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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 一~四章

作者:あさつき
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一章 王宮の女戦士
  1-06再会

 翌早朝、まだ暗いうちにイムルを()ち、朝も早いうちに城下町に着く。

『フレア』は、イムルの『アレクス』は間違いなく夫である、どうか連れて行ってほしいと迫る。
 元よりそのつもりのライアンは、微笑み了承する。
 また、『フレア』の顔が赤い。

 行方不明の夫が見付かったは良いが、記憶を無くし、子供返りした上に投獄されており、ひとりでは迎えに行けぬその場所までの、付き添いを得られたとなれば、動揺も安堵もして当然であり、無理からぬことであろう。


 『フレア』を伴い、イムルに引き返す。

 か弱い女性を連れての移動も、特に問題無く、

 ――ライアンは、背後に(かば)う『フレア』が万一にも傷付くことの無いよう、普段は(かわ)す攻撃も敢えて受けながら、やはり鎧は、身軽さを重視して露出が多いガーデンブルグ風よりも、重くともしっかり守れるバトランド式が一番である、この鎧を(あつら)えるときに意見を押し通して良かった、などとと思っていた

 ――身体を張って戦うライアンの様子を、『フレア』が顔を赤らめて見つめていた。
 万一ということもあるから目隠しなどする訳にはいかないが、普通の女性には辛かろうから、目を()らしているように言ってあったのに、目を潤ませながらも、じっと見守っていた。
 王宮戦士であるライアンには当然の行動であるが、彼女としてみれば、こちらに手間を掛けさせているという心持ちなのだろう。
 せめて見届けてくれるつもりとは、健気な女性であるな、と思っていた

 ――洞窟では、いまだ同僚が調査を続けていた。
 自分にはわからぬが、やはり何か、これはと思わせるものがあるのであろう、いずれにせよここで自分にできることはあるまいし、何かを隠しているようでもあったから、手柄を奪うようなことになってもいけない、ここは彼に任せるが良かろう、などと思っていた

 ――様々に思うことはあれど何ら問題無く、イムルの村に着いた。


 牢屋では、自分がわからぬ夫に衝撃を受けた妻が、何かをしようと
 したところで牢番が、素早くライアンを振り向かせた。

 害意の無い動きであったとはいえ、全く反応できなかったことに驚愕する。

 やはり自分はのろまであるか、もっと鍛錬せねば。
 などとライアンが思っているうちに、背後では妻が夫に、何らかの衝撃を与えていたらしい。

 牢番の顔が赤い。

 相当な()()れであるらしいこの牢番を動揺させるとは、いや昨日も動揺はしていたようであった、精神と身体の鍛錬とは別物か。と思いつつ振り返る。

「フレア!」
「ああ、あなた!」

 感動の再会である。

 子供たちのことを思えば急がねばならないが、少し遅れる程度であれば、自分が走ってでも取り返せる。
 しばし待つのが道理であろう。 
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