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魔法少女リリカルなのは〜神命の魔導師〜

作者:星屑
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prologue

 
前書き
皆様、初めましての方は初めまして。以前から知ってた方はご無沙汰してます。星屑です。
さて、今回から執筆を初めさせていただくこの話は、私の前作『鎖の剣士』の大幅リメイクバージョンです。変わったところが盛りだくさん、もはや別物、みたいな大幅っぷりですが、ラウルくんの冷静っぷりは健在です…たぶん。あと無表情っぷりも。
さてさて、今回はStrikerS編からではなく、私初挑戦の無印編からです。まあ、最初っから変なの出てきますが、気にしないでください。それでは! 

 

ーー終わりを迎えた世界で、俺はただ一人で立っていた。

ーー他に人影はない。いや、虫や動物、植物すら存在しない。

ーーこの世界は、とあるロストロギアと一人の人物によって破壊させられてしまった。

ーー世界の時は止まった。風も吹かず、水滴も落ちずにそのまま停止している。空は灰色で……いや、世界全てが、黒と灰色だけに彩られていた。

ーーそんな世界で、俺はただ一人。知っている人はみな戦火に呑まれてその命を散らしていった。中には、俺を庇って死んだ人もいた。

ーー悲しい。憎い。寂しい。辛い。そんな感情が濁流となって俺の心を飲み込んでいく。

ーー愛した人達は死んだ。大好きだった人達も死んだ。守るべき人達も死んだ。なにもないこの世界で、俺は生きる意味があるのだろうか。

ーーそんなもの、あるはずがない。なにもない世界で、生きる意味など、あるはずもない。

「……ディーネ………」

『マスター?』

俺の長年の相棒のデバイスは、心配するような声音で問い返してきた。

「みんな、死んじまったなぁ……なのはさんも、フェイトさんも、はやてさんも、ティアナも、スバルも、エリオも、キャロも……みんな…」

『……はい』

「ユラも、死んじまったな……絶対に守るって言ったのに……」

ーー言葉と共に思い出すのは、目の前で大切な人達が徐々に冷たくなっていく光景。いくら治癒魔法をかけても、いくら祈ろうとも、誰一人として助けられなかった。無力感と後悔に、俺は歯を食い縛って手を握り力を込めた。

『マスター、血が……』

ーーディーネに言われて気づく。俺の体の至る所の血管が破裂して、血が吹き出していた。今まで何度も経験してきたリアルな死の感覚が、ゆっくりと迫ってくる。だが、

「構わないさ。元々、俺がこの世界で生きている意味なんてないんだからさ」

『マスター……そんなこと、言わないでください…!』

ーーごめんなディーネ。けどさ、もうどうにもならないんだよ。誰もいないこの世界で、人の温もりがないこの世界で、俺は生きていることなどできないよ。

「ああ……できることなら、やり直したいなぁ……」

『マスター…私は、ずっと貴方について行きますよ。例え、時を渡ろうとも』

「……ありがとう」













ーーさあ、終わろうか














ーー新暦75年。後世の歴史家が語るに、この世界の人間の歴史は、一度ここで断絶したらしいーー














なにもない真っ白な空間。そこにあるのは、揺蕩ういくつもの光芒と、光芒が作る輪の中心に寝かされた、青い髪を持つ最後の少年だった。
一つの光芒が、重苦しい空気の中、切り出した。

"やはり、抗えんかったか"

その声は、老練な男のものを感じさせた。

"そうですね。世界の崩壊は、免れなかったようです"

それに答えたのは、まだ少年のような幼さの残る声だった。

"まあいい。崩壊を防ぐ方法はまだある……ところで、この青年か?"

"はい。唯一の適合者です。間違いありません"

少年の言葉に、男はふむ…と呟いた。

"ラファエル、この者の記憶をある程度封印し、使命を刻んで転生させよ"

"まさか…?"

"ああ。この青年に、一度世界を託してみたくなった"

その男の言葉に、余程意外だったのか、ラファエルと呼ばれた少年は絶句した。

"なにをしている?行け、事態は一刻を争う"

"は、ハッ。すぐ作業に取り掛かります。オーディン様!"

ラファエルがそう言うと、一つの光芒と青年の体は光の粒子となって消えていった。

"オーディン様、よかったのですか?"

"ああ、あの者は中々の逸材だ。世が世ならば、我らと席を同じにしているほどにな……"

ーーだから、託してみたくなった。

そう言って、オーディンは姿を消した。

"……最高神様の決定ならば仕方ない。彼の者に、祝福があらんことを"

どこか煮え切らない様子のその言葉を最後に、存在していた光芒は全て消えた。














全てを失った青年は、使命を負って滅びが運命の世界、その過去へと旅立つことになった。
そこで何を為し、何を決めるのか。一つの世界の命運は、ただ一人の青年に託された。




『魔法少女リリカルなのは
~神命の剣士~ 』


ーー始まりますーー 
 

 
後書き
やっと、リメイクできた。今回は挫折しないようにしたいなー。
あ、ユラのことどうしよう…… 
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