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栞那的アシンメトリーライフ

作者:黒サンタ
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【序章】夢の入口

 
前書き
新人です。 

 
1983年12月24日、ワタシは生まれた。
生まれた時間は昔、母に聞いたことはあるが忘れた。
父と母はいわゆる「駆け落ち」という恋愛だったらしい。

ワタシ「ママ、駆け落ちってどういう意味なの?」

あれは確か幼稚園の年中の頃だったか…幼稚園の田井中先生が
教えてくれず、思い切って母に聞いてみた。
何故か子供ながらに知ってはいけない秘密の呪文みたいな気がして、
同時に、エロ的な言葉だと勝手に解釈していた時期もあった。

母「誰から聞いたの?パパでしょ?
もう少し栞那が大きくなったらお話してあげる。」

ワタシ「え〜、なんでなんで〜?」

実は「駆け落ち」の言葉の意味を理解したのはつい最近だ。
祖母と自宅で、水戸黄門を見ていた時に村娘が発した言葉で、
「駆け落ち」とはそういう事なのだと初めて知った。

まぁ兎に角、物凄くドラマチックな恋愛結婚だったという事だ。

父曰く、両家とも結婚に猛反対で大変だったという。

それもそのはず、父は定職に就いてないにも関わらず、
結婚しようと無謀なことをしようとしたから
両家も大反対だったのは当たり前で「ご納得」だ。

1年程、今後の進退について激しい攻防が繰り広げられたが、
一向に話が進展しないため、父は母を半ば拉致する勢いで
片田舎の宮城は気仙沼に逃げたらしい。



だから何気に暮らしている日常も、
この家から見える綺麗な海岸も田園風景も、
父と母が愛し合っていなければ見られなかった。



ワタシは生まれてなかったのだ。



ここでワタシの事を自己紹介しておこう。



潮見 栞那、14才。
誕生日は昭和58年12月24日、やぎ座のAB型。
今まで引っ越しもなく、地元気仙沼の公立中学に通っている。
好きな人はまだいない。


え?こんな硬い性格だから彼氏なんかできないだろうって?


誤解のないように言っておくが、決してモテない訳ではない。


そう、ワタシが恋愛をするに当たり、解決すべき問題がある。


ワタシは物心ついた時から毎日同じ夢を見る。




どんな夢かって?




ワタシが母から生まれる前の物語。




……………………………………………。


(ここは?ここはどこ?)
「…………番!…………番!!5578120番!!!」 
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