DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 一~四章
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三章 トルネコおばさん
3-09エンドールでおのぼりさん
再びエンドール王に謁見する。
「おお!トルネコ!よくぞ戻った!既にボンモール王より知らせを受けておるぞ!全てはそなたの働きのおかげ!」
「あらそんな、滅相もない。あたしは、お使いをしただけですのに。」
「謙遜するでない。約束通り、店を出すことを許すぞ!」
あらやだ、忘れてたわ。あたしったら、こんな大事なことを。
「ありがとうございます。エンドールに、夫婦で店を持つのが、あたしの夢だったんですの。」
「うむ、うむ。これからも、世のため人のため、商売に精を出すのじゃぞ。そして、もし店を出したなら、このわしにも知らせるようにな。」
商売に精を出してるのは、あたしじゃなくて夫だわねえ。
お店を出したら、もしかしてお仕事が頂けるのかしら。
ますます頑張らなくっちゃと、トルネコは城下町の観光ついでに、物件を探して回ることにする。
「あら。これはなかなか、よさそうね。」
町外れだが、教会の前であるため人通りが多くて立地の良い、住居併設の物件に目をつける。
これならあたしが出かけてるときも、ポポロを預けなくても安心ね。
下のお店はやってないようだし、もしかするともしかするかも。
店舗部分に足を踏み入れ、奥へと声をかける。
「ごめんくださいませー。」
「開いとるよ。上がってきなされ。」
こんな都会で鍵もかけないなんて不用心ね、人目があるから逆に安全なのかしら、ますますいいわね、と思いつつ上がり込む。
「ごめんくださいませ。下のお店は、お休みですの?」
違うと良いと思いながら聞く。
「わしも、もう歳でな。店はやっとらんのじゃよ。店を売ってその金で隠居でもしたいんじゃが……。」
あらあら、まあまあ。
「王様から商売の許しを貰っていて、しかも店が欲しいという人はおらんかのう……。」
あらあらあら、まあまあまあ。
「ちなみに、おいくらですの?」
老人が片眉を上げる。
「三万五千ゴールドで、良いのじゃがの。」
「三万五千……」
この店の価値を考えれば。
「お買い得ですわね。」
「そうじゃろう、そうじゃろう。」
手持ちでは、全く足りない。
「今は少し、足りないのですけれど。王様のお許しは、頂いてますの。少し、お待ち頂けないかしら。」
「おお!買ってくれるか!では待っておるぞ!」
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