ハイスクールD×D 英雄を宿す者
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新入部員
朝。陽の光によって目が覚めた士郎。士郎の寝ているベットの隣には飼い猫のクロカが丸まって寝ている
士郎が布団の中で動いていると、クロカがそれによって目が覚めた
「ニャ~?」
「ごめんな起こして。ご飯は置いとくから好きな時に食えよ。その代わり、食べ過ぎには注意な?」
「ニャ~」
わかったというような返事をしたクロカ
士郎はクロカの頭を撫でて、部屋を出ていった
「あー疲れた」
授業が終わり放課後。士郎はオカルト研究部がある旧校舎へと向かっていた
士郎てきには早く家に帰りたいところだが、今日は昨日の続きを話すから必ず来るように言われているため、渋々と歩を進める士郎
「ちーっす」
部室の扉を開けて、中に入る士郎
中には既に、リアス、朱乃、祐斗、小猫がいた
そして、堕天使に殺された少年こと兵藤一誠もいた
一誠は士郎の登場に驚きを隠せないでいる
一方士郎は、別に驚きの表情は浮かべておらず、普通にソファに腰掛けた
「全員揃ったわね、それじゃ始めましょうか」
今回は一誠に悪魔の説明をするとのこと
士郎は知っているため、正直言って暇だ
「単刀直入に言うわ・・・私たちは悪魔なの」
単刀直入すぎだ。士郎は心の中でそう思った
一誠も何言ってるんだこいつという顔をしている
「信じられないって顔ね。でも、あなたを昨日襲った男。あれは堕天使よ」
一誠はファンタジー極まってるなっていう顔をしている
その後、リアスが天使や堕天使、そして悪魔などの説明をするが、一誠はそれがオカルト研究部なのか?と小さくつぶやいている
「天野夕麻」
「っ!」
だが、リアスの言葉を聞いた瞬間、驚きの表情を浮かべた
士郎は知らない名前なので首を傾げている
「冗談ならここで終えてください。正直、その話はしたくないんです」
一誠の言葉には怒気が含まれていた
リアスは諭すように言う
「彼女は存在していたわ。確かにね・・・。まぁ、自分に関わった人たちの記憶は消したみたいだけど」
リアスは指を鳴らす
それとともに、朱乃がリアスに写真を渡す
リアスはその写真を一誠の目の前に出す
「その子よね? 天野夕麻ちゃんって」
写真に写っていたのは士郎も見た事のある長い黒髪の女の子。
「この子・・・・・・いえ、これは堕天使。昨日あなたを襲った存在と同じ者よ。彼女はあなたを殺すために近づいたのよ」
「な、なんで俺が!」
一誠は驚く
士郎はなんとなく理由が想像できた
「彼女があなたに近づいた理由は、あなたが・・・神器をその身に宿す存在だからよ」
(やっぱりか)
士郎は心の中でそうつぶやく
「神器は特定の人間に宿る規格外の力。その中には私達悪魔や堕天使の存在を脅かす程の力を持った神器もあるの。・・・イッセー、手を上にかざしてちょうだい」
一誠が左腕を上にかざす。
どうやら、彼の神器を発現させるらしい。
「ドラゴン波!」
リアスが一番強いものを想像して口に出せと言ったもんだから、一誠は顔を真っ赤にしながらそう言った。士郎は笑いを堪えている
「な、なんじゃこりゃあああああああああ!!!」
「っ!?」
一誠の左手には真紅の篭手が装着されていた。士郎は先ほどの笑い顔から一変。一誠の神器を見て驚愕の表情を浮かべている
(おいおい、まさかこんな奴が今代の所持者とはな・・・)
「士郎?ちょっと士郎?」
「あ!・・・は、はい。なんでしょうか」
呆然としていた士郎に、リアスが肩を振って呼びかける
士郎の言葉にリアスは嘆息をする
「なんでしょうかじゃないでしょう?私の話を聞いていなかったの?」
「え、あ、ああ。す、すみません」
リアスはもう・・・と呟きながら、嘆息しながら士郎に言う
「自己紹介よ。皆したんだから最後はあなたの番よ」
リアスはそう言って、士郎の背中を押す
士郎は嘆息しながら、辺りを見回す
皆、士郎の言葉を待っていた
「ええと・・・神威 士郎だ。オカルト研究部には入ったばっかだから、わかんないことだらけなんでそこはよろしくです。兵藤とは新米同士、仲良くしてくれると嬉しい」
まぁ、士郎とこの場にいる全員の戦闘経験は天と地ほどの差があるのだが・・・
「ただいま~」
家の扉を開ける。電気がついているのは、クロカのためだ
だが・・・
「あれ?」
いつもクロカがいるリビングのカーペットに、クロカの姿はなかった
士郎は首を傾げる
二階か?そんなことを思い、階段を登る
「クロカ~?」
ドアを開けてそう呼びかけるが、反応はない
「どこいったんだ?散歩かな・・・?」
まだ外は暗くなく、散歩をしていてもあまりおかしくはない
疑問を覚えつつも、士郎は晩ご飯を作り始める
「・・・それにしても、兵藤の神器には驚いたな」
士郎は一誠が発現した真紅の篭手を思い出す
「『赤龍帝の篭手』。まさかあんな奴に宿ってたとはな・・・。今回は白の勝ちだな」
士郎はそんなことを言いながら、料理に味付けをするのだった
ちなみに、晩ご飯が出来た頃にはクロカは帰っていたという・・・
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