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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第三章 聖杯大戦編
  第七十話      『マスターとサーヴァント達の安らぎの時間』

 
前書き
再びの戦いの前の各家族のひと時の安らぎといったところです。 

 


Side シホ・E・S・高町


先の会議後、一度みんな家に帰宅することになり久しぶりに高町家に帰っている私となのは。
それにアルトリアとネロ、オリヴィエ陛下もつれている。
今はなのはの部屋に集まってみんなで話し合っている。

ちなみにネロの格好はアルトリアの紺のスカートと色違いの赤のスカートを履いて赤いリボンを巻いている。二人で並ぶと双子の姉妹に見間違えるものだろう。
そしてオリヴィエ陛下は腕が義手なので黄色いスカートに上は白いセーターを着て義手は黒い布で隠している。
でも、こうしてみると豪華な顔触れであると思う。三人とも一国の王様だったのだから。
私って結構王様関係の交友があるなと思う。

「…シホ? じっとこちらを見てどうしましたか?」
「いえ、なんていうかこうも王様が揃っていると思うとすごいことなんだなぁ…と」
「うむ。奏者よ。余も楽しいぞ。王として語れる相手がおるからな」
「そうですね…。生前身近な王はクラウスしかいませんでしたから話し合えるいい機会ですね」
「もしここにあの豪快な男、征服王イスカンダルがいたならまた聖杯問答を始めたのでしょうね…。今なら自信を持って言い返せますでしょうが…」
「シホちゃん。聖杯問答ってなんだろうね…?」
「さぁ…。王同士の語らいだから自身はどんな王だったのか? とか聖杯に願う事はなにか? という感じじゃない…?」
「ふーん…そうなんだ」
「なのはー。シホちゃんー。夕飯を食べましょう?」

そんな話をしていると下から桃子お母さんからの夕食のお誘いの声がかかってきた。
なので私達は向かう事にした。

「こうして家族で食事をとるのは数日間ぶりだけだけど久しぶりだね、なのは。シホちゃん」
「そうですね。美由希姉さん」
「うん!」
「アルトリアさんもネロさんもオリヴィエさんも楽しんでいってね」
「はい。迷惑かけます、モモコ」
「うむ。この時代の食事は昔に比べて美味だから余は満足だぞ」
「そうですね…。食の文化も日々成長していっているのですね」
「わかりますか? ネロにオリヴィエ」

それでアルトリアが同士発見とばかりに二人に話をふる。

「アルトリアさん。昔の食事はどんなのだったの…?」
「あっ! なのは、いけない!!」
「…え?」

そこでなのはが禁句の言葉を放ってしまった。
それによりアルトリアは複雑な表情になり、

「…………………………雑でした。」

精一杯ためてその一言を言いアルトリアは一度はしを置く。
それによって食卓は暗くなる。しかも今回はそれが連鎖するという罠。

「…むぅ。余も食に関してはこの時代の味を知ってしまうとどうにもアルトリアと同じ感想を抱いてしまうな」
「そうですね。民達に比べたらよいものを食べていたと思いますが…やはり」

それでずーん…と暗い雰囲気が立ちこめだす。

「そ、そうだ! 話は変わりますが…」

そこで恭也兄さんが空気を変えようと話題を振り出す。
さすが恭也兄さん!

「アルトリアさんとネロさんはかなり似ていますが別に姉妹というわけでもないんですよね」
「そうですね」
「うむ。余とアルトリアでは生まれた時代も場所も違う。だから姉妹という関係ではないな。しかし妙な親近感は沸いてくるのが不思議だな」
「ネロもそうですか。私も貴女とは以前からの知り合いのような気持ちにさせられます」
「だったらもしこの聖杯大戦を生き残れたら姉妹の儀でも結ぶか? 余はアルトリアとならいっこうに構わないぞ」
「そうですね。考えておきましょう」
「ふっ…余は美しいものは好きだからな。自身に似ているとなれば偽りの姉妹でもよいぞ」

それでアルトリアとネロは和気あいあいと話し合っている。
二人に続く形でオリヴィエ陛下が語りだす。

「…そういえばこの時代にはもう私の子孫はいないのでしょうね。私で聖王家の血は途絶えましたから…。
他の王の子孫がもしいたら語り合いたいものです。特にクラウスの覇王家の子孫と話をしてみたいものです」
「そのためには勝って生き残らなきゃいけませんね!」
「そうですね。なのは。それに今はシルビアという友とまた話し合えるのですからまだ贅沢は言えませんね。言うのでしたら勝ってから言うとします」
「うむ! 必ず勝とうぞ!」
「そうですね」

三人の王は志し高らかに勝利する宣言をした。

「それじゃ精力をつけるためにいっぱい食事を食べてくださいね?」
「うむ! ではいただくとしようか」
「はい」

そして楽しい食事となって私達はそれぞれ眠りについた。
ちなみにネロとオリヴィエ陛下はサーヴァントなので寝ないで家の警備をしているという。
それをいうと融合騎となったアルトリアは寝ないと回復しないからやっぱり燃費が悪いのだろうか…? 悩みどころである。


