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スーパーロボット大戦パーフェクト 完結篇

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第四十二話 因果の海で

                第四十二話 因果の海で
 ギジェが加わったロンド=ベルはだ。まだ航海の中にあった。
「バッフ=クランは来るかな」
「来るんじゃないの?やっぱり」
「そうだよなあ」
 皆こんな話をしていた。
「しつこいからなあ」
「いつもな」
「追撃したら執拗だし」
「そう思っておくべきだな」
 ベスの言葉であった。
「最悪の事態を考えて行動するのは常識だ」
「戦争のだな」
「そうだ」
 まさにそうだというのである。
「だからだ。バッフ=クラン軍は必ず来る」
「そうだな。彼等は来る」
 今度はギジェの言葉だ。
「私がいるということも既にだ」
「察しているっていうのか」
「それもある」
 コスモに対しても返す。
「私は彼等にとっては裏切り者になってしまったからな」
「裏切り者か」
 カクリコンはその言葉に顔を向けた。
「そういうことになるか」
「バッフ=クランは裏切り者を許すことはない」
「まあよくある話だね」
 ライラは裏切り者の話には特に思うことはなかった。
「それはね」
「悪役みたいだがそれは当然だ」
 ドレルは冷静に述べた。
「組織を維持する為にだ」
「そうだな。それにギジャ殿はバッフ=クランでも指揮官だったな」
「うむ」
 ギジェはザビーネの言葉に頷いて応えた。
「多くの部下達を率いてきた」
「それなら余計にか」
「そうだ、だからだ」
 また話すギジェだった。
「彼等は今大軍を送り込んでいる筈だ」
「忙しい奴等だな」
 ヤザンはそれを聞いて述べた。
「バルマーや宇宙怪獣とも戦争やってるのにか」
「他にはプロトデビルン達もいます」
「彼等も敵は多いです」
 ここでラムサスとダンケルも話してきた。
「しかし我等にも多くの戦力を割く」
「尋常なものではありません」
「力のかなりの部分を割いているわよね」
 マウアーの言葉だ。
「バッフ=クラン自体の力をね」
「戦争は金がかかるからな」
 ジェリドも言う。
「それを考えたらあの連中も相当な力を使ってるな」
「そのまま消耗させればいいか?」
 今の言葉はコスモのものだ。
「バッフ=クランは」
「そうすれば自滅するか」
 モエラの言葉だ。
「戦いを続けているうちに」
「相手を自滅させるのも戦略よね」
 カーシャがふと言った。
「やっぱり」
「そうなるわね」
 シェリルもそれに頷く。
「力を消耗させてね」
「じゃあそれで行くか?」
 こすもはまた言った。
「ここは」
「しかしだ」
 今度はギジェだった。
「バッフ=クランは銀河一つを完全に手中に収めているのだ」
「ああ、あんた達の銀河を」
「そこをか」
「それだけにかなりの力がある」
 また言うのだった。
「それはわかっておいてくれ」
「ううん、かなりな」
「難しいわよね」
「そうだよな」
 皆バッフ=クランの戦力を聞いてまた考える顔になってしまった。
「少なくとも今の追っ手は何とかしないと」
「かなりの数が来てるだろうし」
「それにこっちの目的地もあるしね」
 こんなことも話した。
「キャンベル星に行かないと」
「それとボアザンも」
「目的地は遠いがな」
 今言ったのは京四郎である。
「それでも進まないといけないからな」
「確かに」
「だから余計に」
「しかし焦っても仕方ないな」
 一矢も出て来た。
「星間連合には間違いなく近付いているんだしな」
「ガルーダの祖国か」
 豹馬の顔がここで鋭くなった。
「あいつの国にか」
「ガルーダ、見事な奴だったな」
 洸は彼のことを思い出していた。
「敵とはいえな」
「ああ、あいつは心があった」
 豹馬もまたガルーダのことを話す。
