【完結】剣製の魔法少女戦記
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第二章 A's編
第三十一話 『グレアムとの出会い』
前書き
前回からの続きでまだなのはさんが魔王化していたり(笑。
Side シホ・E・シュバインオーグ
フィアの抱きつきによって気絶した私は再度、目を覚ますとそこは混沌とした光景を形作っていた。
なぜかフェイトは顔面蒼白で体が震えている。
アルフは気絶する前は確か人型だったのに今は狼形態で部屋の片隅で全身の毛を逆立たせて頭を伏せてガタガタとフェイトと同じように体を震わせている。
クロノとユーノはいつもの仲の悪さが嘘のようにお互いに身を寄せ合って怖いものを見たみたいな感じに目の焦点が合っていない。
フィアに至っては正座で全身を大いに震わせながらゴメンナサイ、ゴメンナサイとまるで壊れたレコーダーのように謝罪の言葉を繰り返している。
まさしくカオスと呼ぶべき空間で一体何が起こったのか分からず、ふと全員の視線の先に目を向けた途端、寒気がした。
そこにアクマが顕現していた。
…いや、なのはなんだけどなぜか笑顔なのに目がやけに据わっているように見えるのは私の気のせいかな?
そこでようやく私が起きたことに気づいたのかなのははこちらに振り向いた。
や。しかしその据わった瞳のまま振り向かないで。黒化した桜みたいで怖いです…。
でもそれは一瞬で納まり変わりに涙が次から次へと流れてきている。
「シホちゃんッ…! よ、よかったよぉ…もしかしたら目を覚まさないじゃないかと思ったんだから…」
それで先程までのカオス空間は一掃されたようで皆が私に声をかけてくれる。
また心配させちゃったみたいね…。
「ごめんなさい…」
私は嬉しい気持ちになり、申し訳ない気持ちにもなり、素直に謝った。
でも、どうして私は気絶を…というかこんな包帯だらけになっているのだろう?
「ねぇ、クロノ…ちょっといい?」
「なんだ?」
「どうして私こんな状況になっているの…? シグナムに手加減で気絶させる目的で斬りかかろうとした所まではなんとなく覚えているんだけど、それ以降は記憶が曖昧で…」
「覚えていないのか…? なるほど、それほどまでに強烈だったのか。くそっ、捕まえた時には民間人暴行罪と殺人未遂の罪で被告席に立たせてやる」
「…どういうこと?」
「それはですね、お姉様―――…」
それから皆にどうして私がこんな事になったのか色々聞かされた。
そして暴走状態になっていた事を私は知る。みんな、トラウマにならなければいいけど…。
「あー…暴走状態を見られちゃったのね」
「シホ。フィアットから聞いたが改めて聞くが魔術回路の暴走とは一体なんなんだ…?」
「それね。魔術回路は魔術師の擬似神経っていうのは前に話したわよね? それで回路を開く際、魔術師はなにかしら痛みを伴うわけよ」
「痛み…?」
「もともとある本物の神経にさらに擬似神経が上乗せさせられるのよ?
