ヘタリア大帝国
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TURN67 ドクツ軍壊走その四
「ですから何としても」
「じゃあ私もまた」
「ご協力をお願いします」
ウクライナに対して礼儀正しく述べる。
「そして勝ちましょう」
「はい、それじゃあ」
「勝ちます」
ベラルーシも出て来て言う。
「この戦いは」
「ベラルーシちゃんも来たのね」
「私の星域はドクツに占領されたわ」
このことはウクライナと同じだ。
「けれどそれでも」
「ここにまで来られたから」
「戦うわ」
淡々とだが確かな決意を姉に告げる。
「そして勝つわ」
「そうね、勝つと思わないと」
「戦争は勝てません」
ジューコフはまたウクライナに告げた。
「そういうものです」
「弱気は禁物よね」
「そうよ、姉さん」
ベラルーシは俯いていた姉にこうも告げた。
「このモスクワで勝って」
「そのうえで」
「ベルリンを逆に陥落させるわ」
ベラルーシはここまで言った。
「そうするわ」
「その通りです。逆にベルリンまで進みます」
ジューコフモベラルーシの言葉に頷く。
「是非共」
「敵の首都にまで」
「そうです、進みます」
また言うジューコフだった。
「このモスクワでの戦いに勝ち」
「そうね。じゃあ」
ウクライナも顔を上げた。彼女も何とか戦いに気を向けられる様にはなった。
ロシア兄妹もクレムリンを出る。その二人をゲーペが出迎えてこう告げた。
「ご武運を」
「うん、ゲーペさんも出撃するんだね」
「そうされるのですね」
「はい」
ゲーペは二人に小さく頷いて答えた。
「そのつもりです」
「そう。それじゃあね」
「共に港に行きましょう」
「その為にお迎えに参りました」
それで来たというのだ。
「ここに」
「有り難う。じゃあね」
「行きましょう」
「この戦いにはあれを出しますので」
ゲーペは首都での攻防がはじまる中でもいつもの表情だ。氷と言うべきその顔でこうロシア兄妹に述べた。
「必ず勝てます」
「それにジューコフ元帥もいるしね」
「しかもスノーさんも」
「そうです。我が軍に敗北はありません」
ゲーペは冷徹な声でさらに述べる。
「あるのは勝利だけです」
「この戦いで勝てばね」
ロシアはゲーペにこう返した。
「ドクツ軍に壊滅的なダメージを与えられれば」
「ドクツ軍の弱点ははっきりしています」
このことはもうソビエト側もわかっていた。その弱点はというと。
「予備戦力がありません」
「確かに物凄く強いけれどね」
「しかし予備戦力がありません」
このことがドクツ軍の弱点なのだ。
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