「その心と共に死んだんだ」
「ロボットであってもか」
 タケルも考える顔になる。
「心があればか」
「そうだ、心だ」
 マーグも言ってきた。
「人という存在を決定するのは心だ」
「心ですか」
「生物として人であろうともだ」
 マーグは今度はロゼに話す。
「心が人でなければ人ではないのだ」
「ではズールは」
「人ではなかったのだ」
 ズールについてはそうなるいのだった。
「人の心がなかったからだ」
「そうなりますか」
「私は人でありたい」
 これは己に向けた言葉だった。
「是非な」
「はい」
 ロゼもマーグのその言葉に頷いた。
「私もです」
「ロゼ、何があろうともだ」
「わかりました」
 二人は頷き合う。そこには確かな絆があった。
 そしてナタルがだ。ここで一同に告げた。
「それでだが」
「はい、ナタルさん」
「何かあるんですか?」
「お茶を淹れたのだが」
 言うのはこのことだった。
「飲むか」
「お茶ですか」
「紅茶ですか?」
「いや、抹茶だ」
 それであった。
「茶道のお茶だ。どうだ」
「日本のですか」
「あの緑の」
「お茶菓子もある」
 ナタルはそれもあるのだと話す。
「和菓子だがどうだ」
「いいわね」
 マリューはその組み合わせを聞いて微笑んだ顔になった。
「お抹茶は身体にいいし眠気も取れるしね」
「いいこと尽くめってわけですね」
「つまりは」
「そうよ。ただしね」
 マリューはここで言い加えた。
「正座はしないわよね」
「はい、それは」
 ないと答えるナタルだった。
「ごく普通にお椀で」
「飲めばいいのね」
「私も正座は苦手ですし」
 ナタルはこうも言った。
「ですから」
「あら、貴女も正座は駄目なの」
「慣れません」
 マリューにまた答えた。
「あれはどうしても」
「そうよね。慣れるには時間がかかるわよね」
「というよりあの座り方は」
 ナタルの言葉は曇っていた。
「どうしても慣れません」
「そうそう。あれはとてもね」
「日本人は不思議です」
「また随分と言うな」
 その日本人の一矢の言葉である。
「武道じゃ普通に正座するんだがな」
「生憎だが私は日本人ではないのだ」
 まさにそのままのナタルの今の言葉だった。
「抹茶は好きだが正座は駄目だ」
「あくまでお茶だけですか」
「そうだ。とにかくお茶を淹れた」
 こうナナにも話す。
「皆で飲もう」
「そうですね。是非しましょう」
 アズラエルもにこやかに笑って話す。
「お茶は百薬の長ですし」
「おっさん、それ酒だろ?」
「お茶じゃないじゃない」
「間違い」
 すぐにオルガ、クロト、シャニが突っ込みを入れる。
「お茶ってそんなに身体にいいのかよ」
「僕も嫌いじゃないけれどさ」
「菓子も好きだ」
「お茶はいいものですよ」
 アズラエルはその三人に対しても笑顔を向ける。
「侘び寂びですし」
「日本の心だな」
 サンドマンも出て来た。
「ではだ。ここはだ」
「皆で飲むとしよう」
 レイヴンもいた。
「戦いの前にな」
「眠気を醒ますだけではないな」
 ロジャーが二人の言葉を聞いて述べた。
「心を和やかにさせる意味もあるのか」
「その通りだ」
 ナタルもそうだとロジャーに話す。
「お茶はその意味でもいいものだ」
「そういうことか。それならだ」
「ロジャーさんもどうか一つ」
「言葉に甘えよう」
 こうナタルに返す。
「それではな」
「私も」
 今度はリンダであった。
「いいですか?」
「勿論だ。皆で飲もう」
 ナタルは彼女にもこう返した。
「その為だからな」
「そうですか。それじゃあ」
「美味しいものは皆で楽しむもの」
 ドロシーの言葉だ。
「だからなのね」
「味は一人だけで楽しむものじゃない」
 ロジャーも言う。
「出来るだけ多くの者で楽しまなければな」
「それじゃあ皆でね」
「飲もう」
 こんな話をして今はリラックスしている面々だった。しかし次の日はだ。
「来たか!」
「数二百万!」
