バカとリリカルと召喚獣
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全力全壊手加減なし♪(Byナノハサン)
バカテスト 数学
問 以下の問に答えなさい。
『(1)4sinX+cos3X=2の方程式を満たし、かつ第一象限に存在するXの値を一つ答えなさい。
(2)sin(A+B)と等しい式を示すのは次のうちどれか、①~④の中から選びなさい。
①sinA+cosB
②sinA-cosB
③sinAcosB
④sinAcosB+cosAsinB』
姫路瑞希、高町なのはの答え
『(1)X=π/6
(2)④ 』
教師のコメント
そうですね。角度を『°』ではなく『π』で書いてありますし、完璧です。ただ、高町さんはこれ以外の教科もちゃんと答えられると嬉しいです。
土屋康太の答え
『X=およそ3』
教師のコメント
およそをつけて誤魔化したい気持ちは分かりますが、これでは解答に近くても点数はあげられません。
吉井明久のコメント
『(2)およそ③』
教師のコメント
先生は今まで沢山の生徒を見てきましたが、選択問題でおよそをつける生徒は君が初めてです。
さて、須川君の宣戦布告から約三時間後。私たちFクラスとDクラスとの試験召喚戦争はスタートした。
……したんだけど。
「坂本君。私と瑞希ちゃんは前に出なくていいの?」
そう、私と瑞希ちゃんは本陣待機しているの。
「これでいいんだよ。お前や、特に姫路がこのクラスにいることはギリギリまで隠しておく必要がある。お前は他はともかく、数学の成績は学年トップクラスだからな。そして、姫路は総合で学年トップクラスだ。だから、お前らのことは隠す」
「でも坂本君。前線は大丈夫なんですか?」
そんな瑞希ちゃんの言葉に、坂本君は「大丈夫だ」と言って頷く。
「元々、こっちは向こうよりも点数が全体的に低い。おそらく向こうはいきなり全員で掛かってくることは無いだろうからな。というか、前線はある意味じゃ時間稼ぎみたいなもんだ」
「時間稼ぎ……って?」
「文字通り、時間を稼ぐことだ」
「そういう意味じゃないよ! 聞きたいのは時間稼ぎの意味じゃなくて、どうして時間稼ぎをするのかって事!」
「なんだ、意味は分かってるのか?」
坂本君が普段どういう目で私を見てるのか小一時間ほど問い詰めたい気分なの。
「ま、理由は簡単だ。さっきも言ったとおり、こっちは向こうより点数が低い。向こうから見れば俺達Fクラスはザコだと思ってるんだろう。ところが、そんなザコにいつまでも時間を掛ける結果となれば、やがては苛立ち、痺れを切らして向こうの本隊、そして代表が出てくる。あとは簡単だ、出せる戦力を出し、Dクラス代表の平賀へと道を作る。そして、その道を姫路が通り平賀に勝負を仕掛ける。それで、勝負は決まる」
なるほど。こっちに瑞希ちゃんがいるなんて向こうは思ってないからこその作戦か。もしかしたら『Aクラスの瑞希ちゃんがこの場所を偶々通りかかっただけ』なんて思ってあっさり通れちゃうかも。……あれ?
「ねえ、そこは瑞希ちゃんじゃなくて私のほうがいいんじゃない?だって、瑞希ちゃんの方が成績はいいんだし普通は瑞希ちゃんを隠すのが得策じゃない?」
「普通ならってか、今やってるフィールドが数学で固定されて変化しないならそうするんだがな。……高町。お前数学を除いたら総合点数いくつだ?」
「え…………、あ、あと一点なの!」
そう、後一点で……!
「三桁になるの!」
「すっこんでろ、ザコ」
「あはは……」
あれ? なにかおかしかった?
