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ハイスクールD×D 蒼き凶鳥

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原作前
第一章 大戦期
  第十三話

対天使防衛ライン最前線。
「ええい!! 敵の数が多すぎて戦線が支えきれない!!!!」
俺はキュベレイのファンネルによるオールレンジ攻撃で敵を撃ち落としつつ悪態をつく。
ここ最近日に日に悪魔、天使両軍の戦闘は激化しておりいつもの五人も最前線で戦っている。
「ったく、俺のところに天界竜来すぎだろ!? もう七体目だぞ!!」
迫りくる天界竜の翼膜を撃ちぬき肉質の柔らかい腹部を複数のファンネルの集中砲火で貫く。
落ちていく天界竜を眺めていると目の前を特大の光の槍が通り過ぎていく。
見上げるとそこには三人の天使がいた。
一目でわかる。こいつらはこれまでとは格が違う……。
「はじめまして、ですね。私はミカエル。天使の長をしております」
「ウリエルだ」
「ラファエル」
「熾天使四大天使のうちの三人か……。悪魔一人に随分と豪勢だな」
「エクスカリバーを折るような悪魔には、これぐらいが妥当かと」
そういいながらそれぞれ光の武器をかまえてくる。
俺もZガンダムに換装し、
「しょうがない。逃げられそうにもないし、戦いますか」




ビームライフルを構え即座に放つ。
三人はそれぞれ散開し、包囲するように移動する。
はっきりいって、かなりピンチだ。
一人一人が相手だったらなんとかなるだろうが、三人同時となると正直厳しい。
とりあえずウェイブライダーに変形し包囲を突破する。
そのまま変形し振り返りグレネードを発射。
当てるのではなく、近くで爆発させることで奴らの視界を奪う。
ビームサーベルを引き抜き、ウリエルに斬りかかる。
完全に死角からの攻撃だったが、ウリエルはビームサーベルを防ぎ激しいスパークがおこる。
スパークによってこちらの位置がバレ、ミカエルとラファエルが攻撃してくる。
「クソッ!!」
バルカンを放ちながら離脱し、態勢を整える。


追撃してくる二人をビームライフルで牽制していると右横からウリエルが斬りかかってくる。
俺はすかさずビームライフルの銃口にビーム刃を形成、ロングビームサーベルとして攻撃を防ぐとウリエルの顔は驚愕に染まる。
「ライフルからサーベルだと!?」
そのままウリエルの腹を蹴りつけ距離をとり、ロングビームサーベルでエネルギーが底をついたEパックを交換する。


高速で接近するラファエルに向けてシールドを構えたままタックルを食らわせ、そのまま変形。
ビームライフルを乱射しつつ、ミカエルに急速に近づきそのまま通り過ぎる。
が、すれ違いざまに再度変形しグレネードを射出、ギリギリで避けられたが爆発には巻き込まれたようだ。
煙が晴れるとミカエルだけでなくウリエル、ラファエルも再度集まっていた。
三人とも所々傷を負ってはいるがどれも致命傷になりそうなものではない。
攻めに攻めきれないこの状況……。
(長引くな、この戦い………)
そう思いながらビームライフルの引き金を引く








一時間ほど戦い続けているが、いまだに決着のつく様子がない。
俺は最後のEパックを交換しながら機体の状況を確認する。
(ビームライフルのEパックはこれで最後、グレネードは両腕ともに弾切れ、頭部バルカン残弾わずか、ビームサーベルは残り一本か……)
ミカエル、ウリエル、ラファエル三人の連携は見事なものでまるで連携に関する教材のビデオでも見ているのかと思うほど、バランスがとれていた。
堅実、ゆえに攻めきることができずにダラダラと消耗戦が続いている。


(普通なら連携の隙をついて切り崩すんだが……、こいつらの場合隙が全くないからなぁ~)
この一時間で奴らの連携の完璧さは十分に理解した。
だからこそ、
(隙が無いのなら、無理やりにでも作ればいい!!)
脳内作戦会議で出た結論は、力技で連携を切り崩すというもの。
普通ならばこの作戦も不可能に近い。
だが、相手の連携が崩れざるを得ない火力をぶつけることができれば……。


俺は急速で後退し、Zガンダムで唯一無傷な武装である、ハイパー・メガ・ランチャーを呼びだし、そのまま放つ。
これまでのZガンダムの武装とは比べものにならないレベルの高出力ビームが戦場を横切る。
ミカエルも今の一撃は驚いたようで冷や汗をかいている。
「今の一撃は、直撃すればさすがの私たちでもただではすまないでしょうね。ですが、その見た目では連射はきかないとみましたよ!!」
ミカエルの言葉をきっかけに熾天使三人は、一斉に斬りかかってくる。


