仮面ライダー エターナルインフィニティ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六十九話 戦場の候補地その十一
「私もそのうちの一人だから」
「アヴリルさんと僕は別人ですから」
こう断らないといけない事情もある彼等だった。
「とにかく。色々ありますので」
「そうだね、お互いにね」
「そういうことね」
タバサもぽつりと言う。彼女の横にはアイがいるが二人はシンクロしているかの様に同じ仕草で食べ続けていた。
「私も少し」
「私もだ」
「ましてや生き別れの妹とは」
「違うからな」
「そうですよね」
マミも二人のその言葉に同意していた。
「私なんか七十二人もそうした娘がいると言われていまして」
「実は私もだ」
ガーネットもだった。
「よく言われる。アイドルともな」
「そう言われる人って多いですから」
チェルシーにしてもそれは同じだった。
「十八歳以上の場合は名前が違うと」
「あれは違う人です」
「そうなのよね。別人だから」
サラサとリトスも言う。二人共妙に必死な様子である。
「何かと言われていますが」
「本当に違う人だからね」
「それを同一人物と言うのはあまりにも無道です」
ヴィルヘルミナは言いながら右手にワイン、赤のボトルを持ちラッパ飲みをしている。その顔は真っ赤になっている。
「私もそう思います」
「その通り」
火織もヴィルヘルミナと同じ様にワイン、こちらは白をそうしながら彼女の言葉に頷く。その有様はまるで姉妹、いや同一人物だった。
「誰でもそうなのですから」
「そうそう、生きていれば色々あるのよ」
マージョリーはブランデーをそうしていた。
「言わない方がいいこともね」
「そういえば私も」
「あっ、そうですよね」
ティファニアはヘカテーの言葉に応えて言う。
「乃木坂といった場所に行くと」
「妙な一体感を感じるから」
「そうね、本当に」
そしてそれはサテライザーもだった。
「妙な縁を感じることは多いわ」
「サテライザーさん達を見ていると」
アルセーヌも感じるものがあった、それは何かというと。
「私の頼りになる執事の」
「何か色々ありますね。僕もそうした縁が欲しいですね」
小林にとってはそのことは羨ましいことだった。それでエルキュールに顔を向けて何処か羨ましそうに言った。
「エルキュールは柴犬が好きだね」
「はい、実は」
エルキュールも小さくこくりと頷く。
「柴犬は他人の気がしません」
「そうだね」
「というかこの前間違えたよ」
ネロも言う。
「そっくりの二本足で歩いてる柴犬がいたからさ」
「あの犬は何だったんだ」
クレオもそのことを不思議がる。それでコーデリアに顔を向けて問うた。
「コーデリア、心当たりはあるか」
「そう言われても私にも」
コーデリアも困った感じの顔になって首を捻ることだった。
「あの柴犬ははじめて見て驚いた位だから」
「世の中は似ている相手が多いがな」
クレオはそのコーデリアを見続けている。それはまるで鏡に映る自分自身を見ているかの様なものだった。
「三人どころではないな」
「僕も自分にそっくりな小学生見たしね」
それはネロもだった。
「シャーロックも丸い猫が大好きなお姉さんと会って驚いてたし」
「心衣さんもですよね」
平乃は自分の前にいる心衣を見た。相変わらず小さい。
ページ上へ戻る