だから魔術回路を開く際に感じる痛みは魔術師にとって当然のつき物。
そしてそれを制御して己の自由自在に扱えるようになれば痛みも気にしなくなる訳。
でもなんであれ完璧に制御なんてできるわけはない。制御に失敗した魔術師はその属性によって様々な暴走を起こすのよ」
「た、例えば…?」
「私の世界での基本属性は『地水火風空』の五種類。総じて五大元素―――アベレージ・ワンともいうわ。
だから一つの典型的な例を上げると火の属性を扱うものはこの世界でもよく聞くオカルト現象の一つ、自然発火現象を起こして体が燃え尽きたりしちゃうわ。
後はこの属性に限らず魔眼使いの例…目は脳に直結しているから行使し続けると脳のオーバーロードで発狂して、最悪廃人ね。
ようするに私達魔術師は死というペナルティーと隣りあわせで魔術を行使しているのよ」
それでその事を話していなかったフィアも含めて全員驚愕の表情をしていた。
そしてすぐに、
「それじゃシホちゃんは大丈夫なの!?」
「ああ、私の場合を話していなかったわね。私の属性は特殊でね…五大元素に含まれない『剣』という属性なのよ。
だから今回は瀕死の重傷を負った事がトリガーとなって魔術回路が暴走して体から剣が突き出してきたってだけ。
(…ま、本当は固有結界の内部からの暴走なんだけどこれはバレるとまずいので話さないでおこう)
…ああ、今回のような事は滅多に起こらないから大丈夫よ? 前にも重症を負っても剣が突き出る事はなかったでしょう。
ただ今回は体力、魔力、精神力ともに大幅に消費していた事と、意識が一瞬で飛ぶほどの衝撃を受けた事…それに他にも詳しく話せないけど色々要因が重なった事が原因だから。
…だからそんな泣きそうな顔をしないで皆」
私は心配かけさせないように笑顔を浮かべた。
だけど最後まで聞いていたフェイトが顔を俯かせて、
「ゴメン、シホ…私がもっと周りを警戒していればシホはこんな事には…アタッ!?」
「ツッ!…あ、謝らないの。フェイトはあの状況ではベストな行動をしっかりと取っていたわ。ただ、その仮面の男がフェイトのそれを上回っただけの話…。だから気にしないこと。いいわね?」
私はあまり力の入らない手を無理に動かしてフェイトの頭に叩きを当ててネガティブな考えを訂正させる。
「う、うん…。でもそれじゃ私の気持ちが晴れないから改めて謝らせて。ゴメンね、シホ…」
「…まぁ、うん。フェイトがそうまでいうなら私は構わないわ。でもいつまでも引きずらない事。それより次にどうするか考えること。いいわね?」
「うん!」
「…でも、そんな大怪我を負ったっていうのにどうして私の怪我は、包帯は巻かれているけどこんなに軽いの…?」
「それはだな。まぁ、実際に見てもらったほうがいいだろう」
クロノは一つの画面を開いて何が起きたのかを見せてくれた。
そして私は非常に驚いた。
「せ、セイバー!?」
「やっぱり顔見知りだったか」
「え、ええ…。それよりアンリミテッド・エアとかユニゾンデバイスとか魔力変換資質【風王】って…なに?」
「それは今調査中だ。もう少ししたらエイミィから報告が来る頃だろう。それよりどうして今まで君はベルカ式が使える事を隠していたんだ?」
「ベルカ式…? あ、もしかしてあの三角の魔法陣の事?」
「そうだ。あれを扱えるものは希少なんだぞ? しかも調べた所、シホのものは古代ベルカ式らしい…。魔力変換資質【風王】もレアスキル判定が出たぐらいだからな」
「…もしかして、それって発見されている例が私だけって奴?」
「その通りだ。異世界から来たという諸々の事情も含めてもう君は注目の的といっても過言じゃないくらいだ」
「あちゃぁ…また厄介なことに」
「まぁ、諦めることだな。こればかりは僕達だけじゃカバーしきれないからな。っと、話が脱線していたな…。
それで以前にも見せた回復力も含めてセイバーという人物は何者で君に何をしたんだ?」
「え、っと…」
私は視線をつい泳がせてしまう。
その中で唯一事情を知っているフィアに目をやったけど《ゴメンナサイ、お姉様。私じゃ抑えるのは無理です…》という思念通話が聞こえてきた。
それでもう諦めもついた。
「…はぁ。それじゃまだ私の事は全部話せないけど、セイバーと私の関係は話すわ」
「シホちゃんの全部はまだダメなの…?」
「話しても別に大丈夫だとは思うけど、クロノ達には悪いと思うけど私はまだ管理局を完全に信用している訳でもないの。
だから全部話すならそれ相応の時と場所で話すわ。だからフィアも私がいいというまで他言無用よ」
ギンッ!
