スーパーロボット大戦パーフェクト 完結篇
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第六十八話 密約
第六十八話 密約
ロンド=ベルはだ。敵の基地に向かっていた。その中でだった。
「ねえダバ」
「いいか?」
皆ダバに問うのだった。
「それでだけれど」
「敵の基地のことだけれど」
「敵の基地のことを?」
「うん、そこ」
「ヤーマンで最大の基地よね」
「そうよね」
このことも話すのだった。
「それでどの基地は」
「実際どんなところなの?」
「一体全体」
「どういった場所?」
「それは」
その基地について話をはじめるギャブレーだった。
「三個艦隊規模の戦力が集結てきて」
「三個艦隊」
「それだけのものが」
「それにね」
ダバの言葉はさらに続く。
「補給施設や整備、それに後方施設も充実していて」
「それもなの」
「そうしたものもなの」
「うん、無理をすれば四個艦隊規模の戦力も収容できて戦えるんだ」
そうした場所だというのである。
「それはこのヤーマンに展開している全軍になるかな」
「ということは」
「その基地に攻め込むと」
「すぐに決戦?」
「この星での」
「そうなるかもね」
ダバもその可能性は否定しなかった。
「俺達のことは向こうもよく知ってるだろうし」
「じゃあ本当に」
「派手な戦いになりそうね、暫く振りに」
「そうだよな」
皆ダバの話を聞いてそれぞれ話した。
「結構楽しみよね」
「そうね」
ミスティはレトラーデの言葉に笑顔で頷いた。
「この戦いはね」
「何かそういう気分になってくるわね」
「戦うなら派手にか」
霧生も二人のその言葉を聞いた。
「そして敵の戦力を一気にか」
「敵の戦力は一気に叩く」
今言ったのはグローバルだ。
「戦略戦術の基本だ」
「はい、そうですね」
「それは」
キムとクローディアが彼の言葉に頷く。
「ならここは」
「敵に攻め込んで」
「一気にですね」
「勝負を決めると」
「いつも通りだ」
グローバルはこうも言ってみせた。
「諸君、それでいいな」
「ギワザの戦力も出て来ないしね」
レッシィはもうこのことは確信していた。
「丁度いいね」
「あの連中とはまた決着をつけるとして」
「まずはこの惑星か」
「四個艦隊潰せばな」
「かなりいけるわよね」
「そうよね」
皆こう話す。そうしてであった。
基地に向かっていく。そして基地まであと一日の場所に来るとだった。
そこに敵がいた。今度はだ。
「よく来たな、ロンド=ベルよ」
「確かエペソ=ジュデッカ=ゴッツォだったかな」
万丈が彼の顔を見て言った。とりわけ髪の色をだ」
「そうだったね」
「如何にも」
こう返す彼だった。
「余はエペソだ」
「わかったよ。悪いけれどね」
「他の者達と顔が同じだからか」
「それでわかりにくいからね」
「我等は元々は兄弟だった」
エペソはここでこう言ってきた。
「七兄弟だったのだ」
「へえ、そうだったんだ」
「オリジナルはまだラオデキア以外は存在している」
このことも言うエペソだった。
「しかしだ」
「しかし?」
「だが、だ。それだけではない」
「クローンもか」
「では貴様等もまた」
「そうだ」
その通りだというエペソだった。
「我等はオリジナルではないのだ」
「まあそうだろうね」
万丈はエペソのその話を聞いて納得した顔で頷いた。
「それはそうなるね」
「わかるというのか」
「うん、わかるよ」
また答える万丈だった。
「だって君達はこれまで何度も倒してるからね」
「ふん、そのようだな」
エペソは万丈のその言葉に応えて述べた。
「余も倒されてきているな」
「その通りだよ」
「しかしだな」
「しかし?」
「それだけではないな」
また言うエペソだった。
「オリジナルがいることも察していたな」
「それもね」
「やはりそうか」
