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魔法少女リリカルなのは~過去を捨て今を生きる者~

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原作前に小学校に入ろう
  新しい玩具(おもちゃ)を手に入れた子供のようだった。

第三十九話 新しい玩具(おもちゃ)を手に入れた子供のようだった。


「ねえ、おにぃ?何故か家から、中に入るとやけどするぜ?みたいな雰囲気を感じるんだけど・・・」
「なんかアブナイ気がしたが、確かにそうだな・・・」

一体我が親は中で何をしてるんだろうな・・・。
だが、ずっと家の前に立っているわけにもいかず、手を震えさせながらもドアを開ける。

パアン!パパアン!

翠屋と同じ流れだった。
ダブりましたな。

『ハッピーバースデイ!陽龍、美愛!』

父さんと母さんが早速僕たちを祝ってくれる。
それに対して僕たちも、声を合わせて言う。

『ありがとう、お父さん、お母さん!』

僕たちはきっと、超絶笑顔だっただろう。
そして僕らは玄関に入り、靴を脱いでからリビングに入る。

「おお!母さん、今日はすっごいご馳走だね!」

リビングに入って目に入ったのは、机いっぱいに並べられたご馳走だった。

「もちろん、大切な我が子のためですものね」

母さんはお茶碗に御飯をよそりながらこっちを見て答える。
母さん、桃子さんに負けないくらい若く見えるよね・・・今何歳だろう?

「むぐむぐ、おにぃむぐむぐ、早くむぐむぐ食べむぐむぐないとなくなるむぐむぐよ」
「行儀悪いよ、美愛。ってかすでに食べ始めてるし、大量にあった料理の半分が消えてるし」

コイツ、この短時間でどんだけ食べてんだよ・・・胃袋はブラックホールでできてんじゃねーの?

「それはそれでひどいよ、おにぃ」
「当たり前のごとく心を読むな愚妹めが」
「愚妹とは失礼な!この愚兄が!」
「お前に言われたくない!」
「なんだとぉー!?」

僕たちが誕生日にもかからわず、しょうもない喧嘩をしていると、ついさっきまで空気だった父さんが喧嘩を止めてきた。

「誕生日に喧嘩はやめなさい。あと陽龍、父親に空気はないだろう。その通りだけどな」

まったくだ。

「でも陽龍、そんな喧嘩ばっかして、美愛がやんちゃな喧嘩好きみたいに思われてお嫁にいけなくなるじゃない」
「なんだと緒里!どこのドイツだ俺の愛娘を奪い去るカブトムシの骨は!」

父さん意味わかんないっす。
ついでに僕の予想は慎吾です。

「なぜ慎吾?」

美愛が気にすることじゃないのだよ。
それでも美愛は納得ができずに首をかしげている。
はあ、そんなんだから慎吾が苦労するんだよ。

「ま、いっか。おとーさん、おかーさん!プレゼント頂戴っ♪」
「ごめん、忘れてた」
「ええ!?じゃ、じゃあ今年は・・・」

美愛、地獄の始まりだった。

「冗談よ。しっかり用意しているわ」
「よかったぁ~・・・」

そう言って母さんはせっかく座ったのに、また立って小さな箱を二つ持ってくる。

「陽龍にはこっち、美愛にはこっちのね」
「いやっほぉー!」

美愛はそう叫びながらビリビリと包装紙を破る。
まるで獣のようだ。
ついでに僕は几帳面なので、しっかりとセロハンをはがしている。
そして箱から出てきたものは・・・。

「ネックレス・・・?」

僕のはダイヤ型の黒いネックレス、美愛のは真っ白なダイヤ型のネックレスだった。

「んー、ちょっと違うわね。まずは陽龍、これからいうことを繰り返してね。
光の中にも闇はある」
「光の中にも闇はある」
「その闇は永遠に消えない命の火種」
「その闇は永遠に消えない命の火種」
「起動しろ」
「起動しろ」
「ダークセリュード!」
<イエス、マイマスター>

そう言ってネックレスの真ん中のあたりが光った。

「うぇ!?」

喋った!無機物喋った!

「やっぱり驚いた?」

母さんはそう言って不敵に笑う。

「母さん、これって・・・?」
「これはデバイスっていう、異世界の魔導師・・・簡単に言っちゃうと、魔法使いが使う武器なのよ」
「え、魔法って存在してたの?ってか、なんで母さんはそんなの持ってるの」
「お母さんが異世界で生まれた異世界人で、今はデバイスを作るお仕事を唯彦さんとしているからよ」

まさかの母さん異世界人。
僕と美愛は地球人と異世界人のハーフ?

