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八条学園騒動記

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第三百二話 タイガーキャットその九

「それでだ」
「それじゃあ半分ボーナスステージよね」
「そうなる。シュミレーションだがな」
「成程ね。けれどこのゲームじゃ」
「エウロパ戦は次のステージで終わりだ」
 テューポーン内部での戦い、それでだというのだ。
「次からは他の知的生命体との戦いになる」
「リトルグレイね」
「最初に出てくるのはそれだ」
 コンピューターはステージを進めていくパレアナのプレイを見守りながら話していく。
「それから色々と出て来る」
「知的生命体も色々なのね」
「中にはハインラインの小説に出て来る様なものもいる」
「ラモックスとか?」
「ラモックスは友好勢力として出て来る」
 何とそうした知的生命体も出て来るというのだ。
「あれは名作だ」
「あの外見で実は、っていう作品よね」
「非常に理知的で賢明な種族だな」
「そうそう。怪獣じゃなくて」
「その種族も出て来る。そしてだ」
「友好的って何してくれるの?」
「共に戦ってくれる」
 そうした意味での友好勢力だというのだ。
「こちらに援護攻撃をしてくれるのだ」
「今の連合軍みたいに」
「レーダーでも教えてくれるし誘導もしてくれる」
「それはまた随分友好的ね」
「実は製作者にハインラインのファンがいる」
 それでだというのだ。
「だから出て来たのだ」
「そういうことなのね」
「他にもだ」
「ハインラインの宇宙人出てるの?」
「なめくじも実は出ている」
 それもだというのだ。
「他の知的生命体を操る存在としてな」
「そのままじゃない」
「直接戦うことはボスとして以外はないがな」
「ボスっていうとひょっとして」
 ボスとして戦うと聞いてだ。パレアナはすぐに連想したものがあった。それはどういったものかというと。
「あれ?なめくじが集って」
「そうだ。集合体となってだ」
「あれよね。一個の巨大なめくじになるのよね」
「脳の様になっている」
 そうした敵もまたシューティングの定番である。生物の一部、とりわけ脳という器官は敵、しかもボスとしてはおあつらえ向きのパーツである。
 それでだ。なめくじもだというのだ。
「それ自体は攻撃をしてこない」
「じゃあ周りに攻撃してくるのがあるのね」
「そうだ。それと戦いうことになる」
「じゃあ最低でもね」
 どうするかとだ。パレアナは意識を決した顔になってコンピューターに述べた。
「そこまで辿り着いてみせるわ」
「そうするか」
「ええ、目標はね」
「第十ステージだが」
「そこがなめくじのステージなの」
「そうだ。最初のプレイで第十ステージまでだ」
 普通は第一ステージで終わる。シューティングは慣れるのゲームだからだ。
「辿り着けるか」
「そうなる様に努力はするわ」
 これがパレアナの返答だった。
「そうするわ」
「自信があるか」
「自信じゃなくてね」
 それではなくだというのだ。
「目標よ」
「それか」
「そう、目指すと思わないとね」
「そうしなければだな」
「辿り着けないからね」
 戦艦の前まで来た。そうしてだ。
 そのエウロパ軍の戦艦にミサイルで攻撃を加えながらだ。こう言うのである。 
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