「バルマー戦役の最後の時に」
話はそこまで遡るのだった。
「オリジナルのラオデキア=ジュデッカ=ゴッツォに会っているからね」
「その時に察したのか」
「そう、君達にはそれぞれオリジナルがいる」
このことをだというのである。
「何となくだけれど察しはついていたよ」
「そうだったというのか」
「うん、ただ」
「ただ、今度は何だ」
「神の色以外は全て同じとはね」
万丈はここでは少し苦笑いになった。
「それはどうもね」
「それがどうかしたのか」
「いや、確かに兄弟って思ってね」
それも言うのだった。
「あまりにもそっくりだからね」
「そういうことか」
「さて、話はこれで終わろうか」
「それではだ」
「はじめようか」
万丈の言葉が合図になった。そうしてだった。
ロンド=ベルと帝国軍の戦いがはじまった。その中でだった。
まずはだ。ロンド=ベルが前に出た。そうしてだった。
そのまま敵軍に突き進む。その先頭には万丈がいる。
彼はだ。仲間達に対して言った。
「この戦いだけれど」
「ああ」
「どうするんですか?」
「そんなに暴れる必要はないよ」
そうだというのであった。
「ここではね」
「あれっ、そうなのかよ」
「ここではなの」
「これは前哨戦だからね」
これが理由だというのである。
「だからだよ」
「前哨戦だから」
「それで」
「本番は次だからね」
万丈の目がここで光った。
「だからだよ」
「次が」
「次こそが」
「うん、そうだよ」
また言う万丈だった。
「ここはね。そういうことだからね」
「とはいってもだ」
「そうよね」
スレイとツグミがここで話す。
「問題は向こうがどう思っているかだが」
「それよね、やっぱり」
「向こうは本気で向って来るかもしれない」
「その場合はどうするんですか?」
「ああ、その時はね」
万丈は余裕のある顔で二人に返した。
「それに合わせるよ」
「敵にか」
「そうするんですか」
「こっちも全力でぶつかって」
そうするというのである。
「それで倒すだけだよ」
「それだと」
今度はアイビスが言ってきた。
「いつもと同じなんじゃないのか?」
「そうかも知れないね」
それを否定しない万丈だった。
「正直なところね」
「そういうことか」
「そう、そういうことだよ」
万丈はまた言ってみせた。
「それじゃあ敵が来るなら」
「派手に倒すんだね」
「まあ基地から敵が来れば倒せばいいし」
それも考えている彼だった。
「その時はね」
「そういうことならだ」
「私達もね」
スレイとツグミも続いた。
「戦わせてもらうか」
「ここで決戦になったら」
「ただ。基地を陥落させるのは絶対だからね」
万丈はここはしっかりと言った。
「それはわかっておいてね」
「そうですね」
ダバが万丈のその言葉に頷いた。そしてだった。
彼等はそのまま突き進みだ。一斉射撃を浴びせた。
「よし!」
「これで!」
「まずは一撃!」
その一撃でだ。かなりの数の敵を倒した。
しかしそれでもだ。エペソは動揺を見せない。部下の言葉を聞いてもだ。
「敵の先制攻撃です!」
「戦力の五パーセントを失いました!」
「これは」
「動じることはない」
こう部下に返す彼だった。
「ここはだ」
「し、しかし司令」
「この戦いはです」
「基地を守る為の戦いです」
「ですから」
「それでもいいのだ」
また言う彼等だった。
「ここはだ」
「よいのですか」
「ここは」
「それでも」
「そうだ、我等の役目はだ」
彼は部下達に対してさらに言うのだった。
「ここで時間を稼ぐことなのだ」
「時間をですか」
「そうなのですか」
「そうだ、今は時間を稼ぐのだ」
また告げたのだった。
「よいな、それによってだ」
「それによってですか」
「ここは」
「次ですね」
「次の戦いに向けてですね」
「そうだ、次の基地での戦いだ」
まさにその戦いだというのだった。