「包囲されています!」
 こう言葉が飛び交っていた。
「四方八方から来ます」
「DSドライブは今は」
「わかった」
 大河はそこまで聞いて頷いてみせた。
「諸君、ここはだ!」
「はい!」
「どうしましょうか!」
「まずは耐える!」
 そうするというのだった。
「いいな、耐えて戦う」
「まずはですか」
「耐えるんですね」
「DSドライブができるまで待つ」
 これが彼の考えだった。
「そしてその後でだ」
「一気に逃げる」
「そうするんですね」
「そのうえでボアザンに向かう」
 彼はまた己の考えを告げた。
「わかったな」
「わかりました」
「それなら」
「我等の生きるも死ぬもここにある!」
 大河の言葉は何時になく強いものだった。
「諸君、それではだ!」
「はい!」
「ここは!」
「生きる為に耐えるのだ!」
 声がさらに強いものになっていた。
「わかったな!」
「では長官!」
 スワンが大河に言う。
「全軍で!」
「包囲している敵を迎え撃つ!」
「了解デス!」
 こうしてだった。彼等はその二百万の大軍を迎え撃った。すぐにその大軍が四方八方から殺到しそのうえでロンド=ベルに攻撃を仕掛けてきた。
「撃て!」
「撃ちまくれ!」
 バッフ=クラン軍の将兵達が口々に叫ぶ。
「ここでロンド=ベルを倒せ!」
「そして巨神を手に入れろ!」
 そして、であった。
「裏切り者を許すな!」
「何があろうともだ!」
「やはりな」
 ギジェはその彼等の言葉を聞いて呟いた。
「私もまた、か」
「あんたも始末するつもりなんだな」
「そうだ」
 こうコスモに対しても返す。
「それがバッフ=クランの鉄の規律だからだ」
「随分と厳しいんだな」
「国家、そして文明を維持する為にはだ」
 だがギジェの言葉は冷静だった。
「それも必要なのだろう」
「何よ、それって」
 カーシャはギジェのその言葉に対して言い返した。
「滅茶苦茶じゃない」
「そう思うのか」
「当たり前よ。裏切り者は許さないって」
「では聞くがだ」
「何よ」
 今度はギジェの言葉に返していた。
「何かあるの?」
「君達は裏切り者を許すか」
 こうロンド=ベルの面々に問うのだった。
「その時はだ」
「裏切り者を?」
「自分達への裏切りをだ。許すか」
「馬鹿なこと言うんじゃねえよ」
 彼のその言葉に反論したのは忍だった。
「俺達はシャピロの野郎を絶対に許しはしねえ」
「そうだな」
「ああ、あいつだけは許さねえ」
 忍は忌々しげな口調でギジェに述べていた。
「絶対にだ」
「そういうことだ。シャピロ=キーツだったな」
 ギジェはシャピロのその名前も口にしてみせた。
「調べさせてもらった」
「それでどうだっていうのさ」
「嫌な男だな」
 沙羅に告げた言葉はこれだった。
「己が神になろうというのか」
「その為に理由をつけてあたし達を裏切ったんだよ」
 沙羅もありのまま話してみせる。
「あいつはそういう奴だったんだよ」
「私もそう見られているのだ」
 ギジェはロンド=ベルの面々に簡潔に述べてみせた。
「己の私利私欲の為にだ」
「バッフ=クランを裏切った」
「そういうことか」
 雅人と亮はすぐにこう察した。
「成程、そうなんだ」
「そう思われているというのか」
「裏切りは常に個人的な感情によるものだ」
 ギジェは今度は真理の一つを話していた。
「公で裏切る者なぞいない」
「そういえばあんたも」
「結局のところは、だな」
「私はギジェへの興味を抑えられない」
 まさにその通りだというのである。
「そういうことだ」
「けれどそれでも」
 レイは敵軍に攻撃を浴びせながらギジェに対して告げた。
「貴方は今ここにいる」
「むっ!?」
「私達と一緒にいる」
 彼女が言うのはこのことだった。
「それは否定できない」
「それはか」
「そう、否定できない」
 また言うのだった。
「私達の仲間であることは」
「自身の文明を裏切った私がか」
「そう。貴方は仲間」
