていた。何せこちらの被害は無人兵器のメギロートのみ。シーリオンを含めてその他の兵器は小破や中破はあれど、撃墜されたものはない。つまりは戦闘前は圧倒的優位だった筈の連合軍相手に死者0なのだ。
まさに完勝と言うべき結果に、マリューが祝勝会を開きたいと希望してホワイトスターにある俺の家で盛大に宴会をする事になった。
祝勝会の参加者は、この家に住んでいる俺、レモン、コーネリア、マリューの4人。オーブからはカガリにアスラン。アークエンジェルからはキラ、ムウ、ディアッカ。そして学生組のサイ、トール、ミリアリアの合計12人だ。ちなみにエキドナも誘ったのだが、何やら用事があるとかで不参加となった。
……と言うか、実はシャドウミラー以外だと目の前にいる8人がSEED世界では初めてホワイトスターに足を踏み入れた人物だったりする。次元の狭間に転移すると言われて最初は緊張していたのだが、実際にこのホワイトスターへと転移してみればその規模はともかく、中身は普段知っているコロニーの中と大して変わらなかったのですぐにリラックスしていた。
祝勝会という事もあり、俺達が囲んでいるテーブルの上にはオーブで買ってきた料理や女性陣の作った料理がこれでもかと並べられている。
珍しいのはやはり寿司だろう。いわゆる握り寿司という奴だ。買い物途中で寿司屋を見つけた時は酷く驚いたものだが、キラに聞いた話ではオーブには多数の日本人移民者の入植があり、その影響らしい。
そう言えばそういう設定だったか、とSEEDの設定を思い出しながらもアクセルに転生して初めての寿司を逃す訳にもいかず、こうしてテーブルの上に鎮座している訳だ。
ちなみに、今日のオーブは俺達が連合軍に完勝した映像が流れていたおかげで国中がお祭り騒ぎとなっている。その中で祝勝会用の料理やその材料を揃えられたのは偏にサイ達学生組の働きが大きかったとだけは言っておこう。
「うん、美味いな」
寿司桶から中トロや穴子、ネギトロ、ウニ、イクラ、ツブ貝等の前世で俺が好きだった寿司を取り出しては口へと運び味わっていく。
「アクセル、本当に生魚を食べて平気なのか?」
俺が美味そうに寿司を食べていると、恐る恐るといった様子でコーネリアが声を掛けてくる。
そうか、コードギアスの世界では日本はエリア11という植民地になっていたから自然とその食文化は流行らなかったのか。……あるいは、流行ったとしても皇女であるコーネリアの口には入らなかったのかもしれないな。にしても、ブリタニアだってマリネとかはあるだろうに。
「ああ、大丈夫だ。ほら、これでも食べてみろ」
ネタが刺身系の寿司はコーネリアにはきついと思い、煮穴子を箸で取ってコーネリアへと差し出す……と、何故か口を開けているコーネリアが目に入ってきた。
……これは、あれか。俗に言う『あーん』って奴か?
