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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第七十六話 空を飛ぶ乙女達その一

                  第七十六話  空を飛ぶ乙女達
 剣崎と橘はボードの事務所にいた、とはいっても事務をしておるのは栞だけだった、その彼等がこう言ったのである。
「今度誰だろうな、別の世界に行くのは」
「それが問題だな」
「出来ればあれよね」
 ここでその栞が言った。
「もう少しだけ静かにしていたいわよね」
「そうですよね、俺もそう思います」
 剣崎は栞の言葉を受けた。
「もう少しだけは」
「全くだ、とはいってもだ」
 橘もここで言う。
「そうはいかないのが俺達だからな」
「そうですよね、残念ながら」
「こうした話をしているうちにもスサノオは動いている」
「なら来ますよね」
「むしろ暫く落ち着けたことの方が奇跡だった」
 海に山に大阪、温泉にだとだ。
「そのことに感謝しないとな」
「そうなりますね、やっぱり」
「スサノオはここぞという時に仕掛けてくる」
 まさに最高のタイミングでそうしてくる、このことはショッカーの頃から見事なまでに全く変わってはいない。
「心構えはしておこう」
「そうですよね」
「あの、橘さん剣崎さん」
「ちょっといいですか?」
 二人が話していると志村と禍木が心配になった顔で言ってきた。
「くれぐれもご自重して下さいね」
「気張らないで下さいね」
「おい、俺達が下手なことするっていうのかよ」
「毎回騙されてますから」
「しかも敵に回ったら普段よりさらに強くなりますから」
 部下である彼等にしてはたまったものではない話だ。
「あの、止めるの俺達ですから」
「本当にお願いします」
「相川さんもですからね」
 三輪も難しい顔である。
「本当にちょっとしたら騙されるんですから」
「今度は大丈夫だよ」
「騙される世界には行くことはない、おそらくな」
 当事者達はわかっていない。
「まあ今度はどんな世界かわからないけれど」
「安心してくれ」
「頼みは睦月君だけか」
「全くだな」
 志村と禍木の不安は消えない、勿論三輪も同じだ。
 ボードの面々は二人と栞を除いて不安だった、しかも。 
 所長の席は不在だった、志村はその今は誰もいない烏丸の席を見て同輩の二人に対して言った。
「所長いないのがまた」
「所長いなくなったらなあ」
 禍木も不安な顔でさらに言う。
「絶対に大変な話になるからな」
「何でなのよ、いつも思うけれど」
 三輪もその烏丸の席を見ている。
「ボードだけ訳がわからないっていうか」
「俺達結構シリアスな筈なんだけれどな」
 禍木は今度は首を捻った。
「何か妙にお笑いじゃないか?」
「うん、俺もそう思うよ」
「そうだよな、やっぱりそれってな」
「間違いないよ」
 二人、三輪も含めると三人で橘と剣崎を見る。見ずにはいられなかった。
 そうした話をしているうちに事務所に虎太郎と上城が来た、虎太郎はまず志村達に対して尋ねた。
「何か情報入った?」
「いえ、これといって何も」
 志村が答える。
「ないです」
「そうなんだ」
「白井さんの方もですよね」
「なかったね」
 実際にそうだと言う虎太郎だった。 
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