 レイはこのことを繰り返して言ってみせる。
「そのことは」
「否定できないというのか」
「それにイデオンに興味があるならよ」
 ミレーヌも彼に言ってきた。
「イデオンと一緒に入る限り裏切らないってことよね」
「確かに」
 それはまさにその通りだった。
「私は。イデと共にいたい、だから」
「ならそれでいいじゃない」
 ミレーヌはあっけらかんとして述べてみせた。
「難しく考えずにね」
「そうなのか」
「そうよ。それじゃあ今はね」
「うむ、生き残る為に」
「耐えましょう、数は多いわ」
「大丈夫だよ」
 グレートゼオライマーに乗っているマサトの言葉だ。
「この戦い、生き残れるよ」
「ええ、マサト君」
 未久が応えた。
「DSドライブの発動はもうすぐよ」
「あと三分だね」
「それ位なら耐えられるから」
 だからだというのである。
「充分に」
「敵の数もかなり減らしたし」
 ここで、だった。グレートゼオライマーのメイオウ攻撃が炸裂した。そうしてそれによってバッフ=クラン軍のかなりの数を倒していた。
「これなら」
「あと二分よ」
 時間はさらに進んだ。
「二分だけだから」
「生きられるね」
「ええ、そうよ」
「いいか、皆」
 ベスもまた仲間達に告げる。
「あと二分耐えれば生きられる」
「ボアザン方面に向かおう」
 モエラがソロシップの艦橋から告げる。
「DSドライブで」
「そういうことだ。今は耐えるんだ」 
 こうして戦いだった。二分経った。
「よし、今だ!」
「皆集まれ!」
「DSドライブ発動!」
 ロンド=ベルの面々は一斉に集結した。そうしてだった。
 光の中に消えた。その後にはバッフ=クラン軍だけが残された。
 しかし彼等はだ。至って冷静であった。そうして。
「よし、それではだ」
「はい」
「友軍に連絡ですね」
「各宙域の軍に連絡しろ」
 指揮官の言葉だ。
「そしてロンド=ベルが出て来た宙域の軍がだ」
「彼等を迎え撃つ」
「作戦通り」
「そうする。いいな」
 こう言うのであった。
「今はだ」
「了解です、それでは」
「各宙域の軍に連絡します」
「我等の包囲網を甘く見ないことだ」
 指揮官は苦いがそれでも確かな顔で言っていた。
「そう易々と逃しはしない」
「その通りです」
「巨神を今度こそ」
「手に入れてみせる」
 光が消えていくのを見送っての言葉だった。
 ロンド=ベルが出た場所にはだ。やはりであった。
「ユウナ様、これは」
「まさか」
「ああ、もう言わなくていいよ」
 ユウナはうんざりとした顔でトダカとキサカに返した。
「バッフ=クラン軍だね」
「その数百万です」
「後方にいます」
「じゃあまずは反転だね」
 ユウナはうんざりした顔だったが指示は的確だった。
「ここは」
「そうですね、そして」
「迎撃ですね」
「けれどそれでもだよ」
 ユウナはトダカとキサカにさらに言う。
「ここはまたね」
「DSドライブで振り切りましょう」
「それしかありません」
「今は続けて戦う訳にはいかないからね」
 だからだというのだ。
「じゃあベス君、そういうことで」
「わかっています」
 ベスは強い声でユウナの言葉に応える。
「七分待って下さい」
「七分か」
 それを聞いたアルトの顔が険しくなる。
「連戦だ。辛いか?」
「何、いつものことだからな」
「そうですね」
 ミシェルとニコルが笑って言う。
「気にすることはないさ」
「いつも通りやりましょう」
「そういうことだな、それではだ」
 バーンは既に剣を持っていた。ズワースのその手に。
「七分、戦うとしよう」
「総員戦闘用意」
 シーラが指示を出す。
「DSドライブ発動まで耐えましょう」
「させるか!」
 ショウは早速敵を切り裂いていた。それが合図になる。
 激しい戦いが行われる。だが七分経った。
「よし、七分!」
「全員集結しろ!」
「DSドライブ発動だ!」
 これで敵を振り切ったかに思えた。しかしであった。