「反応がちょっとずれてるわねぇ。で、お母さんたちは異世界、ミッドチルダで二人に渡すためのデバイスを作るために日夜家を離れていたのよ」
「そうだったんだ・・・」

なんか感動。

「ってゆーかおかーさん、私もやるー!」
「あらあら。じゃあ美愛も同じことを言ってね。
闇の中にも光はある」
「闇の中にも光はある」
「その光は永遠に続く命の火種」
「その光は永遠に続く命の火種」
「起動しろ」
「起動しろ」
「ライトセリュード!」
<イエス、マイマスター>

そして僕の時と同じようにデバイスがしゃべり、淡く光る。

「やったー!ねえねえおかーさん!これ、魔法を使うためのものなんでしょう?どうやるの!」

美愛の喜び方はまるで、新しい玩具(おもちゃ)を手に入れた子供のようだった。

「まったく、教えてあげるから、先に御飯を食べちゃいなさい」
「はーい♪」

って、そういえば何かを忘れてるような・・・あ。

「そういえば父さん、あのちびドラゴンはどうしたの?」
「ん?ああ、あのドラゴンは今、ミッドにある自然区域で遊んでると思うぞ」

あ、保護したんだね。

「ありがと。あとは時に用はないから御飯をどんぞ」
「最近みんなして父さんを適当に流してないか?

きっと気のせいなんだよ。

「じゃあ陽龍、美愛。もう食べ終わったみたいだし、デバイスの設定をするわよー」
「はーい、すぐいくー」

そう言って僕は母さんのいるところへ走っていった。


「それじゃあ、これからデバイスの使い方を説明するわね。まずはその長ったらしい名前じゃ面倒だから、愛称を決めてあげてね」

ふむ、愛称か・・・。

「ヤミで」
「ヒカリでー」

理由は簡単。ダークセリュード→ダーク→闇→ヤミ。
たぶん美愛も同じだろうね。

「それじゃあ次に、自分を守る為の防護服、バリアジャケットに変えてもらうわ。二人とも、セットアップって言って」
「ん、了解。ヤミ、セットアップ」
「ヒカリ、セーットアーップ!」

僕たちがそう言うと、司会が真っ白になった。

「二人とも、自分の身体を守る為の服と、魔法を制御する為の杖をイメージして」

イメージ、イメージ・・・ちまちま考えるのも大変だし、ダークだから黒を中心とした服でいっか。それと杖・・・魔法使いだし、水晶は大切だよねっ。ってことで漆黒の水晶に、それを支えるしといてつ・・・。

「こんなかんじかな」

そう呟き、僕はイメージをするために閉じていた目を開けた。
その時に僕が纏っていたのは、さっきイメージしたものと同じものだった。

「私も終了♪」

そう言った美愛の姿は、純白の膝が隠れる位まであるタンクトップのワンピースと、水色の水晶のある黄色い杖。
ざっというと、天使に武器持たせたみたいな?

「あら、二人とも優秀ねぇ。これなら空も飛べるかしら?二人とも、空を飛んでみてくれる?あ、できなかったらそれでいいわよ」

む、そう言われると絶対にやってみたくなるな。

「むー・・・翔べ!」

僕がそう言うと、背中に失格の翼が生え、自由に動かすことができた。

「あ、おにぃのそれもーらいっ」

美愛が言うと同時に、今度は美愛の背中に少し水色の混じった白い翼が生えた。

「本当に優秀ねぇ~。さて、次ハ最後に念話を覚えてもらうわ。陽龍、頭の中で美愛に話しかけてみて」

頭の中で・・・?

『こうかっ!』
「うわっ、なに!?」

なんか美愛が驚いてた。

「これは魔力を使って、どんなに離れたところでも相手と会話をする方法の一つよ。念話には便利なところがあって、念話で会話をしながらも、普通に友達と会話もできるのよ。それに、口に出して話すよりだいぶ早いの」

超便利。電話いらずだね。

「私もやる!むむむぅ・・・こうか!」
『こうか!』

わかりにく。同じ言葉、わかりにくい!
でもきこえた!すげー!

「さて、ここまでで質問は?』

「んー、母さんと父さんにも念話って通じるの?」
「もちろんよ。私たちは会話はできないけど、お仕事に使う調整用のデバイスがあるから。
それじゃあ魔デバイスから離れて、二人の魔力量を調べるわね。美愛、これを指につけて」

そう言って母さんが懐から取り出したものは・・・。

「洗濯バサミ?」
「違うわよ?これは私がだいぶ昔につくった魔力長先で、指に華無と内側すギザギザについてる無数の針が指にささって体内の魔力を調べるの」

うわー、すごそうだけどめんどいなー。

「とりあえずこれを挟むんだよね」

美愛はそう言って試しに洗濯バサミを挟んでみる。
すると洗濯バサミがアラームを鳴らし始めた。

びびびび__A+ダゼ!

