| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ソードアート・オンラインー不幸を呼ぶ者ー

作者:波亜多
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

異変

異変に気づいたのは、安地から出て数歩のところでいつもの黒ローブのMobとの戦闘を始めようとした時だった。

体がうまく動かないー?

重力が強くなったように錯覚する。
体が重くなる、重くなる。
愛刀<孤狼>が手から滑り落ちる。
そのジャリンという音に我に返って、気づく。
視界左端のHPバーが、緑ー麻痺を表す枠に点滅している。
いつー!?
久方ぶりに戦慄という感情を抱いた俺は、重い口を動かす。
「ナ、ナギサ、解毒をー」
後ろから結晶を取り出したのであろう布ずれの音が聞こえる。
床に倒れる俺に、黒ローブが近づいてくる。
「は、早く!」
焦る俺の視界に、ナギサが何かを見せてくる。
良かったー柄にもなくそんなことを考えた俺は、その物体を見てギョッとなる。
彼女が握るのは、解毒結晶でも何でもなくー
「麻痺毒・・・」
使いきられたその瓶を置いて、ナギサが下がっていく。
「お前が?・・・さっきの水か!」
安地から出る直前にもらった水。確かに変な味がした。
PK?ナギサがー?
混乱する俺の思考をよそに、黒ローブが鎌を振り下ろす。
HPが目に見えて減少する。
俺は解毒結晶を出そうと、重い手を少しずつポーチに伸ばした。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