 出て来たその次のポイントに。やはりいた。
「くっ、ここにもか」
「いる!?」
「どういうことなんだ、これって!」
「まさかこれは」
 ここで察したのはアムロだった。
「バッフ=クラン軍はその数を使って俺達を包囲し待ち受けているのか」
「それってどういうことなの!?」
 セイラがそのアムロの言葉に問い返す。
「数を使ってって」
「バッフ=クラン軍は数が多い」
 セイラに返した言葉だ。
「それを使って広範囲に陣を敷いたんだ」
「それでかよ」
「だからここにも」
「ああ、そうだ」
 カイとハヤトにも答えてみせる。
「だからここにもいるんだ」
「ちっ、数は圧倒的だからな」
「伊達に銀河単位の軍じゃないか」
 カイとハヤトは舌打ちしながら述べた。
「それならまたDSドライブで逃げてもか」
「やって来るっていうのか」
「そうだろうな」
 リュウも苦い顔になっていた。
「俺達はこの広い包囲網を突破できるかどうかだ」
「突破するしかないけれどな」
 スレッガーは結論から話した。
「そしてボアザンに向かわないとな」
「そういうことだな」
 ブライトもスレッガーのその言葉に頷いた。
「例えバッフ=クラン軍がどれだけいようともだ」
「それならどうしますか?」
 セイラは今度は無頼とに対して問うた。
「ここは」
「ベス」
 ブライトはまずベスに問うた。
「今度のDSドライブは」
「六分です」
 それだけかかるというのだ。
「それだけかかります」
「そうか、六分か」
「はい、六分です」
 また言うのだった。
「六分待てばです」
「わかった、なら六分だけ戦う」
 ブライトはベスの話を聞いてあらためて述べた。
「そしてまたDSドライブで移動する」
「わかりました」
「フロンティアの長距離ワープもいいがだ」
 そのことも一応は考慮していた。
「しかし」
「そうだな。あれはDSドライブに比べて時間がかかる」
 フォッカーがその問題点を指摘した。
「それならな」
「ここはDSドライブが一番だ」
 結局はここに結論がいく。
「しかし。例え包囲網を突破してもだ」
「バッフ=クラン軍は追ってくるな」
 アムロはこのことも考えていた。
「大軍がな」
「どのみち戦わなければならないな」
「それならですけれど」
 アイナが言ってきた。
「いいでしょうか」
「アイナ、何か考えがあるのか?」
「ええ」
 シローに対しても答える。
「敵を引きつけて一気に倒せばいいんじゃないかしら」
「一気にか」
「ええ、一気にね」
 そうすればと言うのだった。
「それでどうかしら」
「そうだな」
 アイナの言葉に頷いたのはハマーンだった。
「悪くはないな」
「ハマーンさんもそう思われますか」
「賛成だ。敵はどちらにしろ倒さなければならない」
 ハマーンもまたこの結論を出した。
「それならばだ」
「はい、それなら」
「今はDSドライブで移動するがだ」
 それでもだというのだった。
「敵を引きつけて倒す」
「それならだ」
 今度はバニングが言う。
「四度目の移動の後でだ」
「その後で、ですね」
「そうだ、あらかじめDSドライブでの移動ポイントを大きく出す」
 そうすると。コウに対して話す。
「そしてそこに移動してだ」
「そこで敵を殲滅する」
「然るべき場所で」
「そのポイントを探しそこに移動する」
 また言うバニングだった。
「戦うことに適したポイントでだ」
「よし、それなら」
「そこは」
 話が動いた。しかも大きく。
「ここだな」
「そこですか」
「そこに移ってですか」
「そうだ、そこで戦う」
 エイブだった。彼があるポイントをモニターに出してみせた。
 見ればそこはだ。アステロイドが中心にある場所だった。
「アステロイドの中に入りそこで敵を迎え撃つ」
「あっ、バルマーの基地もありますね」
「しかも」
 何とそうしたものもあったのだ。
「アステロイドの中に」
「しかも廃棄されている」
「ここでエネルギーや弾薬の補給もできそうですね」
