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ヘタリア大帝国

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TURN61 過ぎたる兵器その八

「ルース大統領の身柄は拘束させてもらう」
「そうしてもらえれば何よりだ」
「任せてもらおう」
「それではな」
 山下との話もまとめてそのうえでさらに攻撃を仕掛けていく。ガメリカ軍の艦艇を沈めるのはたやすかったがその間際にだった。
 ガメリカ軍の全ての艦艇が行動を停止した。これにはアメリカがいぶかしげに呟いた。
「停まったぞ」
「先程まであれだけ活発でしたが」
 日本もそれを見て言う。
「これは一体」
「大統領に何かあったのかな」
 フィリピンが二人に自分の見立てを話す。
「それでかな」
「少なくとも敵はミスターだけだからな」 
 アメリカはこのことはよくわかっていた。
「その大統領に何かあればな」
「艦隊全てが動かなくなるからね」
「そうじゃないか?それならだ」
「はい、全ての艦艇を念の為沈め」
 急にまた動くことを警戒してそうするというのだ。
「そのうえで」
「後は任せてもらおう」
 山下はアメリカ達にも毅然として答える。
「大統領は我が陸軍で身柄を確保させてもらう」
「僕も行こう」
 アメリカは自分も名乗り出た。
「そしてミスターを何とかしたい」
「貴殿の上司だからか」
「その通りだ。色々よくしてもらってもきたからな」
 だから彼を何とかしたいというのだ。
「そうしていいか」
「では共に行こう」 
 山下はアメリカのその申し出をよしとした。そうしてだった。
 彼等はまずは旗艦以外の全ての艦艇を破壊した。少なくとも行動不能にした。
 そのうえで長門とアメリカの乗艦である彼の名前を冠したその艦がルースの旗艦に接舷した、山下は即座にその旗艦に乗り込む。
「アメリカ殿、いいな!」
「いいぞ!」
 アメリカはガンを持っている。そのうえで既に刀を抜いている山下に返した。
「なら行こう!」
「大統領の居場所はわかるか」
「艦橋だな」
 アメリカはそう察していた。
「そしてこのタイプの艦艇の艦内地図もわかる」
「そうか、それならだ」
「案内は任せてくれ」
 アメリカは山下の先に立って言った。
「では行こう」
「頼む」
 山下もアメリカに応える。こうして陸軍の精鋭は艦橋にいるルースの下に向かった。
 目的地に達するのは容易かった。だがそこに着くと。
 異変があった。ルースは彼等から見てまるで電気椅子の様な奇怪な機械に座ってこう呟いていたのだった。
「勝つ、ガメリカは勝つ」
「?ミスター」
「祖国氏、楽しみにしてくれ」
 ルースはアメリカの怪訝な声にも応えない。
「君に栄光をもたらす。だから戻ってきてくれ」
「僕はここにいるぞ」
「待て、様子がおかしい」
 山下がその彼の前に出て手で制止して継げた。
「今の彼は何か」
「あの機械のせいか?」
「精神が崩壊している」
 山下は崩れる様にしてそこに座るルースを見てそう察した。
「声をかけても無駄だ」
「じゃあどうすればいいんだ?」
「まずは身柄を確保する」
 山下はアメリカに冷静に答えた。 
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