「次の戦いでは四個艦隊に」
「四個艦隊といいますと」
「それは」
「まずこの余だ」
エペソは自らの名前を出した。
「そしてヒラデルヒア」
「そしてですね」
「次は」
「ラオデキアだ」
やはり彼であった。
「この三人にだ」
「もう一人の方は」
「それは誰ですか」
「一体」
「サルデスだ」
彼だというのである。
「彼にも来てもらう」
「サルデス様の艦隊も入れてですね」
「合わせて四個艦隊で」
「その艦隊でロンド=ベルをですか」
「ここは」
「既にサルデスに連絡はしている」
エペソはこのことも話した。
「基地の上に降下するとのことだ」
「では奴等が基地に来た時にですね」
「上からですね」
「攻めると」
「そうなのですね」
「その通りだ」
エペソは笑みを浮かべることなく言ってみせた。
「これでわかったな」
「はい、それでは」
「ここは適度に戦い時間を稼ぎ」
「そうしてですね」
「そのうえで」
「その通りだ」
また言った彼だった。
「わかったな、ここは余が言うまで戦うのだ」
「そしてそのうえで」
「その時が来ればですね」
「基地まで撤退する」
これがエペソの作戦だった。
「マシンは基地にある。安心するのだ」
「はい」
「マシンもありますか」
「基地には」
「その四個艦隊の補充分は充分にある」
エペソの言葉に自信が宿る。そしてだった。
彼等は今は踏み止まるのだった。そのうえでロンド=ベルと戦う。しかしだった。
その中でだ。ダバは敵の指揮官を探していた。エペソをである。
「敵の指揮官は」
「そうよね、何処なのかしら」
「敵将を倒すと一気に楽になるからな」
こうエリスに返す彼だった。
「だからここは」
「絶対に見つけないと」
「エリス、わかるかい?」
ダバはエリスに尋ねた。
「敵の指揮官が何処にいるのか」
「そう言われても」
だが、だった。エリスの返答は弱いものだった。その弱い声でダバに対してこう言ってきたのであった。
「普段の戦いだとね」
「ああ」
「ヘルモーズに乗ってるじゃない」
「あの巨大戦艦に」
「それでヘルモーズを撃沈したら」
「ズフィルードが」
「だからわかりやすかったのよ」
そうだったというのである。
「けれど今は」
「そうはいかないからな」
「ええ」
「難しいか」
「御免なさい」
「ならここは」
ダバはだ。ナデシコを見た。そうしてだった。
「ルリちゃん」
「はい」
「ハッキングは」
「少し待って下さい」
ルリの返答はこうであった。
「もう少し」
「時間がかかるのかい」
「時間よりもです」
「それよりも?」
「ナデシコが移動しますので」
それを優先させるというのだった。
「ですからここは」
「そうか、わかった」
「もう少しだけですが」
「そして移動してそこから」
「敵軍を攻撃します」
参謀としての言葉だった。
「それでダバさんは」
「うん、どうすればいいんだい?」
「ナデシコの前には出ないで下さい」
それはだというのである。
「そこにはです」
「グラビティブラストだね」
「それで一気に倒します」
だからだというのだ。
「ですから前にはです」
「うん、わかったよ」
「じゃあルリちゃん御願いね」
「はい」
ルリはエリスにも答えた。
「それでは」
「よし、じゃあ俺も」
「ダバはどうするの?」
「これを使う」
バスターランチャーを構える。そうしてだった。
エネルギーを集中させてだ。一気に放ったのだった。
すると光が一気に通り抜けてだ。前にいる敵をまとめて消し去ったのだった。
それが終わってからだ。また言うのだった。
「これでよし、だな」
「敵の数減らすの?」
「敵の指揮官がわかっていないならこれしかないからね」
だからだというのだ。
「ここは」
「そうよね。まずはね」
「けれど。それでも」
「それでも?」
「やっぱりこれは凄いな」