そして俺はエネルギーをチャージしている途中のハイパー・メガ・ランチャーを破棄する。
突然の行動に驚いた様子のミカエルたちをよそに、俺はビームライフルの照準をハイパー・メガ・ランチャーに合わせる。
現在ハイパー・メガ・ランチャーの中にはエネルギーが中途半端に溜まっている。
そんなところにビームが当たったらどうなるか。
ビームライフルから放たれたビームはハイパー・メガ・ランチャーに直撃し、辺りに激しい閃光がおこる。
斬りかかろうとしていた三人は閃光をモロにくらい、一時的に失明する。
そしてその隙に俺はZガンダムからある機体に換装する。




姿を現した機体はZガンダムに似ているがZガンダムよりも力強い印象を見たものに持たせる。
右手に持つライフルの砲身は二つに増え、背部のバックパックは既存のガンダムタイプのランドセルに似ているが、それらよりも遥かに大きい。
何より額にある大きな砲口がその機体の一番の特徴だろう。
MSの恐竜的進化の頂点に立つとされる超高火力・重モビルスーツ[MSZ-010 ZZガンダム]。


視界が戻ったミカエルはZZガンダムを目にし眉を細める。
「このタイミングで姿を変えるということは何か策があるということですかね?」
ウリエルとラファエルも警戒しながら様子を見ている。
俺はゆっくりとダブル・ビームライフルを構え引き金を引く。
先ほどのハイパー・メガ・ランチャーよりも高出力のビームが放たれ、ミカエルたちを驚愕させる。
「手持ち武装でありながら、先ほどのものより高出力ですって!!!?」
あまりの威力にミカエルたちが呆然としているがウリエルが一足早く我に返り、これまでよりも高密度な光の剣を作りだし向かってくる。


俺は左手でハイパービームサーベルを引き抜きそのまま無造作に振り下ろす。
これまでのビームサーベルだったら光の武器とぶつかった瞬間にスパークが発生し拮抗した。
しかし、このハイパービームサーベルはこれまでのビームサーベルとは格が違う。
Zガンダムのビームサーベルの二倍の出力を誇るハイパービームサーベルはウリエルの光の剣とぶつかった瞬間に、ウリエルの光の剣を粉砕しそのままウリエルを切り裂こうとする。
すんでのところで避けられてしまったが、その顔は動揺の色を隠しきれていなかった。
「ウリエル、一人では無理です。一旦戻りなさい!!」
ミカエルの声に諭されるようにウリエルは戻っていく。


「今の彼は非常に危険です。恐らく今の彼の攻撃の全てが我々にとって致命傷になりえるでしょう」
ミカエルが冷静に状況を分析する。
「先ほどのウリエルの攻撃でわかった通り、一人ひとりでは歯が立ちません。三人での一斉攻撃でなんとかしましょう」
ミカエルが作戦を立てているがこのままだと埒があかないので二十一連装ミサイルランチャーをばら撒く。
多数の爆発が起こる中、三人はそれぞれ別々にこちらに向かってくる。
モビルスーツの優れた集音能力のおかげで奴らの作戦はわかっているので俺は移動せずに待ち構える。
三人が接近してくるなか俺は攻撃に回す全エネルギーを額部にある砲口に集中させる。
そして三人が必殺の一撃を放とうとする瞬間、そのエネルギーを開放する。
「いっっけぇぇーーーっ!! ハイメガキャノンッッ!!!!!!!!」





コロニーレーザーの約二十パーセントに相当するとされる出力の超高密度・超高出力のビームはミカエルたち三人を巻き込み戦場を照らす。
他の高出力武装に比べれば射程は長くないが、不運にもミカエルたちを支援するために向かっていた天界竜十五匹はそのビームの奔流に飲み込まれ、欠片一つ残さず消滅した。
ハイメガキャノンを撃ち終えると少し離れたところでミカエルたちを発見した。
さすがは四大熾天使といったところだろうか、三人とも生きている。
しかし、その姿はボロボロだ。
「ギリギリのところで直撃は避け、最大の防御をしたのですが……。あれだけの一撃、放てる者なんてこの世界でも数えるほどしかいませんよ」
ミカエルはボロボロになりながらも戦闘態勢を崩してはいない。
「ウリエル、ラファエル。悔しいですがここは引きましょう。彼の力は我々三人を凌駕しています。ガブリエルが加わったとしても勝てるかどうか……」
「このままやられるより、生き延びてヤツの対策を立てなければな」
「まさかたった一撃で我々がおいつめられるとは」
これ以上の戦闘は不可能と判断したのか、三人は撤退しようとしている。
こちらとしてもこれ以上の戦闘は厳しいのでおとなしく撤退させることにする。




撤退していくミカエルたちを眺めながら先ほどミカエルが去り際に言い残した言葉がやけに耳に残った。
「もしかしたらあなたは既に悪魔という定義から外れた何かなのかもしれませんね…」
……もしそうだったとしても、恐らく俺は変わらず生き続けるだろう。
俺は戦線に戻るためにZZガンダムをGフォートレスに変形させ、空を飛んだ。
 
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