・・・声うぜぇ。

「A+・・・お母さんよりおおいわねぇ。お母さんはB-程度だったからね。三年前。
さ、次は陽龍ね」

びびびび__どがぁぁぁぁーーーーーんッ!

爆発した。

「あっつい!指!指溶ける!」
「あらあら、陽龍の魔力は爆発するほど多いってことね、きっと」

僕どんだけー。

「この調子だと、希少能力(レアスキル)もありそうね。陽龍、そっちの第二寝てくれる?
うん、それじゃあ今度は爆発しないけど、ちょっと痺れるわよー)
(あーい)

・・・・・び・・・びびびび・・・

あ0、確かにちょっとだけしびれてる。

びびび・・・ヴィヴィド・・・

何ソレ。

びびび・・・マリョクセイセイ・・・タイリョクヲマリョクニ・・・
びびび・・・マリョクキュウキュウ・・・ジブンノマリョクヲタニンニ・・・
びびび・・・チユノウリョク・・・ジブンイガイナラナンデモオッケー・・・
びび・・・びびびび・・・

「あら、三つもあるのね。さて、もうこれで調べることもなくなったし、部屋に戻って寝ちゃいなさい)
「あーい)

そして僕と美愛はそれぞれデバイスをもって自分の部屋に帰ってねましたとさ。

「そういえば陽龍、そのリボンはどうしたの?)
「これ?誕生日プレゼントでなのはがくれた)
「なのはちゃんか・・・いい趣味してるわね)
「してないから)

一部ではこんな会話があったとさ♪


しっかし、魔法・・・か。

「おもしろくなりそうだな・・・!)

僕はヤミをもってベッドに潜り込みながらつぶやくと、さっきまでずっと黙っていたヤミが反応した。

<マスター>
「ん、どうかした、ヤミ」
<マスターは驚かないのですか?>
「驚く?なんで僕が驚くの?こんな面白そうなのに」
<面白そう・・・ですか?>
「うん、面白そう。わっかんないかなぁ・・・」
<はい。私には面白い、という感情は理解しかねます。なにせ、私たちデバイスに感情など存在しませんから>

感情が・・・ない?

<私たちデバイスには感情なんて不必要ですので>
「それはちょっと違うとおもうな。今こうしてヤミは自分で僕の言葉を理解して、それに対する言葉をじぶんで選んで言ってるでしょ?それって、感情がないとできないとおもうんだ」
<でも、このからだに組み込まれている全てのものは、マスターのおかあさなとお父様が作られたものです>
「それでも、その全ては今、ヤミのものでしょ?」
<マスター・・・>
「うー・・・よしっ、とりあえず僕の呼び方を変えよう!少しずついろんなことを変えてって、それで感情を芽生えさせるんだよ!」
<話の内容がめちゃくちゃです、マスター>
「マスター禁止!」
<・・・それではヒリューと>

まったく、ここまで来るのにも一苦労なのだよ。
ま、これをきっかけに、いつか普通に会話ができるといいな。
<それではヒリュー、公平さを考えて、ヒリューは性別か一人称を変えてください>

性別はそうかんたんに変えられません。
「じゃあこれからは俺っていうか。これでいいよね、ヤミ」
<問題ありません、ヒリュー>

ヤミが今までと同じ無機質な声で語り抱える。
「それじゃあヤミ、もう寝ようか」
<はい。いい夢を、ヒリュー>

そして僕は目を閉じて少しすると、真っ黒な世界へと引きずり込まれるような感覚を覚えた。
 
 

 
後書き
陽「な、長かった・・・」
美「だね、おにぃ・・・ついに・・・ついに・・・!」
二人「次回で前作前が終了だーっ!」
陽「あー、なんとか五月に入る前に終わりそうだなぁ」
美「だね。次回が終わったらイキナリ原作突入!」
陽「原作入るまでに四十話もかかるのって俺らの作品だけだとおもうんだ」
美「きぐうだね、おにぃ・・・って、あれ?おにぃの一人称が変わって・・・」
陽「次回をお楽しみに!」
美「話そらされた!」

PS お気に入り登録九十件突破しました!本当にありがとうございます。これからもこの作品をよろしくお願いいたします!
 
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