バスターランチャーを見ての言葉である。その攻撃を放っただ。
「一撃でまとめて消し去ってくれるからな」
「そうよね、本当にね」
「これで倒していって」
ダバはさらに話す。
「この戦いにも勝つんだ」
「それで次よね」
「次の戦いに勝てれば」
ダバの言葉がさらに強いものになった。
「いよいよヤーマンが」
「私達の手に戻るのね」
「ああ、そうだ!」
「その通りだ!」
レジスタンスの方から声がした。彼等もダバ達と共に戦場にいるのだ。
「ヤーマン解放だ!」
「次でだ!」
「そうね、遂になのね」
エリスも言うのだった。
「次の戦いで勝てばね」
「絶対に勝とうぜ」
キャオの言葉だ。
「そうしてよ、本当にヤーマンをな」
「ああ、その通りだ」
ダバはキャオのことばにも頷いてみせた。
「そしてそれからだ」
「ポセイダルもやっつけてね」
「ペンタゴナを全て解放するんだ」
こう話してだ。彼等は敵を倒していく。それを見てだ。
エペソは部下達に問うのだった。
「今の損害はどれだけだ」
「損害ですか」
「我々の」
「そうだ、どれ位だ」
こう彼等に問うのだった。
「我々の今の損害はだ」
「四割です」
「今はです」
「そうか、四割か」
それを聞いてまずは頷いた彼だった。そうしてだった。
「四割が失われたか」
「まだ戦われますか」
「ここは」
「まだだ」
エペソは鋭い目になって部下達に答えた。
「まだサルデスの艦隊は来ていないな」
「残念ですが」
「まだ衛生上に来てはいません」
「もう少しです」
部下達はサルデスの艦隊についてもこう答えたのだった。
「それはです」
「そうか、もう少しか」
「ではサルデス様の艦隊が来られれば」
「その時にですね」
「その時に撤退する」
エペソはこう部下達に話した。
「わかったな」
「わかりました、そしてですね」
「それからですね」
「そうだ、それからだ」
まさにその時だというのであった。
「だからまだここに残るぞ」
「わかりました」
「それでは」
「今は残りましょう」
二人で話してだ。彼等は戦線に残る。そうしてだった。
彼等は戦い続ける。その中でだ。
ルリがハッキングを行った。目が金色に光る。それを見てである。
彼女はすぐに皆に告げた。
「わかりました」
「敵の指揮官の機体が!?」
「じゃあどれが」
「どのマシンが」
「マシンではありませんでした」
こう皆に言うルリだった。
「敵艦です」
「戦艦!?」
「じゃあどの艦!?」
「一体」
「あれです」
こう言ってだ。地上用のその敵艦のうちの一隻を指し示す。各員のモニターにその敵艦がはっきりと映し出されていた。
それを指し示しながらだ。ルリは話すのだった。
「あの艦です」
「あれか」
「あれなのね」
「あの艦に敵の指揮官が」
「エペソ=ジュデッカ=ゴッツォが」
「はい、います」
まさにそこにだというのだった。
「ですからここはです」
「敵を追い詰めてそうして」
「倒す」
「それでここでの戦いを終わらせる」
「そういうことなのね」
「その通りです。指揮官の戦艦を沈めれば敵軍は撤退します」
こう話すのだった。
「ですから」
「よし、それなら」
最初に応えたのはダバだった。
「あの戦艦に今から」
「行くのですね」
「多少無理でも行くさ」
そうするというのだった。
「今から」
「けれどダバ」
だがここでだ。アムが彼に言ってきた。
「距離あるわよ」
「そうだな」
レッシィも言う。彼女達とギャブレーはダバと同じ小隊である。だからだった。
「だからここは」
「迂闊には攻められないぞ」
「その通りだ」
ギャブレーも言うのだった。
「ここは慎重に行くべきだな」
「けれど今は」
ダバは三人に対して眉を顰めさせて返した。
「このヤーマンを」
「焦らないの」
「そうだ、それは駄目だ」
アムとレッシィはそのダバに対してまた言った。
「焦ったら成功することもしないわよ」