 皆このことにも気付いた。
「この基地なら」
「しかし」
 ここで言ったのはヴィレッタだった。
「この基地は」
「知っているのか」
「ああ。バルマー帝国の重要な補給基地の一つだ」
 そうだとレーツェルに答える。
「その基地が何故空になっているのだ」
「おそらく宇宙怪獣の襲撃を受けたのだろうな」
 レーツェルはこう予想を立てた。
「それでだ」
「宇宙怪獣か」
「今はよくあることだ」
 レーツェルノ言葉は冷静なものだった。
「さもなければプロトデビルンかだ」
「どちらにしてもあそこにいる帝国軍はやられたってことか」
 勇は冷静に言った。
「そういうことか」
「そうなるわね。それじゃあとにかく」
 カナンの言葉は。
「あの基地を目指しましょう」
「次の次のDSドライブで」
「そしてバッフ=クラン軍を」
「おそらくはです」
 ルリも予想を立てる。
「今ここにいるバッフ=クラン軍は主力の一つです」
「バッフ=クラン軍の主力の一つ」
「それだけの規模なのか」
「そうです。ですから」
 そしてルリの次の言葉jは。
「ここで彼等を叩けば以後の戦局に大きく影響します」
「そうですね。おそらくその主力は」
 ユリカもだった。その頭脳を働かせた。
「私達ロンド=ベルに対するものです」
「なら余計に叩いておいたら」
「暫くバッフ=クラン軍に悩まされることはない」
「それなら」
「決まりですね」
 また冷静に言うルリだった。
「彼等をあの場所で叩きましょう」
「よし、それなら」
「敵を誘い寄せて」
 こうしてだった。まずは六分戦い次のDSドライブに入った。そしてそれからあらためてその四番目の戦場での戦闘に入った。
 その中でだ。アランがベスに対して問う。
「何分だ」
「今度は八分だ」
 ベスはアランの問いにも答える。
「それだけかかる」
「そうか、八分か」
「しかしだ。居場所を知らしめるならばだ」
 バッフ=クラン軍にという意味である。
「十分以上だな」
「よし、わかった」
 それを聞いてだ。ベスはまず頷いた。
 そしてそのうえでだ。こう言うのだった。
「なら十二分でいいか」
「それ位だな」
「その十二分の間にポイントを派手に知らしめてくれ」
 そうしてくれとベスに告げる。
「いいか」
「わかった、ならそうする」
「そしてだ」
 それからだというのであった。
「彼等を引き寄せてそのうえで倒す」
「バッフ=クラン軍を」
「まずはここで戦う」
 しかしその前にであった。目の前の敵であった。
「それでいいな」
「よし、それなら!」
「ここでもやってやるぜ!」
 第四の戦場でも激しい戦いを繰り広げる。そして十二分後。
「DSドライブ発動させる!」
「よし、今だ!」
「行くわよ!」
 全員すぐにその第五のポイントに向かう。ものの見事にであった。
 辿り着いたそこは基地だった。アステロイドの中央のだ。
「ここで布陣するぞ」
「はい」
「すぐにですね」
「そうだ、すぐにだ」
 ブライトはこう全員に指示を出す。
「それでいいな」
「はい、それでは」
「すぐに」
 こうしてロンド=ベルはすぐに基地を中心としてアステロイドに布陣した。それからすぐだった。
「来ました」
「数にして三千万」
「四方八方から来ます」
「多いな、やはり」
 マシュマーが報告を聞いて述べた。
「敵の数は」
「あら、怖いっていうのかしら」
 そのマシュマーにキャラが笑いながら言ってきた。
「今更」
「それはない」
 マシュマーはそれは否定した。
「ただ、な」
「ただ?」
「ここで一つの決戦と思うとだ」
「緊張するっていうのね」
「数はガルラ帝国のことを思えばどうということはない」
 こう言うとだった。ゴットンも言ってきた。
「あれは桁外れでしたしね」
「あの世界の宇宙規模だったからな」
 そのガルラ帝国全軍を倒したのも彼等だった。
「だからだ。これだけの数でもだ」
「けれど三千万ですか」
