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魔法少女リリカルなのはstrikers~黒円卓と機動六課~

作者:亞紋
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序章「動き出す黒円卓」

 
前書き
注意!!!
黒円卓といっていますが獣殿をはじめ、聖槍十三騎士団のメンツはほとんど出てきませんし、出てきたとしてもほとんどが半ばオリキャラと化しています。
若干の管理局アンチも含みますし、ハーレムものです。

それでも大丈夫という方はどうぞ! 

 
プロローグ
『動き出す黒円卓』

「特務十三課やて!?」

 場所は機動六課部隊長室。突然、入ってきた情報に機動六課部隊長八神はやて少佐は驚きの声を上げた。

「信じられない気持ちもわかるが事実だ。〝あの〟特務十三課が動き出した」
「――ほんまに存在しとったんか……」

 都市伝説の類とばかりに思っていたその部隊が実在していたことに驚きを隠せないはやて。
 だが、通信相手……クラウディア艦長クロノ・ハラオウンは嘘をいうような人間ではない。ならば、それは真実なのだろう。

「特務十三課……。通称…」
最後の大隊(ラストバタリオン)……」

 最後の大隊(ラストバタリオン)。その名は地球であったなら第二次大戦時、ドイツに君臨したヒトラー率いるナチスドイツの生き残りを意味する言葉だったが、ミッドでは違う意味を持っていた。
 曰く、死霊の軍勢。
 曰く、黒い死神。
 管理局に存在するのか、しないのかそれすらわからない謎の組織。それが特務十三課最後の大隊《ラストバタリオン》という存在だった。
 だが、それが実在し、今になって動き出したという。

「なんで、今になって……」

 苦虫をかみつぶしたような表情になるはやて。致し方ないだろう。
 なぜなら、彼女にとって今ほど重要な時期はないからだ。彼女の夢見た理想の部隊。それがようやく形になつ今という時はそれほど彼女にとって大切なものだった。

「そう悲観することもないだろう」

 だが、画面越しのクロノはそこまで深刻そうには見えなかった。

「どういうことや?」
「特務13課。彼等は様々な不吉な名前を持っているが、誰一人その実態を知っているモノはいない。そうだろ?」
「せや」

 事実だった。当初、管理局に入りある程度の権限を得たはやてはその名前が気になり調べてみたが、わかったことは彼等の不吉極まりない仇名とそして、大隊長という名前だけだった。

「ーー君が考えているほど、特務十三課という組織は害悪ではないということさ」
「えっ!?それはどういう……」

 彼の意味深な発言を問い詰めようとした矢先にあちらから通信が途絶える。

「それってどういうことや。クロノくん……」

 すでに消えてない画面越しの少年の言葉の意味を測り兼ねて、はやては一人、呟くのだった。




――ミッドガルドの隠蔽された一角に存在する時代外れかつ、存在する世界を間違えたと思うほどの中世の様式でたてられた大きな城。
 ヴェヴェルスブルグ城と名付けられたその城の中で靴音が響く。
 旧ナチスドイツ調の軍服に身を包んだ黒い髪のどこにでも居そうな雰囲気の少年の名は、桜内義之。
どこからどうみても、めんどくさそうな表情を浮かべて、扉を開けると大きな部屋があった。
そして、その中央にはまるで光すら吸い込んでしまうほどではないかと思わされるほどに漆黒かつ巨大な円卓が置かれていた。
それを囲むように存在する十三の席。その二番目にゆっくりと腰を下ろした義之の視線の先には六番目の席に座ったこれまた義之と共通した意匠を持ち、所々改造された軍服に身を包んだ場違いとしか思えない金髪の少女――芳乃さくらに注がれていた。

「義之君も来たから説明するね。二人に言ってきてほしいのは今度、新しく機動課に設立する新部隊の査察と警護だよ」
「警護?査察は分かるが、どういう事っすか?」

 さくらの言葉に疑問を挟んだのは義之と同じように四番目の席に座っている病的なまでに白い肌と白い髪を持つ先天性色素欠乏症(アルビノ)の男性――ヴィルヘルム・エーレンブルグだった。

「たしか、創設する部隊ってエースオブエースやら色々といたはずだったと記憶してるんすが……」
「うん。たしかにそうだよ。エースオブエース、金色の死神、陸上局の切り札にヴォルケンリッター。いまやミッドで知らぬ人のいないほどの有名人やそのほか将来有望と言われているスタッフや人員で構成されている。――まあ、ありていに言えば最強の部隊だね」
「最強ね……」
「出たよ、戦闘狂」

 最強と聞いて、どこか楽しそうに舌なめずりするヴィルヘルムを見て、義之はげんなりした様子で突っ込む。

「うるせぇ、カイン。いいじゃねえか、今じゃ碌に戦える奴がいねえんだから欲求不満なんだよ、俺は!」
「それもそうか、確かに残ってるメンツじゃ、お前と相性の悪い奴ばっかだわな……」

 たしかに戦闘狂にはつらいだろうと多少なりともヴィルヘルムの現状に同情し、苦笑を漏らす義之。
 たとえ、いま残っている面子が彼と戦ったとしても彼の劣勢は免れなかった。その一端でもある義之には苦笑するしかできない。

「そうそう、せめてツァラトゥストラとか、ヴァルキュリアとはいてくれたら俺も楽しんだがな……」
「ないものねだりしてもしかたないだろ。ヴィルヘルム」
「――ハア。そういや、代行」

 ため息を吐き出し、不意に空席の五番目を挟んで隣のさくらへと視線を映す。

「うにゃ?」
「俺達はどこまで出来るんです?」
「う~ん」

 ヴィルヘルムに聞かれて、思い出したようで考えていなかったさくらは腕を組んでう~んと唸りながらどうしようかと考える。
 やがて――

「状況次第、かな。義之君は基本、形成まではいいよ。ヴィルくんは活動で我慢して」
「なんですか!」
「君の形成は度肝抜くからだよ。それに能力もえげつないし」
「――」

 自覚はあるのか、さっきまでの威勢はどこへやらしぼんで黙ってしまうヴィルヘルム。

「二人には明日には発ってもらうからね。副官は――今回は諦めて。行きたいって立候補してる子たちがいるから」
「ああ。なるほど」
「レオンとアルカードか」
「うん。だから、咲耶ちゃんや小恋ちゃんたちにはもうボクの方で話は通してあるから」
「――了解っす」
「――ヤヴォール」

 二人とも、どこか不満げな返答に苦笑を浮かべつつさくらは最後の確認をする。

「じゃあ、以上でなにか質問はある?」
「「――」」
「じゃあ、解散」

 そうして、黒円卓特務十三課・|最後の大隊(ラストバタリオン)は静かに動き出すのだった。
 
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