コーネリアと俺の近くにいる面々――主にサイ達学生組――の期待するような視線を受けつつ、コーネリアの口へと煮穴子を運んでやる。
「ん、……うむ、美味いな」
「そう、良かったわね。じゃあ次は私の番ね」
コーネリアを押しのけるようにして俺の隣へと来たレモンが、同じく口を開けて待つ。チラリとその後ろを見ると、マリューが順番待ちをしているのを見つけてしまう。
「……」
そして周囲からはどこか期待するような視線が向けられている。
こうなってはもう逃げられる筈も無く、何の罰ゲームだと言わんばかりの行為を強制させられる事になる。
「すいません、ちょっといいですか?」
あーんの罰ゲームが一通り終わったのも束の間、何故か2周目に突入しそうな雰囲気だったので少し離れた所に避難していた俺へと声を掛けてくる人物がいた。声のする方へと振り向くと、そこにはアスランとカガリの姿があった。
「ああ、構わない。……まさかお前達も俺にあの罰ゲームをしろとかじゃないよな?」
「ははっ、いつもの超然としたアクセルの一風変わった姿を見れて私は満足しているぞ」
口元にニヤニヤとした笑みを浮かべているカガリを軽く睨み、アスランの方へと視線を向ける。
「アクセル・アルマーさんですね。貴方がブリッツのパイロットをしていたとキラから聞きました」
「ああ、確かにブリッツは俺が使っていたな」
ちなみに、ブリッツは既にアークエンジェルにもオーブにも無い。現在はこのホワイトスターで技術班の玩具……もとい、研究材料になっている。
とは言え、ブリッツで見るべき所はPS装甲くらいしかないんだが。ブリッツ最大の特徴であるミラージュコロイドは劣化版ASRSだし。
「その、キラとカガリに聞いたんですが……」
どこか聞きにくそうに口籠もるアスランだったが、その様子を見て何の事を言っているのかをすぐに悟る。
「ガンマ線レーザー砲の事を言っているなら事実だ」
「そんな、本当に父上は……」
「お前も薄々と悟っているんじゃないのか? 自分の父親が変質してきていると」
「……」
「お前がこの先、どんな道を選ぶかは分からない。このままザフトのFAITHとして活動するのか、あるいは父親を止める為にキラや俺達と共に戦うのか。……だが、決して後悔だけはしないようにするんだな」
パリトリック・ザラの変質については自分でも薄々と感じていたのだろう。表情を暗くして沈黙するアスラン。
「おい、いくら何でも言いすぎだろ。少しはこいつの気持ちも考えてやれよな」
と、例によって突っかかってくるカガリだったが、テーブルの上にあったフライドチキンへと噛ぶりつきながら苦笑を浮かべる。
「お前にしても、今回の宇宙への出撃については他人事じゃないぞ。お前はオーブ代表という立場なんだからな」
「……何か理由があって私が艦長になるってのはキサカに聞いた。それにもお前が関わっているのか?」
「正確にはお前が出る理由を知っている、だがな。とは言えそれは俺の口から言うべき話じゃない。必要ならウズミ代表が言うさ」
「ちょっと、アクセル……何こんな所に1人でいるのよ。貴男もこっちに来なさい」
アスランとカガリのシリアスな雰囲気を壊すかのように、レモンが突入してきて俺を引っ張っていく。
「まぁ、どのみち今日くらいは難しい事を気にしないで騒ぐってのもありだろう。折角の戦勝パーティなんだしな」
レモンに引っ張られながらも、アスランとカガリにそう声を掛ける。
そして連れ戻されたのは、当然の如くレモン、コーネリア、マリューのいる場所だった。ムウやディアッカの冷やかすような視線が飛んでくるが、この立ち位置にはこの立ち位置なりの苦労があるのだと言っておきたい。
「にしてもお前さん、この屋敷に住んでるんだよな? 艦長と……と言うか、その周りにいる3人と」
「まぁ、そうなる」
「グゥレイト!」
ムウの質問に答えると、何故かディアッカが名台詞を叫びながら尊敬の目を向けてくる。……お前、そんなキャラだったか?
「いや、アクセルさんマジで凄い。尊敬しますよ」
「トール?」
ディアッカと同じく尊敬の目で俺を見ていたトールは、いつの間にか隣に近寄ってきていたミリアリアに据わった目で睨みつけられている。その様子を気の毒そうにしながらもどこか面白そうに見ているキラとサイ。
「そう言えばお前等、いつの間にか仲直りしたんだな。一時期ぎこちなかっただろう?」
フレイの関係で、とは言わないでおく。
「ええ。キラが戻ってきて、2人で色々話して……な?」
「うん」
サイの言葉に頷くキラ。その様子は以前ヘリオポリスで会った時のような親しさを感じさせるものだった。
「アクセル、はい」
「あ、ああ」
そんな俺達の様子に構わず、テーブルの上にあったローストビーフを俺へと差し出すマリュー。……箸使いが上手いのは分かるが、俺の口に差し出されたそれは先程の礼なのか?