「バッフ=クラン軍のおよそ五分の一だ」
 ギジェの言葉である。
「オーメ財団をも合わせてな」
「まさに主力」
「そういうことですね」
「イデノゲージがあがってきている」
 ギジェはそのゲージも見ていた。
「どれだけ激しい戦いになるか察しているのか」
「そうだろうな、今はな」
 コスモもそのギジェに対して告げる。
「三千万だからな」
「じゃあ戦いましょう」
 カーシャはもう戦いに目をやっていた。
「三千万でも戦わないと」
「そうよね」 
 ノリコがそのカーシャの言葉に頷いた。
「はじまらないわね」
「ノリコ、ここはね」
 カズミがそのノリコに声をかけてきた。
「宇宙怪獣と戦うのと同じよ」
「あの時とですか」
「数は問題ではないわ」
 敵の数はというのだ。
「それよりもね」
「私達自身が」
「そうよ、最後まで戦えるかどうか」
 カズミが今考えているのはこのことだった。
「それが問題なのよ」
「わかったわ、お姉様」
 ノリコはカズミのその言葉に頷いた。
「それなら」
「最後までよ」
「はい」
 あらためて彼女の言葉に頷く。そうしてだった。
「ガンバスターのこの力」
「見せてあげましょう」
「諸君!」
 タシロも叫ぶ。
「三千万、多くはない!」
「よし、楽に倒してやるぜ!」
「それなら!」
 こうしてだった。その三千万のバッフ=クラン軍との決戦に入るのだった。 
 バッフ=クラン軍は包囲し一斉に潰そうとする。しかしであった。
「照準はもう定めるな!」
「はい!」
 ホリスがリーの言葉に頷いていた。
「それよりもですね」
「撃て!弾幕を張れ!」
 これがリーの今の指示だった。
「そして敵を少しでも多く倒せ!」
「わかりました!」
「撃てるだけ撃て!」
 こうも言うのだった。
「いいな、そうしろ!」
「了解です!」
「敵が数で来るならだ」
 リーはハガネの一斉射撃を見ながら言う。その中で多くの敵が火の玉となっていた。
「こちらはだ」
「質だな」
「そうだ」
 ブレスフィールドにも言葉を返す。
「質では負けてはいない。むしろ」
「むしろか」
「勝っている」
 こうまで言うのだった。
「完全にな」
「それでか」
「この戦い勝つ」
 勝てる、ではなかった。これだった。
「間違いなくな」
「それではだ。今はだ」
「再び一斉射撃だ」
 また攻撃命令を出した。そうしてだった。
 前の敵を一掃する。そしてまた来た敵を倒すのだった。
「スーパー稲妻」
「キーーーーーーーーーーーーーック!!」
 ガンバスターが蹴りを放つ。それで敵をまとめて叩き潰していた。
 そしてドモンもだった。
「超級覇王!」
 そして放つ技は。
「幻影弾-------------ッ!!」
 それでやはり敵を粉砕していく。バッフ=クラン軍は万単位で粉砕されていた。
「な、何て奴等だ!」
「三千万の大軍を粉砕していく!」
「巨神だけではないのか!」
「私達を甘く見ないことね!」
 ノリコが狼狽する彼等に対して言う。
「三千万でも四千万でもね!」
「私達は敗れはしないわ!」 
 カズミもいた。
「何があろうとも!」
「この戦い、勝つわ!」
「くっ、それでもだ!」
「我等にも意地がある!」
 バッフ=クランの面々も下がろうとはしなかった。次々に攻撃を仕掛ける。
「伝説の巨神を手に入れる!」
「絶対にだ!」
「それならだ!」
 またドモンが動いた。
「この俺を倒してからにしろ!」
「ドモン!」
 そのドモンにレインが言う。彼女もライジングガンダムに乗っている。
「サポートは任せて!」
「レイン!」
「横から来る相手は私が引き受けるわ」
 言いながらその薙刀で敵を両断していく。
「だからね」
「済まない」
「ふむ、ドモン殿よ」
「波に乗ってるね」
 キメルとアレンビーも来た。
「この戦い、一つの正念場」
「だから余計になのかしら」
「いや、俺はどんな戦いであろうともだ」
 ドモンはその二人に対して告げる。拳で敵機を吹き飛ばしながら。