「うっ!?」
その瞬間、全員の目線がフィアを貫いたのを幻視した。しかもやたらに痛そうだ。
だけどすぐに落ち着きを取り戻したようで、
「…そうか。まぁ君の世界の考えだと組織というのは恐怖の対象だからな。だからここでの話は艦長達だけでなんとか広がらないように尽力してみるよ」
「ありがと。それじゃ私とセイバーの関係だけど端的にいうと元マスターと元従者の関係ね」
「マスターに従者…?」
「ええ。そしてセイバーの真名は映像で見た限り皆聞いたと思うけど“アルトリア・ペンドラゴン”。彼の有名なアーサー王よ」
「「「「「……………は?」」」」」
瞬間、フィアを除いたなのは、フェイト、ユーノ、アルフ、クロノの時は停止する。
私は即座にフィアに耳を塞ぐように促がし、私も耳栓を投影して塞ぐ。
さらに部屋を防音結界で完璧に外に響かないように塞ぐ。
そして時は動き出す。途端、大声が部屋中に響き、防音結界のおかげで行き場をなくした音は部屋を盛大に揺らす。
「…ま、やっぱりこういう結果になったわね」
「はいです…」
フィアは手だけでは完全に防げなかったらしくグテッとしている。
……………
…………
………
とりあえず全員落ち着いたので話を進めることにする。
「それじゃ次に話すことも多分大声を上げるだろうから事前に言っておくけど驚きだけにしておきなさいよ? でないと私達の身が持たない…」
『はい…』
目を鋭くさせて警告をしておく。
投影した耳栓にヒビが入っているのがいい証拠だ。
「それでどういった経緯かは省くけど私の体の中にはアーサー王の失われた鞘…“全て遠き理想郷”が埋め込まれているわ。
それで昔にちょっとした事件でアヴァロンを触媒にしてセイバーが私のサーヴァントとして呼び出されたのよ。
本来のアヴァロンの効果は伝承どおり『不老不死』。でも私は真の担い手ではないから副産物の体を元に戻そうとする治癒効果だけが働いている。
だからさっきの魔術回路の暴走もそれのおかげですぐに納まったわけ。
そしてセイバーとセットで私は治癒能力が格段に効果を増すのよ」
「な、なるほど…だから異常なほどの回復力を君は持っているわけか」
「ええ。セイバーがいない状態じゃ鞘に魔力を送り込まないと回復しないから魔力が枯渇した時はそれこそ死を覚悟するものね」
「ハイ、センセイ。シツモンガアリマス」
私がしみじみと語り終えるとユーノがロボットみたいな口調で話しかけてきた。
…って、いうか誰が先生よ?
「なに、ユーノ? それとその変な喋り方はよしなさい」
「…わかった。それでサーヴァントってなに…?」
サーヴァントか…。
「まぁ、こちらの世界での言葉の通り使い魔みたいなモノだけど比べると可愛そうな程、力の差はあるわね」
「むっ、それってどれくらい差があるっていうんだい…?」
「あ、アルフ、落ち着いて…?」
「…英雄って存在は信じる?」
「英雄…?」
フェイトがアルフを宥めている間に私は話を進める。
「ええ。英雄よ。英雄は過去の様々な理由や功績によって祭り上げられて私達の世界ではどこにあるかもわからない“座”っていう場所に英霊となって居座るの。
歴史や文献、架空の存在でも…それこそ過去、現在、未来、並行世界に限らず名を残してきた人物のほとんどは、確証はないけど英霊となって座に居座っているといっても過言じゃないわ。
そして前に説明した抑止力の説明に加えて、世界が危険と感じた瞬間に召喚されて…後は前の説明どおりにその場のすべてを滅ぼす自由意志を奪われた掃除屋として働くの。
諸説あるけどオーディンのヴァルハラが一番いい例えかもね。英雄の死後にオーディンがヴァルハラ神殿に招待していつか起こる決戦の準備をするっていう神話…まさに的を得ていると思わない?」
「確かに…」
