ヘタリア大帝国
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TURN63 ドロシーの帰還その五
「それじゃあ」
「まさかブラックホークさん達まで来て頂けるとは」
「思わなかったあるよ」
「面白い成り行きだな。だが」
ここで東郷は言う。
「君達は艦隊を動かすことは出来るのか」
「多分」
ブラックホークはこう東郷に答える。
「できる」
「そうか、できるか」
「あの、司令」
秋山が顔を曇らせて東郷に囁く。
「それでは」
「いい加減か?」
「そうです。幾ら何でもそうしたお言葉は」
「何、ちゃんと後で提督の適正もチェックする」
東郷にしてもこのことは忘れていない。
「それから決める」
「ならいいのですが」
「二人共体格がいい。提督になれなくてもな」
「陸戦部隊としてですね」
「役に立ってくれるだろう」
「確かに。それでは」
デカナヴィダとブラックホークも太平洋軍に加わった。長門は新たな仲間達も乗せて意気揚々とコロニーを出た。だが。
その目の前に宇宙怪獣が出て来た。それもかなり大型のものがだ。
秋山はモニターに映るその宇宙怪獣を見て繭を曇らせて東郷達に言った。
「これは少し」
「長門一隻で相手にすることはですね」
「厳しいですね」
こう日本にも言う。
「勝てないこともないですが」
「損傷は受けますか」
「中破位は覚悟しなければ」
結構な損害をだというのだ。
「危ういですね」
「そうですか」
「しかし逃げる訳にもいきません」
もうそれが可能な距離ではなくなっていた。
「進みましょう」
「よし、じゃあ配置につくぞ」
「僕もある」
アメリカと中国は早速戦闘配置についた。
「司令、何でも言ってくれ」
「命令に従うあるよ」
二人は東郷に対して微笑んで言う。
「司令が太平洋軍連合艦隊司令長官だからな」
「そうさせてもらうある」
「わかった。それでは二人共頼む」
東郷も応えて二人をそれぞれ配置につけた。アメリカはビーム、中国はレーダーだ。
日本は航海だ。自らは艦長の配置についている。
「艦長の配置も暫くぶりだな」
「第四艦隊の司令となられてからはずっとでしたね」
「ああ、司令だったからな」
司令官と艦長は違う。このことはどの軍でも厳密に区分されている。
「だから艦長の仕事をするのは暫くなかったからな」
「将兵をあまり多く連れて来なかったのは失敗だったでしょうか」
「いや、大丈夫だ」
東郷はこの状況でも悠然としている。
「勝てる」
「いけますか」
「ああ、いける」
こう言って艦長の席に座る。そしてだった。
早速長門を動かしにかかる。だがここでドロシー、艦橋に来ている彼女が言った。
「長門のコンピューターを見せてくれるかしら」
「何かできるか」
「ええ、多分」
己に顔を向ける東郷に淡々と返す。
「だから見せて」
「そこだ」
東郷はドロシーの丁度その目の前を指し示した。その席をだ。
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