記憶の奏
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
記憶の奏~2
前書き
はい、前回の続きです。
うまく書けたと思うので、温かい目で見てほしいです。
あとなるべく、これを見てどう思ったか教えてください
よろしくお願いします
俺は…何故イチノを突き放すような事を言ってしまったのだろうか
イチノと別れてから一時間弱、俺は自分用に割り振られた部屋に戻って来ていた
本来ならば、あそこでイチノを慰めたりする物なんだろうが
俺は自分自身に素直になれなかったせいで、イチノを傷つけてしまったのかもしれない
違う…『傷つけたかも』ではなく『傷つけた』のだ
俺にはイチノのパートナーである資格があるのだろうか
…フン、バカバカしい、この俺が誰かの心配をするとは
そもそも俺がイチノの事で考え悩む理由がどこにある
イチノは俺の戦友であってそれ以上でもそれ以下でもない、イチノの精神的ケアもする必要はないはずだ
俺は考えることをやめベッドに身を投げた
また逃げるのですね、自分の心から…自分自身の罪悪感から
俺が眠り始めてからどれくらい経っただろうか、突然震度6はあるであろう大地震が起こった
ゆっくりと布団と言う天使から安眠を授かっていた俺は当然だと言わんばかりにベットから転がり顔面から床に激突した
「な、何じゃこの揺れは!」
鼻を抑えながら俺はベットの下に非難する
敵襲か?、いやそんなはずは無い…相手が人間ならばここまでの揺れはありえない、それにこの付近は地震がまったく起こらない地域でもある、だとしたらこの揺れは…
「精霊、か?」
精霊は基本的に人を襲うことはない、しかし消去法で考えるとしたらこの揺れは精霊の仕業としか思えない
揺れが収まりいざ避難しようと思いへや出る
そこで俺が見たものは信じられないものだった
目の前に広がるのは、俺が世界に復讐するための出発点であった大導連合本部の崩壊
所々から火の手が上がり、天井からは人工大理石が落ちてくる
…俺の知っている連合の姿はそこにはなかった
「本当に精霊の仕業なのか?」
俺の予想を超える自体に俺は頭が混乱してきた
逃げ惑う人の中に丁度イチノと同じくらいの身長の精霊を見つけた
…
イチノは無事なのか?
今までの人ごみの中にはイチノの姿はなかった
先に避難したのだろうか、
いや、アイツの事だ何処かで救助活動をしているに違いない
他の人間の事はイチノに任せて俺はさっさと逃げるか
俺は本部から脱出するため人の流れに乗ろうとした時、人の流れとは反対の方からイチノの攻撃術の光が見えた、
向こうでイチノが戦っている、
まあ俺が居なくてもイチノ一人で十分に戦えるだろう
俺はそう思ったのだが、イチノの攻撃術は初めの一回だけであとは防御術の光しか見えなくなっていた
それは、イチノが敵に押されている証拠でもあった
イチノが押されている敵とはどの様な奴なのだろうか
俺の中から、そいつを叩きのめしたいと言う欲求が沸々と湧き上がってきた
俺は無意識のうちにイチノが居るであろう場所に足を向けていた
俺がその場所に向かっている時、イチノの光に混ざって黒い光がチラチラと点滅していた
今思えば、その光を見たときにイチノを連れて逃げるべきだった
次の廊下の角を曲がれば先ほどイチノと敵の光が見えた所だ
しかしイチノの攻撃が少し前から止んでいるが、まあイチノの事だ
もう敵を倒してしまったのだろう
そう楽観的に考え俺は廊下の角を曲がった
しかしそこに倒れているはずの敵はおらず、代わりに倒れていたのは
血にまみれたイチノだった
そしてイチノの先には黒色のローブを纏った精霊がいた
その姿は禍々しい雰囲気を漂わせ、吐き気がするほどのプレッシャーを放っている
「ふーん、ひとりでボクに挑むからどれ位強いのか期待したけど…大したことないね」
精霊は圧倒的な余裕を見せイチノを見下ろしている
「ゲホッ、まだ…負けま…せん」
イチノは足に力を入れ、立ち上がろうとする
「アハハ、いくら立ち上がったて君じゃあボクには勝てないよ」
そう言うと黒い精霊はイチノの首を絞める
「くぅっ、わ…たしは、負けない…」
「チッ、いい加減諦めなよ、君じゃあボクには勝てないって言ってるだろっ!」
黒い精霊はイライラとした口調でイチノを投げ捨てる
それを見た俺は素早く落下地点に潜り込み、イチノを受け止める
「イチノっ!」
「マ、マスター」
イチノの呼吸がとても荒い、怪我もひどすぎる
「おやおや、飼い主さんのご登場かい?、だけどもうフィナーレの時間なんだよね」
「キサマ、なぜこんなことをっ、何が目的だ!」
俺は精霊に問いかける、
「目的なんかないさ、ただボクのご主人様がここを壊して楽しませろといったから、それだけだよ」
「ひどい、こんな事って…」
「ひどい?、まあボクのやった事はひどいかも知れないけど、ご主人様が楽しめるなら誰が傷つこうとボクの知った事じゃないんだよね」
「まだ、終わってなんか…いません」
イチノは立ち上がり言い放つが、その足はもうフラフラだ
「イチノ!、無理をするなッ」
「アハハハ、可哀想だから飼い主と一緒に滅ぼしてあげるよ」
死神は自分の周りに黒い塊を出現させ徐々に大きくしてゆく
「くっ、マスター…ごめんなさい」
「おい…イチノ?」
イチノは俺を突き飛ばし呪文を唱え始める
すると俺の体は光に包まれてゆく
それはイチノの転移術の光によるものだった
「イチノっ!」
「大丈夫です、私はマスターのパートナーなんですから、必ず逃げ延びてみせます」
イチノはとびきりの笑顔を見せてくれる
「イチノォォォォォォッ!」
俺は必死に手を伸ばすがイチノの転移魔法によって手が、足が光の粒子となって消えてゆく
「さよなら……」
イチノが最後につぶやいた言葉は懐かしい言葉だった
「……お兄ちゃん」
黒い精霊の攻撃の物であろう攻撃の爆発音と共に俺の視界はホワイトアウトしてゆく
こんな、こんなはずじゃなかったのに
…その夜、俺は一番大切なものを失ってしまった…
後書き
どうだったでしょうか、自分的にうまく書けたと思います。
次回から忍君が記憶を失っちゃいます。
ついでに新しいパートナーも登場です
ページ上へ戻る