仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第六十九話 戦場の候補地その十四
「私はそんなのいたら容赦なく張り倒すけれどね」
「美羽は強いからな」
大文字が最もよく知っていることである。
「だから実際にストーカーも倒すからな」
「というか戦えるますよね」
ヒデヨシがこう突っ込みを入れる。
「普通に」
「というか絶対に強いですねこの人」
美晴もこう見抜いていた。
「それもかなり」
「俺より強いかも知れないな」
大文字は真顔で彼女達に話す。
「それはな」
「ですよね、やっぱり」
「この人かなりの強さですよ」
「仮面ライダーになれるかもな」
こうまで言う大文字だった。
「いや、本当にな」
「そういえば大文字殿はライダーにならんな」
「なれないのか」
シンゲンとケンシンはふとこのことが気になって言った。
「何かのライダーに変身できそうだが」
「どうなのだ、その辺りは」
「ああ、俺には無理だな」
自分で自分がわかっているといった口調だった。
「俺はメインで戦うよりサポートの方が向いているな」
「キング、王でもか」
「左様か」
「キングか。本当のキングはだ」
すっと笑顔になっての言葉だった。
「心がそうなんだろうな」
「心が王」
「即ち誇りを持っているということか」
「本当の意味での誇りがな」
虚栄や傲慢、そういったものでは決してない、今の大文字はそのことがよくわかっていた。
「それがあるのがキングだろうな、そう」
「ああ、俺ですか」
「俺もですね」
「君達もキングかも知れないな」
歩と織戸を見ての言葉だ。
「そうなるかもな」
「少し聞くと大間違いもいいところですがその通りですね」
セラフィムは実に大回りした言い回しだった。
「歩も心はキングです」
「キングってのは地位じゃないんだよ」
大文字は彼がこれまでのことでわかったことを話す。
「それでなるものじゃない」
「俺みたいに心が立派ならですね」
「いや、立派かどうかはともかく」
織戸にはまずはこう返した。
「少なくとも卑しくないことだな」
「こいつは卑しくないんですか」
歩はその織戸を見ながら大文字に問い返した。
「そうなんですか」
「変態かも知れないけれどな」
「それでもですか」
「そこまで自分の道を求めている人間は卑しくないさ」
例え変態でもだというのだ。
「俺はそう思うな」
「いや、俺の理解者がいるなんて」
「嬉しいんだな」
「嬉しいですよ。いや、よく変態とか言われてましたから」
「安心してくれ、それは俺も否定できない」
大文字は素直だった、このことは地位だけのキングであった時から変わっていない。だが今にはそこに真があるが。
「君はどう見ても変態だろう」
「そのことは否定出来ませんか」
「少し、強烈過ぎるからな」
そうセラフィムにも述べる。
「俺も無理だ」
「しかしそれでもですね」
「ああ、彼はキングだ」
心がそうだからだった、やはり。
「間違いなくな」
「それで俺もなんですか」
「よくやってるんじゃないか?ゾンビで魔装少女だよな」
「ええ、まあ何とか」
歩は無意識のうちにキンジもちらりと見た。
「キンジとは違って色々付属してます」
「俺は女装は駄目だからな」
「俺もなんですけれどね」
「けれどそれに耐えてやっているからな」
「俺もキングですか」
「心はな。じゃあまずはここで英気を養って」
それからだった。
「気合を入れてやっていくか」
「はい、それでは」
セラフィムは紅いジュースを大文字や歩達に差し出した。そのうえで少しだけ微笑んでこう言ったのだった。
「これを飲んで」
「まさかと思うけれどな」
「安心して下さい、トマトジュースです」
笑って言う大文字に微笑みで返しての言葉だった。
「血よりも遥かに健康的です」
「トマトは身体にいいからな」
「ですからどうぞ」
大文字に直接手渡して告げる。
「そして決戦に」
「行くか、この世界でもな」
こうした話をしながら戦士達は集まり作戦を立て英気を養った。そしてこの世界での決戦に赴くのであった。
第六十九話 完
2012・12・4
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