DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 一~四章
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三章 トルネコおばさん
3-02防具でひと儲け
無事にボンモールにたどり着いたトルネコは、城門の兵士に声をかける。
「おにいさん、ちょっといいかしら。このお城で、防具を高く買ってくれるって聞いてきたんだけれどね。どこに行ったらいいか、教えてちょうだいな。」
「それなら、入って左の突き当たりですよ。」
「ありがと。ところで、なんで防具なんか集めてるのかしら。お城なら、御用商人さんが、いっぱいいそうなもんだけどねえ。」
「いやー、それはちょっと。自分の口からは」
「あらあら、いいのよ。ごめんなさいね。ちょっと聞いてみただけだから。じゃあ、あたし行くわね、お仕事頑張ってね。」
城内に入り、買取所らしき場所を見つけ、老人に話しかける。
「おじいさん。防具の買い取りは、こちらでよろしいのかしら。」
「うむ。防具なら、なんでも買い取るぞよ。」
「じゃあ、この盾でも、大丈夫かしら」
「うむ。これなら、この値段で」
「あらやだ。それじゃ、元の値段よりも安いじゃないの」
「そうじゃったかの。ならば、この値段で」
「あらまあ!倍の値段じゃないの!いいわ、それでお願い」
「うむ。他に何か、あるかの」
「また同じ盾なんだけど、どうかしらね」
「うむ。それならこの値段で」
「ええ?今度はそんな値段なの?」
このおじいちゃん、ぼけちゃってるんじゃないかしら、などと心配するも、お城ならお金はいっぱいあるでしょ、今日始めたってわけでもないし、大丈夫、大丈夫。
と思い直し、世間話を交えつつ、何度も値段を確認し直し、手持ちの防具を売り終えた。
「あらやだ、もうこんな時間。そろそろ行かなくっちゃ。おじいちゃん、またね。」
「うむ。また、来るのじゃぞ。」
「せっかく来たんだから、ちょっとお城も見て行こうかしらね。」
まずは派手なところから、駄目で元々と、玉座の間に近付く。
中からは、偉そうな声が当たり散らすのが聞こえた。
「あらやだ、怖い。中には入らないほうがいいわね。でも、なんて言ってるのかしら。」
好奇心に駆られ、聞き耳を立てる。
「ええい!ドン・ガアデはまだか!?一体、どこで道草を食っているのだ!早く橋を直さねば、エンドールの国に攻め込むことができぬわっ!」
「あらあら、まあまあ。兵士のおにいちゃんが黙ってたのに、王様かしら、あんなに大声で。戦争なんて怖いわね、防具なんて、売ったらまずかったかしら。」
とはいえ、済んだことは仕方がないと、気を取り直してまた歩き回る。
何やら、豪華な部屋に出た。
中の女性が声を張り上げる。
「ここは、王子様のお部屋。お前のような、下賤の者の、来るところではありません。」
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