◆◇―――――――――◇◆


Side フェイト・テスタロッサ


私とランサーは今ハラオウン家でリンディ提督達と一緒に話し合っているところだ。

「しっかし…一度は前の聖杯戦争で会ったことがあるとはいえ今度の金ピカは四日間の記憶はないみたいだから説得もクソもないだろうな」
「やっぱり倒すしかないのかな…?」
「それは倒したほうがいいと思うぞ。フェイト。主犯は言峰綺礼とはいえそのサーヴァントであるギルガメッシュも一度は世界を滅ぼして同罪なんだから」
「そうだよフェイト」

クロノがそう言いアルフもそれに賛同する。

「…うん。そうだね」
「どうしたマスター? やっぱり殺しは好かねぇか?」
「それはそうだよ。ランサー」
「そうか。ま、金ピカを倒すのは俺達サーヴァントに任せておけ」
「うん。お願いね」
「おうよ。それよりもマスターは今は姉ちゃんを助けることを専念したほうがいいぜ?」
「うん。アリシアは必ず助ける…! 魂も操られているなんて可哀想だから絶対に開放する!」
「その意気だ。俺も今回はまともなマスターに巡りあったもんだぜ」

そういえばランサーの前のマスターは言峰綺礼に騙し討にあってマスターを替えられたんだっけ。

「ランサーは、どういう理由で聖杯戦争に参加したの?」

気になったので聞いてみた。

「…そうだな。ま、他の奴らは色々あるな。例えば祖国の復興とか良妻になりたいとか二度目の生を行きたいとかな。
でも俺のはもっと単純な理由だぜ?」
「どんな…?」
「強い奴との死闘を繰り広げたい。それが俺の聖杯戦争に参加する理由だ」
「そんなことでいいの?」
「おう。それに今回は敵に俺のトップスピードについてこれる奴がいるからな。血が滾ってくるぜ!」

ランサーの参加理由に呆気にとられながらも、でも心の赴くままに戦えるランサーの姿に少しあこがれを持ったかもしれない。

「ランサー。もし、もしもだよ…? この戦いが終わったら役目を終えてすぐに消えたりしないよね?」
「あん?…まぁ、マスターが俺に残って欲しいと望むなら俺は残ってもいいぜ?」
「うん。それじゃもし生き残れたらアルフとランサーの三人で頑張っていこう!」
「そいつはいいねぇ。しかし皮算用はまだ早いぜ? まずは目の前の敵を打倒してからその件は考えていこうぜ」
「うん!」
「それじゃ食事にしましょうか」

リンディ提督が食事を用意してくれたので私達はそれを食べた。
エイミィもクロノも非常事態の時のためにあまり寝ないで待機しているから、アリシアも助けて早くこの戦いを終わらせて未来を考えていこうと思いました。


◆◇―――――――――◇◆


Side 月村すずか


私は今ライダーとお話をしていた。
内容はやっぱり夜の一族について。
それを最初聞いたライダーはやっぱりといった表情になり、

「それで私はスズカに呼ばれたのですね」
「うん…。いつかこの事はシホちゃん以外のみんなにも話そうと思っているの。
勇気がいることだけど、シホちゃんのおかげで私はこの力と向き合っていこうという気持ちになったの」
「そうですか…。やはり姿は変わってもシロウ…いえ、シホは優しいですね」
「うん…。私の好きな人なの」

それで思わず私はライダーに私の気持ちを教えた。
どう思われるだろうか? やっぱり変に思われてしまうのだろうか。
不安です。

「いいではないですか。スズカの気持ちの赴くままに行動したらいいと思います。それに…昔は女性同士の恋なんて探せば多く出てくるものです。だから気にしたらいけませんよ」

ライダーに受け入れてもらえて私は嬉しくなりました。

「うん…!」

それで嬉しくなって何度も頷きました。

「しかし、あのシホですからね…。相当手強いでしょう」
「うん。シホちゃんが鈍感だってことはもう十分身に沁みているよ。
でも、いつか思いが叶ったらいいな、と思うの」
「そうですか…。そういうひたむきなところがサクラにそっくりですね」
「桜さんって前のマスターの人だよね…?」
「ええ。サクラもシロウの事を好きで、でも気持ちを正直に告げることができなくて悩んでいましたから。
だから私も今回はスズカのことを積極的に応援しますよ」
「うん。ありがとうライダー。でもね? 今はそれはお預けなの」
「どうしてですか…?」
「フィアットちゃんっていうシホちゃんを好きな子が今敵に捕らわれているの。
だからその子を助けてあげないとズルをしちゃうようで気が引けちゃうから…。
だから対等になって初めて勝負が始まるの…!」

私は握りこぶしを作ってそう宣言しました。

「そうですか…。でしたらそのフィアットも必ず救いましょう。そしてそれからが勝負ですね、スズカ」
「うん!」
「私もスズカが生き残れるように誠心誠意をこめて守ります」
「ありがとね、ライダー」
「ええ…」