「そしてサーヴァントって言うのはある戦いの儀式で召喚される七つのクラスの事をさすの。
その七つのクラスは剣の騎士『セイバー』、槍の騎士『ランサー』、弓の騎士『アーチャー』、騎乗兵『ライダー』、魔術師『キャスター』、暗殺者『アサシン』、狂戦士『バーサーカー』…。
基本この各クラスに当てはまる英霊が召喚されるのよ。セイバーは文字通り剣を扱うもの。だから騎士王とまで呼ばれたアーサー…アルトリアが召喚された。
今はどうしてかユニゾンデバイスっていうものになっているらしいけど、実力は折り紙付きよ。
なんせ英霊に対して人間はどんなに強くても決して勝てないって言われるほどなんだから。
そして、これが皆にも分かる最もの理由だけどエクスカリバーは彼女が本当の担い手よ。私が使用した時とは威力は段違いといっていいわ」
「そ、そりゃ確かにあたしじゃ敵いそうにないかもなぁ…」
「で、でもお姉様はアーt―――…」
ギンッ!
「はわっ!? ゴメンナサイ! なんでもありません!」
アルフが頭をボリボリと掻きながらそう言った。
でもフィアがつい言葉を零しそうになったから未然に黙殺した。
皆、怪訝な顔をしていたけどここはもう気にしない。
「さて、これで私の世界での一部講座と、私についての秘密の一つを提示したわ。
それじゃクロノ…? 今回の事件について詳しく話してもらえないかしら? 等価はきっちりとしておかないといけないわ」
「なっ! そこで等価交換を持ち出すか、君は!?」
「当たり前じゃない。いきなり一方的に襲われたのにどんな事件か分からないんじゃ話しにならないわ」
「やっぱり参加するつもりか…?」
「ええ。ここまでやられたんだから、しっかりと徹底的にボコッて事情を吐かせない限り腹の虫は納まらないわ!
それに私が戦ったシグナムとザフィーラからはなにか事情がありそうに感じたわ。でなければ私達に情けなんてかけっこないし…」
「あ、そうだね。シグナムは特にシホの事を気にかけていたから…」
「………、わかった。ただ、今現状で分かっていることだけだぞ?」
「ええ。それで構わないわ。情報はないよりはあった方が後で有利に事を運べるしね」
「そうだな」
それからクロノは私達に魔術師襲撃事件について内容を明かした。
だけどまだ詳細はよく分かっていないらしくクロノは調査中だということで話を切った。
「それと別件で…フェイト、こんな時だけど面接の時間だ。それでなのはとシホも着いて来てくれないか?」
「えっ…?」
「なんで私達も…?」
「重要な話があるんだ。特にシホ…君にとっても」
「私にとっても、ね…それってやっぱり魔術とか異世界とか絡み?」
「まぁそれもあるだろうけど…今一番新しい君の情報にも関わってくる事なんだ。だからそう邪険に構えないでくれるとありがたいんだが…」
クロノの言葉はすぐに流して私は少し物思いに耽る。
私達も面接に呼ぶということはリンディさんよりもおそらく上の地位の高い役職の人物だろう。
それならここらで一度顔合わせもしておきたいところね。
「いいわよ。正直まだ分からない事が山ほどあるし…。なぜ私がその、古代ベルカ式ってもの? を使えるとかも詳しく知りたいから」
「そうか。正直君はついてこないと踏んでいたんだが、安心したよ」
「それは結構なことね。それじゃなのは。申し訳ないんだけど車椅子押してもらってもいい? 正直いって体を動かすのも今は辛いのよ」
「うん、いいよ!」
そして私達はある一室に入った。
そこではギル・グレアムという思ったとおり時空管理局顧問官という偉い役職についているお人が待っていた。
話を聞くにこのグレアム提督はフェイトの保護監察官らしい。
話の内容はフェイトの処遇とグレアム提督の過去話など。
その話の中でフェイトに対して、
