仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第七十五話 魔術師その八
その饅頭はどうか、浅倉はこう青年に言った。
「それでいいか」
「ああ、それじゃあな」
青年もその申し出を受ける、そしてだった。
早速饅頭が盆に山積みで来る、その饅頭を。
青年は食べだそうとするがその前に何とだった。
驚くべきことにマヨネーズを出してきてそれを饅頭に思いきりかけた、そのうえで美味そうに食うがそれを見てだった。
一行は血相を変えて髪の毛を逆立たせてこう問うた。
「お、お饅頭にマヨネーズ!?」
「な、何それ!」
「こ、こんな食べ方ははじめて見たよ!」
「あんた何者!?」
「まさか変態!?」
「おいおい、変態はないだろ」
青年は仰天する一同に笑って返す。
「俺は変態じゃないぜ」
「お饅頭にマヨネーズって!」
「充分変態ですよ!」
「ただのマヨラーだよ」
本人のコメントでる。
「だから普通なんだよ」
「いや、普通じゃないですから」
「幾ら何でもそれは」
「お饅頭には何も付けないですよ」
「ましてやマヨネーズなんて」
「それは」
「これが美味いんだよ」
さも美味そうに食べ続けている、一個また一個と。
「あんた達もどうだい?」
「遠慮する」
「俺もだ」
浅倉も橘も顔を曇らせている。
「流石にそれはない」
「どう考えても合わない」
「だからマヨネーズって何でも合うんだよ」
「見ているだけで胸焼けがしそうね」
マサムネも流石に引いている。
「また強烈な人が出て来たわね」
「この強烈な個性から見て」
翔子も表情こそ変えていないが額から汗をかいている。
「仮面ライダーの人ね」
「ああ、俺は仁藤政介」
青年は饅頭を食べながら名乗る。
「仮面ライダービーストさ」
「やっぱり」
「お嬢ちゃんよくわかったな。あんた探偵かい?」
「雄二の婚約者」
「違う!」
雄二は翔子の職業の名乗りを全力で否定した。
「それはまだだ!」
「雄二が十八になったら婚姻届を出すから」
勝手に話を進める。
「もう雄二の分の判子も押しておいたから」
「俺以外の誰かが押したら文書の偽造にならないか」
「愛の前には多少の犯罪は無意味」
頬を赤らめさせて言う。
「気にしない」
「気にする、それは大学を卒業して就職してからだ」
「それまで待て?」
「せめてそれからにしてくれ」
そうした話をしているがその間にもだった。
その青年仁藤は饅頭、マヨネーズをたっぷりかけたそれをむしゃむしゃと食べている。その彼に今度はアリアが引きながらも問うた。
「あんたも仮面ライダーなのはわかったけれど」
「ああ、魔法を使うライダーだよ」
「新しいライダーよね」
「そうなるみたいだな」
「あんた一人なの?」
アリアが仁藤に問うのはこのことだった。
「もう一人変態がいるの?」
「だから俺は変態じゃねえよ」
「饅頭にマヨネーズかけて食べるのは立派な変態よ」
アリアの価値観ではそうなる。
「全く、何考えてるのよ」
「これが本当に美味いんだけれどな」
まだ言い食う仁藤だった。
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