「次があるんだ」
「次が」
ダバは二人のその言葉に動きを止めた。
「次がか」
「そうよ、だから基地を陥落させるんでしょ?」
「それならだ」
言うことはこのことだった。
「なら次があるじゃない」
「だからだ。焦ることはない」
「そういえば」
二人に言われてだ。ダバは考える顔になった。エルガイムマークツーのコクピットの中でそうした顔になっていたのである。
その彼にだ。ギャブレーもまた言ってきたのだった。
「ここでの戦いは決戦ではない」
「決戦じゃない」
「そうだ、決戦じゃない」
まさにそれだというのである。
「だからだ。ここは無理はするな」
「それじゃあ今は」
「ゆっくりといこう」
最後にエリスが言った。
「いいわね、それで」
「そうだな」
ダバはここでだ。頷いたのだった。
そのうえでだ。彼は言った。
「ここはいいか」
「そういうことだな」
「無理をする時じゃないからな」
ギャブレーとキャオが彼にまた言う。
「次で決めればいいことだ」
「落ち着いていこうぜ」
こんな話をしてだった。彼等は進んでだった。
敵を倒していきだ。遂にだった。
エペソがだ。報告を受けたのだった。
「来たか」
「はい」
「今到着しました」
部下達がこう報告してきた。
「衛星軌道上に到着されました」
「それではここは」
「撤退ですね」
「そうだ。最早ここで敵を足止めする理由はなくなった」
サルデスは満足した顔で話す。
「わかったな。それではだ」
「はい、それでは」
「今から」
こうしてだった。エペソの艦隊は撤退したのだった。戦いは遂に基地の攻防に移ることになった。
そしてその時だ。遠く離れた場所では。
ギワザがだ。宇宙が見える白い部屋で青い髪の女と会っていた。
大人の色香を漂わせながらも落ち着いた雰囲気の女だ。涼しげな青い目に整った顔立ちをしている。すらりとして白い上着とズボンという格好だ。その女と会っているのだった。
まずギワザがだ。彼女に言った。
「クラン=クラン殿」
「うむ」
「私がこのサードスターに来た理由だが」
「それはわかっている」
こう返すクランだった。
「その為にコアム、いやヤーマンで戦っているポセイダル軍を見殺しにしているのだな」
「見殺しだというのか」
「違うというのか」
「そうだ、違う」
ギワザは笑みを浮かべて答える。二人が向かい合って座るその席にはそれぞれグラスが置かれている。そういったものを前にしての会話だった。
「それはだ」
「では何だというのだ?」
「私は最初からポセイダル軍だったつもりはない」
「だからか」
「そうだ、だからだ」
こう答えるのだった。
「ペンタゴナはペンタゴナの者が治める」
「ペンタゴナのか」
「ポセイダルはバルマーの者だな」
ギワザはこう言うのだった。
「そうだな」
「そう思っているのか?」
だが、だった。フラットはここでこんなことを言うのだった。
「本当に」
「何が言いたい」
「さてな。私はただ言っただけだ」
いぶかしむギワザに多くのことを言わなかった。
「それだけだ」
「そうなのか」
「そうだ。だがポセイダルを倒すならだ」
「うむ」
「勝手にすればいい」
フラットは今はこう言うだけだった。
「そうな。勝手にするといい」
「そうか、いいのだな」
「私は確かにサードスターを与えられている」
「そしてか」
「だが今はだ」
「今は、か」
「ポセイダルとは縁はない」
こう言うのだった。
「少なくとも心はだ」
「そう言えるのだな」
「その通りだ。ではだ」
「うむ、では」
ギワザもフラットも言ってだった。そうして。
二人は今は別れた。だが密約は確かだった。その密約と共にだ。彼等も動くのだった。
第六十八話 完
2010・10・20
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