とは言え、ここで口を開かないというのも恋人としては悲しいものがあるか。そう判断して大人しくマリューにローストビーフを食べさせて貰う。
何かミリアリアが『キャー』とか言って騒いでいるが、俺は気にしない。気にしないったら気にしない。気にしたら負けだ。
そしてそれに負けじと料理を俺の口元に運んでくるレモンやコーネリア。大人しく餌付けされている時にそれは起こった。
俺達の様子を見て騒いでいたミリアリアに背中を何度も叩かれてたトールが、その勢いでバランスを崩してテーブルにぶつかり、上に乗っていたコップを床へと落としそうになり……
「っと!」
咄嗟に念動力を発動。コップを空中で受け止め、テーブルへと戻す。
『……』
そして何か信じられないような物を見たというように黙り込むサイ、トール、ミリアリア、ディアッカ。そして離れた所でカガリと話していたアスラン。
俺の能力を知っている者達は『あーあ』とでも言うように苦笑を浮かべたり呆れたりしている。
そうか、俺が異世界人だという情報はあっても念動力については知らない奴がいたか。
「え? あれ? 今……なぁ?」
「私の見間違いじゃないわよね?」
「ああ。俺もしっかりと見た」
「……」
トール、ミリアリア、サイ、ディアッカの順だ。
カガリの側ではアスランも口をパクパクさせている。
そしてやがて動揺も収まってきたのか、念動力の事を知らなかった面々の視線が俺へと集中する。
「あー、分かった。きちんと説明するから、そうやって穴が開く程見るな。……いいか? 俺はこのC.E.とは違う世界から来た異世界人だ。まず、それはいいな?」
全員が頷くのを確認して話を続ける。
……アークエンジェル組がウズミの発表で知ってるのは分かるが、ディアッカとアスランは自分で情報収集でもしたのか? まぁ、ウズミの発表は大々的にされたものだから調べるのはそう難しくはなかっただろうが。
「で、俺が生まれた世界には今見せたような念動力――まぁ、分かりやすく言えば超能力だな――を持って生まれてくる者がそれなりにいる訳だ」
再度念動力を発動し、テーブルの上に置かれているコップを3つ程持ち上げて空中で踊らせる。
「確かにこの念動力を持っている者は珍しいが、世界に数人だけという訳じゃない。俺が知ってるだけでも10人程度はいるしな」
「じゃあ、テレパシーとかも使えたりするのか?」
ディアッカの言葉に首を振る。
「いや、少なくても俺が使えるのはこのサイコキネシスだけだな。ただ、この念動力を研究していた人物の説によると極限まで能力の高まった念動力者は、あらゆる超能力を使いこなすサイコドライバーという存在になるらしい」
スパロボシリーズの原作知識によると確かそんな風になっていた筈だ。
「もっとも、俺はそこまで強力な念動力者という訳じゃないがな」
「へぇ、残念。透視とか使えたら便利なのにな」
「サイッテー」
ディアッカのその言葉に、ミリアリアが冷たい声で呟く。ちなみに、俺の近くにいる3人もどこか冷たい眼でディアッカを見ていた。
「俺の念動力も結構便利だぞ?」
「どういう風にですか?」
ディアッカに代わり、キラが聞いてくる。
「例えば俺の機体を覚えているか?」
「ええ。どことなくフリーダムに似た雰囲気を持っていたので印象深かったですけど」
「あの機体にはT-LINKシステムという装置が使われている。簡単に言えば超能力を使った機体制御システムみたいなものだな。自慢じゃないが、俺の反応速度はその辺のコーディネーターよりも格段に上だ。キラに調整して貰ったブリッツでも機体の反応速度が鈍く感じられるくらいだからな。今の所はT-LINKシステム搭載機くらいしか俺の反応にまともについてこられる機体はない」
さらに説明を続けようとした所で、レモンが後ろから抱きついて来た。
「アクセル、折角の祝勝会なんだから堅い話はその辺にしてもっと楽しみましょうよ」
「……それもそうだな」
レモンの言う通り、折角の祝勝会なのだ。それに明後日には宇宙に上がる事になっている。宇宙に上がれば連合やザフトとの戦いが激化するのは間違いない。その前にたっぷりと英気を養っておいた方がいいだろう。
こうしてその日の祝勝会は遅くまで皆で飲んで騒ぐ事になった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:37
PP:205
格闘:258
射撃:278
技量:268
防御:268
回避:298
命中:318
SP:454
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
???
???
???
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撃墜数:294
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