混沌の魔術師と天空の巫女
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第4章 天狼島編
悪魔の黒ずみ
「悪魔の黒ずみ・・・?」
「ふ・・・そうだ。」
「無駄だ。闇の魔法を全て俺が喰う!!」
「どうかな?集え!悪魔に導かれし風よ。」
ハデスの言葉と同時に闇の柱が現れ、ハデスの右腕に集まってきた。
「滅せよ!!!聖なる力を滅ぼす為に!!!悪魔の黒ずみ!!!!」
強力な闇が俺を包みこんできた。
ズッダァァァァァァァァァン!!!!!!
「うおおおお!!」
「うああああ!!」
「ぬああああ!!」
「あああああ!!」
「きゃあああ!!」
ナツ達は悪魔の黒ずみの爆風により、飛ばされた。
ズテーン!
「んぎゃ!」
「うわっ!」
「ああっ!」
「うおっ!」
戦艦が揺れ、ハッピー達はその揺れにより倒れた。
「何なの・・・また揺れ?」
「きっとナツ達がハデスまだ戦ってるんだ・・・。」
「グリモアのマスターだけに、時間がかかるな。」
「急ぎましょ。私達のできる事を!」
ハッピー達は立ち上がり、歩き出した。
「ぐああああああっ!!!」
ドザッ!!
「ぐうう・・・!!」
「コージ!?」
「お兄ちゃん!?」
「闇が喰えなかったのか!?」
俺は先程の悪魔の輝きを攻撃をくらい、
キズだらけで、服はボロボロだった。
「喰えなかったんじゃないです。」
「何・・・?」
「俺の闇の魔力が・・・吸われた!」
「吸れただと!?」
俺の言葉にエルザさんが驚く。
「その通りだ。」
ハデスが姿を現した。
「悪魔の黒ずみは闇を集め、凝縮させて敵に放つ超高難度魔法。
その闇は、己の魔力以外にも、闇をもつ魔水晶はもちろん、
闇の魔法を使うものの魔力を奪う事ができるのだからな。」
「つまり・・・俺の闇の滅竜魔法の魔力が奪われたって事か・・・!」
「そうだ。」
何てこったい!そんな魔法があるとは・・・!!!
「だったら・・・!」
俺は翼を出した。
「遠距離から攻撃させる!」
「無駄だ。」
ハデスは再び、闇の柱が現れ、右腕に闇を集めてきた。
「悪魔の黒ずみはただ単に闇を集めるだけではない。
その闇を使う魔導士を・・・」
ドン!!
「っ!!?」
「引き寄せる!!」
俺は闇の柱に引き寄せられた。
「何・・・!!」
「悪魔の黒ずみ。」
ズドォォォォン!!!
「ぐおああああああ!!!!」
「今のは、加減してやった。」
「くぅ・・・!!」
このままじゃあまずい・・・!!
「闇から光へ・・・!」
「!」
「光竜の咆哮!!」
俺はハデスに向かって光り輝く強力な光線を放った。
「闇同士で無理なら光にする・・・か。甘いぞ。」
ハデスは再び、闇の柱が現れ、右腕に闇を集めてきた。
「悪魔の黒ずみは聖なる力を滅し、黒く染める。光の魔法は無力だ。
さらに、貴様に闇の魔力がある限り、光へと変えようが、
体にそれがある限り、お前は引き寄せられる!!!」
「ぐっ!!」
俺はまた闇の柱まで引き寄せられた。
「白のヴェール!!」
俺は白いオーラを体に纏った。
この魔法は相手の魔法や物理攻撃を防ぐ事ができ、
闇の魔法の場合、その魔法の能力を無効にできる。
ズガァァァァァァン!!!!
「ぐわああああ!!!!」
「無意味な事を。」
やっぱり・・・魔力が強すぎて無理か・・・!!
ズダン!ズドン!ドドドン!
「うわあっ!!」
どこかの壁に激突し、壁が壊れ、棚にぶつかってそこから本が大量に落ちてきた。
「書物庫の方まで飛ばしてしまった。」
ハデスはそう言う。
「(くそ・・・!体が動かん・・・!!)」
「(さっきの悪魔の法律を受けちまったから・・・)」
「(体が・・・痛い・・・!)」
「(クソぉ・・・魔力が無ぇ・・・)」
「(お兄ちゃん・・・!!)」
ナツ達は心の中でそう言っていた。
どうやら、書物庫だったのか・・・。
「ん・・・これは・・・!」
こいつは・・・!!
スタッ、スタッ、スタッ
「生きているな?」
「・・・・・・。」
「光と闇の魔力を持つ混沌の魔術師よ。かつて、“魔法”は闇から生まれた。」
「・・・?」
何だ・・・突然・・・?