「約束してほしい事は一つだけだ。友達や自分を信頼してくれる人の事は絶対に裏切ってはいけない」
と、言ったことだ。これが守れればフェイトの行動に特に制限はかけないらしい。
それを聞いてフェイトはキッと背筋を伸ばして「はい」と答えた。
「…そしてシホ君。君とはこうして一度話をしてみたかった」
「それは光栄です。ですがこんな身で申し訳ありません」
「気にしないでいい。先の戦いでの報告は聞いている。
それでシホ君、一つ尋ねたいのだが君は…そうだな。おそらく自身でも初めて知ったことだろう。
シホ君は希少で使えるものも現在君も含めて数名しか発見されていない数少ない古代ベルカ式の使い手だと判明した。
この件に関してなにか見に覚えとかはないかね…?」
「いえ。私自身グレアムさんも知っていると思いますが異世界からの出身なのでなぜ使えるのかは分かりません…」
「そうか…。いや、別に責めている訳ではないから気にしないでくれ。ただ興味をそそられた事があってね。
それと、君を助けたセイバー・アルトリア・ペンドラゴンというユニゾンデバイスの女性だが…彼女はもしやすると彼のアーサー王なのではないかね?」
「! なぜ、そう思うのですか?」
「いや、なに。あの堂々たる立ち姿、ペンドラゴン―――最強の騎士に与えられる“竜の頭”、“王”を意味する称号―――を名にもつものなど、アーサー王以外に考えられんだろう。
英国人にとってはペンドラゴンの名はそれほどに重いものなのだよ。
まさか女性であったとは、夢にも思わなかったがね。
それにアーサー王伝説は私の国イギリスでは一番有名なのでね」
「なるほど…そうかもしれませんが…。
でもここでは詳しく話せません。私としてもどうして彼女がユニゾンデバイスというものになっているのか理解が及んでいませんので。
それにここからは魔術の世界の話になってきますのでおいそれと事情を話すことはためらわれますから…」
「そうか。残念だけどここは引き下がるとしよう。ではもうこの話は終わりにしようか。強制するのは私の理に反するのでね」
「…助かります」
それから色々と話をして部屋を出る際にクロノとグレアム提督は一言、二言交わしていたが、特に滞りなく終わり私達はそのまま退出した。
それと私としては退出する際にグレアム提督の表情が後ろめたいような表情になっていたのに気づき、なにか闇の書事件に強い思い入れでもあるのかと、そう感じた。
こんな時にリンがいればもっと深く事情を探ることは出来るだろうけど私じゃせいぜい腹の探り合いをするのがやっと。
だから少しだけどこかで手を打っておこうかと思う。なにかしら情報を持ちえていると思うから。
…しかし、ふと思う。私はこんなに用心深く人の腹を探るような性格をしていただろうか?
さらにまるでリンのようにうけた喧嘩は最後までキッチリ終わらせないと気がすまないと思う好戦的な思考を持ち合わせていただろうか?
等価交換をこんなにうまく利用していただろうか?
なぜかは分からないけど、自分が自分じゃなくなっていくような…そんな嫌な気分になった。
「…シホちゃん? どうしたの、やっぱりまだ寝ていた方がいい?」
「えっ…? なんで?」
「なんか、シホちゃん…とても深刻そうな顔をしていたから。やっぱりまだ傷が痛むんじゃないのかなと思って…」
「そんなことはないわ。ちょっと考え事をしていただけよ? だから気にしないで、なのは」
なのはに心配ないと答えて、私はさっき感じた嫌な考えをしないようにこの思考に蓋をした。
そうしないと私のアイデンティティーが崩れてしまうかもしれないと思ったから…。
後書き
まだ時空管理局本局での話は続きます。
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