仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第六十五話 白き王との決戦その一
第六十五話 白き王との決戦
一同は武偵学園に入った、休日でしかも昼間なので今は誰もいない。このことが彼等にとっては好都合だった。
「当直の先生はいないか」
「ええ、話はして機転を利かしてもらったわ」
オニキスにアリアが答える。
「部活も今日は全部休みか遠征に出ていて」
「それでか」
「そう、戦うには絶交の日よね」
「そうだな。ではだ」
オニキスは校庭に運ばれてきた巨大な黒い鉄の鍋を見た。その鍋は今下から火がかけられて様々な具が煮られていた。
それを見てこう言ったのだった。
「鍋を食うか」
「そうね。じゃあね」
「鍋を食って戦いに向かうか」
「あんたこれまでこうした戦いの仕方とか縁がなかったでしょ」
「そうだな。全くな」
無縁だったと自分でも言うオニキスだった。
「しかしこうした戦いもだ」
「悪くないでしょ」
「そういうあんたもだな」
「ええ、正直なこと言うとなかったわ」
アリア自身長い間孤独な戦いを続けていた。だからこう言うのだ。
「キンジとも会ってなかったしね」
「あれっ、俺か」
「そうよ、あんたよ」
にこりとはしていないが確かに彼を見ての言葉だった。
「あんたとも会ってなかったしね」
「会ったのは最近の様な気がするな」
「例えそうでも随分変わったわね」
アリアも自覚していた。確かに彼女は短い時間でかなり変わった。
そしてそのことを感じ取りながら彼女も巨大な鍋を見てそして言った。
「お鍋ね。水炊きってシンプルだけれど」
「美味いんだよな」
「鶏肉って低カロリー高タンパクなのよね」
「ああ、だから身体にもいいしな」
「お葱入れて白菜入れて」
「エニキとかも入れてな」
茸も忘れていない。
「糸蒟蒻と豆腐も忘れたら駄目だな」
「お餅もね」
「えっ、餅もかよ」
「お鍋にはお餅でしょ」
アリアは当然といった口調でキンジに返した。
「それも」
「いや、そうなのか?」
「お鍋には普通お餅入れるでしょ」
「うどんじゃないのか?」
キンジは怪訝な顔で返した。
「鍋に入れるのは」
「おうどん?お餅の方がいいでしょ」
「いや、やっぱりうどんだろ」
「お餅味がしみて美味しくなるのよ」
「うどんは冷凍うどんでコシがあって身体もあったまってな」
「お餅だって身体が温まるわよ」
「うどんの方がそうだろ」
二人は餅かうどんで言い合いになった。だがその二人の上をキバーラが飛んでこんなことを言ったのだった。
「何言ってるのよ。お鍋には雑炊でしょ」
「ってあんた食べられるの?」
「その身体じゃ無理じゃないのか?」
「まあそれは言いっこなしでね」
そう言われてても全く平気なキバーラだった。しれっとさえしている。
「とにかくよ。大きな鍋だから両方入れても大丈夫だから」
「そう。だったらいいけれど」
「それじゃあな」
「美味しいわよ。鶏肉なんて骨つきで」
キバーラはぱたぱたと飛びながら実際に楽しみそうに言う。
「おつゆも最高に栄養があるから」
「そこで雑炊もよね」
「最後はか」
「雑炊を食べないとお鍋を食べたことにはならないわよ」
こうも言うキバーラだった。
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