「全力で戦う。それだけだ」
「それだけか」
「そうなのね」
「そうだ。例えどうした戦いでもだ」
 彼は言うのだった。
「この拳を振るうのみ!」
「よし、さすればだ!」
「私達も!」
 キメルもアレンビーもだった。動いた。
 杖で敵を潰しフラフープで切り裂く。
「この程度の敵なぞ!」
「どれだけいても怖くはないわよ!」
 そしてイデオンもであった。
 イデオンガンを出す。そうしてだった。
「ギジェ、ゲージは?」
「充分だ」
 こうコスモに答えるギジェだった。
「マックスになっている」
「そうか、それなら」
「いけるわね、コスモ」
 カーシャも言ってきた。
「ここは」
「ああ、やるぞ!」
 コスモの声がうわずった。
「イデオンガン、発射だ!」
「これがイデの力なのか」
 ギジェはBブロック左座席で呟いた。
「何処まで恐ろしい力なのだ」
「いけーーーーーーーーーーーーっ!!」
 その攻撃が放たれてだった。また多くの敵が消えた。
 暫くするとだった。バッフ=クラン軍は消えていた。全機である。
「三千万の大軍がか」
「消えた」
「遂に・・・・・・」
 戦闘は一日続いた。その結果だった。
 戦場にいるのはロンド=ベルの面々だった。彼等以外にはいなかった。
「やりましたな」
「うむ」
 ダグラスはベンの言葉に頷いた。
「我々は勝った」
「バッフ=クラン軍の大軍との戦いに」
 勝ったというのだった。
「よし、それではだ」
「はい、まずは軍を集結させて」
「休息を取ろう」
 ダグラスもだった。一日かかった戦闘で疲労の極みにあった。
 それでこの指示を出した。そうして。
「その後でボアザンに向かうとしよう」
「わかりました」
「ダグラスさん、ですが」
 しかしここでだ。命が彼に言ってきた。
「今のこの場所ですけれど」
「何だ?」
「ボアザンと少し離れています」
 そうだというのだった。
「少し遠回りになってしまいますが」
「仕方ないな」
 ダグラスはそれを聞いて少し残念そうな顔になった。
「しかしそれでもだ」
「それでもですね」
「ボアザンに向かうしかない」
 こうスタリオンにも話す。
「多少の遠回りでもな」
「そうですね。その通りです」
 スタリオンもダグラスのその言葉に頷いた。
「それでは休息の後で」
「ボアザンに向かう」
 ダグラスはあらためて言った。
「その際だ」
「その際?」
「休息は無理に取らせる」
 これはベンへの言葉だ。
「それはいいな」
「わかりました」
「飲んだり騒いだりすることは許さん」
 ここを強調するダグラスだった。
「とにかく寝ろ」
「しかし宴会はどうしマスか?」
 スワンは少し真剣にこのことを尋ねた。
「恒例のそれは」
「その後だ」
 後だというのだった。
「休息の後だ」
「それからデスか」
「とにかく無理にでも休ませることだ」
 ダグラスはこのことを強調した。
「これからの為にだ」
「わかりました、それでは」
 ベンは敬礼と共にあらためて応えた。
「そうしましょう」
「さて、私もだ」
 ダグラスの顔が一気に疲れたものになった。
「休むとしよう」
「お疲れ様でした」
「あの悪ガキ共は絶対に寝かせる」
 誰なのかは最早言うまでもなかった。
「一日の戦闘は疲れるからな」
「そうですね。本当に」
 応える命もかなりの疲労が見られた。
「それじゃあ今は」
「当直以外は休息を取れ」
 具体的な指示だった。
「いいな、すぐにだ」
「はい、戦闘終了」
 命がこのことを告げる。
「皆さんゆっくりと休んで下さい」
 こうしてバッフ=クラン軍との激しい戦いは終わった。そうして戦士達は今は穏やかな休息に入るのだった。次の戦いに備えて。


第四十二話   完


                         2010・7・28 
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