ヘタリア大帝国
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TURN61 過ぎたる兵器その十
「祖国さんもそのつもりでね」
「よし、わかったぞ」
アメリカも笑顔で応える。かくしてガメリカは太平洋諸国と講和し彼等の中に入ることになった。それを受けてすぐにだった。
シュウ皇帝も重慶において中国兄妹にこう告げた。
「講和を受諾すると伝えよ」
「日本にあるな」
「そうするあるな」
「ガメリカが敗れた今我々が勝てる望みはない」
皇帝は冷静にこの現実を見極めていた。
「それではそれしかあるまい」
「ではすぐに日本に打診するある」
中国は右手の平に左手の拳を合わせて皇帝に答えた。
「太平洋諸国に参加もするある」
「そうせよ。ところでだ」
「?何あるか」
「欧州はドクツの敗北が決定的だな」
皇帝は中国に欧州戦線のことを尋ねた。
「そうだな」
「もう風前の灯ある」
「ではエイリスはどう動くか」
「暫くは動かないと思うある」
「ソビエトもだな」
「当分は戦後処理と軍の再編成で忙しい筈ある」
「では我等に向かって来ることはないな」
皇帝が聞きたいのはこのことだった。
「そうだな」
「多分そうある」
「ならいいがな。しかしだ」
「これでエイリスとソビエトは敵になったある」
「我々は連合ではなくなる」
ガメリカもだが太平洋経済圏、日本が中心になっているそれに加わるということはそのことに他ならないことだ。
それを承知のうえで皇帝はこう言う。
「しかしそれならそれでいい」
「元々太平洋経済圏を築くことが目的だったあるからな」
「その際エイリスもソビエトも敵になることもだ」
「織り込み済みだったあるから」
「それでいい」
皇帝の返事は素っ気無くさえあった。
「いい頃合やも知れぬしな」
「あの二国との手切れもあるな」
「国内もだ。既に言ったが政のことはもうリンファとランファに任せる」
彼は国家の象徴となるというのだ。
「御主達とな。どちらが上位にするかも御主達に任せる」
「それではあるな」
「朕は以後政治から退く」
そうするというのだ。
「ではな」
「わかったある」
こうして中帝国はガメリカ式に議会を開き皇帝は象徴となった。彼等は日本とも講和しそのうえで領土も返還された。ガメリカも同じ様になっており彼等の参加で太平洋経済圏は正式に設立されることになったのである。
TURN61 完
2012・10・14
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