「ま、とにかく。フィールドが数学で固定されない以上、この場は姫路が適任だ」
なんて話をしていたら……
『死になさい、吉井明久! 試獣召--』
『誰か! 島田さんが錯乱した! 本陣に連行してくれ!』
『島田、落ち着け! 吉井隊長は味方だぞ!』
『違うわ! コイツは敵! ウチの最大の敵なの! こら、放しなさい須川! 吉井! 絶対に許さないからね!』
『は、早く連れてって! なんかその禍々しい視線だけで殺されそうだ!』
『ちょっと、放し---殺してやるんだからぁーーーーーっ!』
そんな会話が聞こえました。そっか、そうなんだね?
さーてと、準備しなきゃね? OHANASHIの。
「あー、高町?」
「なぁに、坂本君?」
「あー、その……ブラスター2までなら、その、許す」
「うん、分かった♪」
さてと、カートリッジは……あ、よかったまだ五本ある。
「さてと、しっっっかりOHANASHIしなきゃね、レイジングハート?」
<Y……Yes! my master!!>
さ~て、OHANASHI、悪破無死♪
「いつだって~どんな時だって~なのはさ~ん手加減な~~し~~~♪」
そんな歌(曲名、『ナノハサンは手加減無し(はぁと)』(自作))を歌いながら私は教室を後にしたのでした。
☆
「さて、島田さん? しっかりとOHANASHIしよっか?」
そう言って私は島田さんに相棒をチャキリと向ける。
現在Dクラスとの試召戦争中。
そんな中、私は島田さんと空き教室に来ていた。
え、理由? そんなの決まってるじゃない?
「ちょ、ちょっと待ってよ!? ウチが何したって言うの!?」
「自覚が無いんだね?」
可哀想になの。でも、安心して?
「疑問に思ったことすら忘れさせてあげるから|(はぁと)」
「ひいぃぃぃいいいいっ!!?」
<Good luck, Miss Shimada……>
「ちょっとおぉぉおおおっ! アレはむしろ被害者はウチよ! 悪いのは吉井!」
ふーん。そんなこと言うんだぁ?
「嘘はいけないよ? 嘘は?」
「ほ、ホントよ! 現に吉井はウチを見殺しにしようとしたのよ!?」
「本当……?」
「ほ、本当よ!」
そこまで言われて、私は少し思案する。うーん、本当かなぁ?
ガシャァァンッ!
すると、どこからか何かが割れる音が聞こえてきました。何? 何なの?
『な、なんだ!? なにごとだ!?』
『うわっ! 島田さん! そんな物をどうする気だよ!』
そんなアキ君言葉が聞こえてきました。あれ? うちのクラスに島田って苗字の人、もう一人いたっけ?
「ウチしかいないわよ! Fクラスに島田は!」
アキ君ったら、何言ってるんだろう? 島田さんの言うとおりなら、なんでそんなこと……
ブシャァァッ!
今度は景気のいい音が聞こえてきます。この音、消火器?
『う、うわっ! 何だ!?』
『ぺっぺっ! こりゃ消火器の粉じゃねぇか!』
『前が見えない!』
『島田さん、君はなんてことを!』
『Fクラスの島田め! なんて卑怯な奴なんだ!』
『許せねえ! 彼女にしたくないランキングに載せてやるからな!』
『そうだ! 在学中は彼氏のできない状況にしてやる!』
『……でも、男らしくてステキ……。お姉さま……』
そんな一連の会話が聞こえていたのでした。
「…………」
「…………ね? ウチじゃないでしょ? さっきのも全面的に吉井が原因よ」
「わかった。しょうがないから……」
本当にしょうがないから今回は、
「ディバインバスターで勘弁してあげる」
「結局はこうなるの!?」
何言ってるの? これでも譲歩したんだよ?
「(ま、あとでアキ君にもちゃんと言っておかないとね?)」
そう思いながら、私はカートリッジを五連発でのディバインバスターを発射したのでした。
それから間もなくして、瑞希ちゃんがDクラス代表の平賀君を打ち倒し、この戦争がFクラスの勝利で終わったことを私は知ったのでした。
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