「全ての“魔法”は闇から生まれ、やがて日常化となり、
人々の文化と呼べる時代になった。光の魔法もまた、闇から生まれたのだ。」
「・・・何が言いたい?」
「貴様は・・・真の闇を知らな過ぎるのだ。」
「はん!何言ってんだ。」
「?」
「“魔法”が闇から生まれたかどうかは知らないけど。
光と闇は2つあってこそ、対立し、存在する。
闇から生まれたとかあり得ないんだよ!!」
俺はすぐに立ち上がった。
「ライト・スピア!!」
「!」
俺はハデスに向かって、ライト・スピアを放った。
「フン。」
しかしハデスはそれを弾いた。
「シャイニングダート!!」
俺は体全体に光を宿し、ハデス向かって攻撃をした。
ズドォォン!!
「ぐうっ!!」
ハデスは腕でガードをした。
「・・・・・・。」
「(今、左腕に何かをしたのか・・・?)」
ハデスは、コージが左腕に何かをしたのを見た。だが・・・
「(まぁ、よい。)はぁ!!!」
パァン!!
「ぐっ!!」
ハデスの魔法が俺に当たった。
「この!光から闇へ!」
「・・・?」
「ブラッディクロス!!」
俺は闇を纏った手で十字架を創り、それをハデスに向けて、飛ばした。
「フン。悪あがきを。」
ガァン!!ズダダダダ!!!
ハデスは俺の放ったブラッディクロスを弾いた。
「っ!っ!!」
「?(また左腕に何かを・・・?)」
ハデスはそれにまた気がつく。
「・・・混沌モード30%。」
「!」
「30%から・・・50%!」
その言葉と同時に、右に白の左に黒いオーラが俺の体に身に纏う。
「ほう。それが混沌か・・・。」
「いくぞ!混沌竜の咆哮!!!」
俺はハデスに向かって、光と闇のブレスを放った。
ギャウッ!!!
「ぬう・・・!(少しはやる様だ・・・!)」
ハデスはバリアーを張ってるかのような感じで防いだ。
「だが、ここで終わらせよう。」
「・・・!」
また腕に闇を・・・くるか!!
「ぐぅ・・・!」
それにまた引き寄せられる・・・!だが俺は少しこらえたのだった。
「無駄だ。悪魔の黒ずみから逃れられる事はできぬ。」
「別に逃れる為にやってんじゃねぇよ・・・。」
「?」
「カナさん・・・初代マスター・・・使わせてもらいます!」
俺は右腕の袖をまくった。そこには、あるものが描かれていた。
「あれって・・・!」
「妖精の輝き!!?」
ルーシィさんとウェンディがそう言う。
「妖精の輝き・・・だと?」
「ああ・・・。」
カナさんから貸りたもんだ・・・!
数分前、天狼島簡易ベースで・・・
「あんたに渡したいものがあるんだ。」
「俺に?」
「これよ。」
カナさんには右腕に何か描かれていた。
「これは妖精の輝きよ。」
「妖精の輝き!?」
確か初代の墓にあるって、マスターが・・・!?
「この魔法は太陽、月、星の光を集め、凝縮させてから敵に放つ超高難度魔法。
ナツ達を助ける時やったけど・・・私が未熟なせいで・・・失敗したわ・・・。」
「・・・・・・。」
「あんた光の滅竜魔導士、あんたの方がまだ使えると思うわ。
本当は貸りたんだけどね・・・。」
「?」
それは一体・・・?
「右腕出して。」
「・・・ああ、はい。」
俺はカナさんに言われ、右腕を出した。
「・・・っ!!」
ピカァァァァ!!!
「!?」
右腕に・・・!これの光・・・初代の墓で感じた・・・あの魔力・・・!!
シュゥン!
「!!」
俺の右腕にカナさんが描かれていたものがつけられていた。
「行って。後を頼むわ。」
「・・・はい!」
俺はそう言い、ナツさん達の元へ走って行った。
「いくぜ・・・!集え!!!妖精に導かれし光の川よ。」
俺の言葉と同時に光の柱が現れ、俺の右腕に集まってきた。
「照らせ!!!邪なる牙を滅する為に!!!」
「面白い・・・妖精か、悪魔か、どちらが勝つか・・・!」
「妖精の輝き!!!!」
「悪魔の黒ずみ!!!!」
光と闇の柱が激突しあった。
ズダァァァァァァァァァァァ!!!!!!
「うわっ!?」
「何の音!?」
「うるさいわね・・・!」
「まったくだ・・・!」
ハッピー達はそう言うのであった。
「うわ!」
「うお!」
「妖精の輝きと悪魔の黒ずみのぶつかり合い!?」
「すごい魔力だ・・・!!」
「お兄ちゃん・・・!!!」
ナツとグレイは飛ばされ、ルーシィとエルザは驚いてそう言い、ウェンディはコージの事を心配していた。
ズダァァァァァァァ!!!!!
「ぐう・・・!!!」
「ぬう・・・!!!」
すげえ威力だ・・・!!!