そこで一度話は終わったんだけどライダーが今度は少しおずおずとしながらある事を聞いてきた。

「…ところで、スズカはもう夜の一族についてシホに打ち明けているという事は血も、吸ったことがあるのですか…?」
「え?…えっと、うん。たまにだけどね。シホちゃんもよく私に吸わせてくれるの」
「そうですか…。シホの血は別格ですから今後も吸ったほうがいいでしょう」
「ら、ライダー! 吸った事があるの!?」
「…え、ええ。シロウの姿の時にですが…。時たまに何度か…」
「そうなんだ…。……………吸っちゃ、ダメだからね?」

私はつい我が儘を言ってライダーにシホちゃんの血を吸っちゃダメといいつけた。
ライダーも分かっているのかすぐに頷き、

「大丈夫です。それに今はもう一人シロウがいますからキャスターの隙を見て吸いますので安心してください」
「そう。ならいいかな」

士郎さんには悪いけどシホちゃんの血は私だけのものなんだからね!

「……………独占欲もサクラそっくりですね」
「…ん? なにかいった? ライダー」
「いえ。なんでもありませんよ。スズカ」

ライダーが小さく何かを呟いてけど聞こえなかったので流しておきました。


◆◇―――――――――◇◆


Side 衛宮士郎


うっ!? なんだ!? いきなり寒気がしたぞ!?
それはキャスターも同じく感じ取ったようで、

「…ご主人様(マスター)によからぬ相が出ています。結構近い場所からの念でしょうか?」
「キャスターがそう言うなら確かなのだろう」
ご主人様(マスター)の貞操は私が守りますからね!」
「あ、ああ…」

頼もしいのか、逆に怖いのかよくわからない表情でそう言った。

「これはリインフォースも力をいれないとあかんな!」
「あ、主…まだ士郎に打ち明けていないのですから気持ちがついたらで…」
「どうした? リインフォースにはやて?」
「なんでもないよ?」
「…え、ええ。今はなんでもない。……………まずはキャスターをどうにかしなければいけないな…」

リインフォースがブツブツと呟き始めたがそれに関係したら痛い目にあうだろうという気分になったので今はそっとしておく事にした。

「なんか、見ていてイライラするな…」
「ヴィータもそういう気持ちになれたのだな」
「あん? 悪いかよ、シグナム」
「いや? いいことだと思うぞ?」
「フッ…青いな」
「なんだ? ザフィーラ、やるっていうのか!?」
「ヴィータちゃんもザフィーラもやめなさい!」
「あははー。楽しい家族だね。ここはー!」

ファニーヴァンプが楽しそうに笑いながら私達をそう判断する。

「これからはファニーヴァンプも私の家族の一員なんやからな? 私色に染めてあげるわ」
「それは面白そうね。いいわ。私を染められるものなら染めてみなさい、はやて!」
「ええんやね!」

なにやらはやてとファニーヴァンプの仲が妙な方向で深まったようだ。
そのうちはやての病気とも言えるあの行動の餌食になるのだろう…。
私は男でよかったとつくづくと思う。そう考えるとシホのこれからが大変だな、とつい他人事のように思ってしまう。
いや、もう他人といってもいいか。魂が分かれた時点でな。

「士郎も楽しみにしておいてな!」
「なにに、対してだ…?」
「ふふふ…それは秘密や」

なにやらはやてがよからぬ事を考えているように見て取れる。
注意しておかないとな…。


◆◇―――――――――◇◆


Side アリサ・バニングス


「ふっ…!」
「むぅ…アサシン殿、やりますな」
「お主も結構鍛えているように見えるな。鮫島よ」

なぜか今は鮫島とアサシンがあたしのうちの稽古場で稽古をしていた。

「鮫島ー! もっとがんばりなさい!」
「わかりました! アリサお嬢様!」
「むっ…? 先ほどより動きが良くなったぞ? これが忠誠心の力故か?」

それで二人は稽古とは言えかなり白熱していく。
鮫島はうちの執事兼警護主任だからもっと強くなってもらわなければいけないわ!
そう考えるとアサシンを召喚したあたしはラッキーだったのだろうか?
いや、何も触媒がないとマスターに似たサーヴァントが召喚されるという。
それだとあたしにはアサシンのように強いものと戦いたいという欲求があるということかな?
それならそれで嬉しいわね。
それに鮫島には悪いけどアサシンがあたしの護衛をやってくれたらもう遅れを取ることはないでしょうし…。
そのためには、

「アサシン!」
「む? どうした、アリサよ?」
「必ず生き残って将来一緒にお酒を飲みましょう!」
「なにかは知らんがアリサがそう言うのなら儂も頑張るとしようか!」

ええ!
だからやられちゃいけないわよ!? そんな事このあたしが許さないんだからね!










それぞれの家でマスターとサーヴァント達は士気を高めていくのだった。


 
 

 
後書き
それぞれの心情を描いてみました。なのはSideとはやてSideが抜けていますが各家族ということで一緒くたにしました。 
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