仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第七十五話 魔術師その五
「あの、本当にカナダって目立たないんでしょうか」
「いや、それはないからな」
「大丈夫ですよ」
大文字とジェイクの目が遂に泳ぎだした、そのうえでの言葉だった。
「ほら、スキーもあるしな」
「スポーツも盛んじゃないか」
「ううん、国家として出てもそうでしょうか」
シフォンはこうも思った。
「日本に比べても」
「そういえばカナダって何があった?」
「ええと、自然ですか?」
「それ以外本当に思いつかない」
次子、平乃、咲がシフォンから隠れる様にして顔を見合わせそのうえでひそひそと話す。何処か後ろめたそうである。
「日本に来てるカナダ人もな」
「アメリカ人よりずっと少ないですよ」
「影が薄いのは否定出来ない」
「で、カナダの首都ってバンクーバーでしょ」
心衣は自覚せずに止めを出した。
「建国以来の首都よね」
「オタワです」
すぐに答えたシフォンだった。
「バンクーバーは太平洋岸の都市です」
「あれっ、そうだったの」
「スリランカの首都は何処ですか?」
「スリジャヤワルダプラコッテでしょ」
心衣はこちらは即答出来た。
「各国の首都と主要都市は全部場所まで頭に入ってるから」
「それでどうしてカナダだけなんですか?」
「これでずっと正解だったけれど」
先生も知らなかったことだった。
「そうだったのね」
「はい、そうです」
シフォンもいい加減がっくりときだした、そのうえでの言葉だった。
「カナダの首都はオタワです」
「じゃあ覚えておくから」
「首都すらも覚えて貰えないんですか」
とにかく目立たないカナダだった、シフォンにしても困ったことに。
そのカナダの話をしているとデザートが来た、それは和菓子だった。
饅頭や羊羹だ、それを食べながら今度は津上が言った。
「いや、いいお菓子ですね」
「そうだな、この菓子ならな」
木野も満足そうに言おう。
「何処でもいけるな」
「そうですよね」
「コーヒーはないがな」
木野の好物である。
「それでもお茶もいい」
「いいお菓子にはいいお茶がないと」
伊達にレストランを経営している訳ではない、津上はこのこともよくわかっている。そのうえで言ったのである。
「駄目ですからね」
「そうだな」
「いや、今回は本当に和食尽くしですね」
「美味いね」
氷川も満足している顔である。
「やっぱり和食はね」
「ええ、味付けが繊細で」
「親しみがある味だよ」
「私もこれを食べていますと」
瑞希は目を輝かせて不吉なことを言いだした。
「自分でも作ってみたくなります」
「いや、それは止めた方がいい」
葦原は顔を強張らせてその瑞希を止めに入った。
「君は他のことに才能を使うべきだ」
「そうなんですか?」
「料理は何時でも出来る」
葦原は何とか瑞希に料理を作らせまいとする、彼も必死だ。
「だからだ」
「ううん、じゃあ今は」
「食べることに専念してくれ」
そうしてくれというのだ。
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