「(なかなかやる小僧であったな・・・だが。
貴様程度ではこれが限界・・・私はまだこれを強くできる!!!)」
ハデスは心の中でそう言い、悪魔の黒ずみの魔力を上げた。
「(今度こそ終わりだ・・・妖精の尻尾。)」
ハデスはそう思っていたのだった。
「!?」
ハデスあるものを見て驚いていた。
「バカな・・・!?悪魔の黒ずみが・・・もう1つ!?」
そう、悪魔の黒ずみを発動する時、黒い柱は現れる。それがもう1つあった。
「どういう事だ・・・っ!?」
さらにハデスを驚かせるものがもう1つあった。
「私の悪魔の黒ずみが・・・!!」
ハデスの出した悪魔の黒ずみの魔力が、もう1つの柱へと吸収されていたのだった。
「少しぐらいしか吸収できないか・・・。」
「!?」
「ハデスよ・・・書物庫の整理はしておけよ。」
俺はそう言う。そして次にこう言った。
「そこから、悪魔三大魔法の事、書かれてる本読めば、少し理解できるぜ?」
「ま、まさか・・・!?」
「ああ!」
そう、あの書物庫で俺が身にしたのは、悪魔三大魔法の事を書かれていた本であった。
偶然にも、本が開いており、悪魔の黒ずみの事が書かれていた。
「(左腕に何かをしていたのは・・・悪魔の黒ずみを使う時のあの文字を描いていたのか!!!)」
「まさか、こんな文字を使うだけで使えるとは・・・!
だが、所詮はつけ焼刃。まだまだだが・・・あんたの悪魔の黒ずみの魔力を吸収はできたよ!」
「そんな・・・バカな・・・!?」
「見せてやるぜ・・・!妖精と悪魔・・・光と闇・・・2つを1つに・・・!!!!」
「くらえ!!混沌の柱!!!!!!」
ズドォォォォォォォォォォォォォォォォ・・・・・・ン
「あ、ああ、ああああああ・・・!!!!」
ハデスは飛ばされ、倒れた。
ズバ!ズバ!!
「ぐう!!」
俺の両腕に刀で斬られた様なキズが出た。
「やっぱり・・・まだまだか・・・!」
俺はそう言う。
「これで終わりだな・・・。」
「はい!!」
「そうですね・・・。」
グレイさんの言葉にウェンディと俺はそう言う。
「一体どこに動力源があるんだよぅ。」
「わかんないよ~。」
ハッピー達は未だに、この戦艦の動力源を探していた。
「これだけ大きな船だから、すごい大きな魔水晶で動いてるハズよ。」
シャルルがそう言う。
「てか何でこんな通路を通ってんだ?」
リリーがそう言う。ハッピー達は今、何故か換気ダクトのようなの、中に入って移動していた。
「知らないわよ。ハッピーに聞いて。」
「なんとなく。」
「なんとなくかいっ!!」
ハッピーの言葉にツッコミをいれるシャルル。
「あ!!」
「え?」
「きゃっ!」
「ふご!」
ハッピーが止まり、ミントも止まってしまい、シャルルとリリーはぶつかってしまった。
「ちょっと!!急に止まるんじゃないわよ!」
「だってハッピーが・・・」
「どうしたハッピー?」
リリーがハッピーに尋ねた。
「な・・・何だこれ・・・!?」
「「「?」」」
ハッピーが見たものを、ミント達も見た。
「!!?」
「・・・!?」
「・・・っ!!?」
「生きてる?」
ハッピーはそう言うのだった。
一方、コージ達の方で・・・
「たいした若造どもだ。」
「「「「「「!!!」」」」」」
「マカロフめ・・・・・・まったくおそろしいガキどもを育てたものだ。」
「何だと・・・!?」
「そんな・・・!」
ハデスはまだ戦える状態だった・・・!
「私がここまでやられたのは何十年ぶりだ。
まさか悪魔三大魔法まで使っても倒せんとは・・・
楽しませてもらった礼をせねばな。」
倒れていたハデスは一体座り、立ち上がった。
「ウソだろ!!」
「あの攻撃が効かなかっただと!?」
「効いたハズです!でも、それでもまだ戦える・・・!?」
俺達は驚くだけだった。
グイ
ハデスは右目の眼帯を外した。
「悪魔の眼、開眼!!!!」
その言葉と同時にハデスの右目が少しずつ開けてきた。
「うぬらには特別に見せてしんぜよう。」
カッ!!
「魔道の深淵。ここからはうぬらの想像を遥かに超える領域。」
ハデスの魔力が上がった・・・!
「バカな・・・!?」
「こんなの・・・ありえない・・・!」
「こんな魔力は感じた事がない!」
「まだ増幅していく!」
「・・・!!」
「クソたれ・・・!!」
「終わりだ。妖精の尻尾。」
最悪の展開だ・・・!!
「んぐっ!うっ・・・うっ・・!」
「ナツ!!!」
「くそっ!!!動く力が・・・あんまり、残ってねえ・・・!!!!」
ナツさんは戦えそうな状態じゃない!!
「やばいぞ・・・これは・・・!!」
このままじゃあ・・・俺達は全滅する・・・!!!
後書き
どうも、白鋼です。今回の話、いかがでしたでしょうか?
読んでる人によっては、『コージ強すぎじゃね?』、『そんなのあり!?』
などとあるかもしれませんが、お許しください。次回もお楽しみに~!
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