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スーパーロボット大戦パーフェクト 完結篇

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第三十三話 メモリー=オブ=グローバル

           第三十三話 メモリー=オブ=グローバル
「戦いは終わったのにな」
「ああ」
「まさかアルトがねえ」
「大丈夫みたいだけれど」
「ああ、命に別状はない」
 フォッカーがそれを保障する。
「怪我もないようだ」
「そうなんですか」
「それならいいですけれど」
「それでランカちゃんも」
「勿論怪我はない」
 フォッカーはそれも保障した。
「それじゃあ行くか」
「探索ですね、それじゃあ」
「今から」
「ゼントラーディの人達も協力してくれるそうですよ」
 レトラーデがここでこう話した。
「あの人達も」
「えっ、そうなの」
「それは心強いですね」
「はい、そうです」
 こう皆に話すのだった。
「有り難いことに」
「何か凄いことになったよな」
「っていうかあの人達普通にいい人達なんじゃ」
「そうよね」
「協力してくれるなんて」
「当然のことだ」
 ここでオゴタイが出て来た。
「諸君等に協力するのは」
「当然なんですか」
「それって」
「歌を聴かせてくれた」
 最初に言うのはこのことだった。
「それにだ。暴動も抑えてくれた」
「それもですか」
「それで」
「そうだ、それでだ」
 また話すオゴタイだった。
「君達に協力させてもらおう」
「有り難うございます、それじゃあ」
「是非」
 こう話してだった。ゼントラーディも捜索隊を出した。残った面々はここでまた話す。
「それでシェリルさんはどうなったんだ?」
「シェリルさん?」
「あの人?」
「そう、あの人どうなったんだ?」
 シンがここで皆に尋ねる。
「風邪か何かで倒れたんだろ?確か」
「ああ、そうらしいけれどな」
「何か」
「それもかなりの高熱らしいけれど」
「大丈夫なのかよ」
 それを問うシンだった。
「それで」
「とりあえず安静らしいわ」
 今言ったのはメイリンだった。
「けれど命とかそういうのはないらしいから」
「そう。ならとりあえず安心ね」
 それを聞いてほっとした顔になるツグミだった。
「熱だけなら」
「しかしシェリルさんもな」
「無理し過ぎなんじゃ」
「そうよね」
「かなりね」
 皆今度はシェリルの話もする。
「いつも物凄く忙しいし」
「それでもずっと努力する人だし」
「あれでね」
「だからこんな時には」 
 こうなるというのである。
「そうなるってことか」
「つまりは」
「体調管理もしっかりしないとな」
 そしてエイジも言った。
「やっぱりそれが大事だからな」
「あんた風邪ひくの?」
 そのエイジにアスカが問うた。
「そもそも」
「ああ、ちゃんとひくぜ」
「何とかは風邪ひかないっていうけれど」
「何っ!?」
 また売り言葉に買い言葉だった。
「今何て言ったよ」
「馬鹿って言ったのよ」
 アスカもこう返す。
「あんたにね」
「手前、言うにこと欠いてよくも」
「何度でも言ってやるわよ。馬鹿は風邪ひかないのよ」
 また言うアスカだった。
「絶対にね」
「どうやら死にたいらしいな」
「死ぬ!?馬鹿こそ死になさいよ」
「俺は馬鹿じゃねえ!」
「いいえ、馬鹿よ」
 また言うアスカだった。
「それ以外の何だってのよ」
「やっぱり死ね!」
 こうして闘いに入る両者だった。待っている面々もそんな感じだった。
 この中でだ。マヤはモニターの前に座って報告を聞いていた。
「どうやらここにいるな」
「そこにですか」
「ああ、このジャングルにな」
 報告していたのはハヤトだった。
「いるみたいだな」
「アルト君からの連絡通りですね」
「すぐに細かい捜索に入るな」
「はい、御願いします」
「バルキリーは破損してるみたいだったな」
 カイも言ってきた。
「そうだったな、確か」
「はい、そうです」
 マヤもその通りだと答える。
「その通りです」
「そうか、それなら」
「この辺りをじっくりと調べさせてもらうよ」
「戦闘機はこうした時結構面倒だからな」
 スレッガーもいた。
「小さいから目立たないからな」
「そうなのよね。モビルスーツ以上に」
 セイラも言う。
「小さいから」
「まあレーダーもかけてるからな」
 それも忘れていなかった。
「さて、調べるか」
「ああ、そうだよな」
「それじゃあ」
 こう話してだった。彼等は捜索に入った。そしてだ。
 もう一組マヤに通信を入れてきた。
「ジャングルに入ったからな」
「今から捜索に入るわ」
「それでいいわね」
 霧生とレトラーデ、それにミスティであった。
「アルトとランカちゃんな」
「今から探させてもらうわ」
「私達もね」
「はい、御願いします」
 マヤは彼女達にも頼むのだった。
「そういうことで」
「ああ、他には誰かいるか」
「私達の他にジャングルに入ったのは」
「誰かいるかしら」
「カイさん達が」
 マヤは彼等だろ正直に話した。
「入られました」
「そうか、じゃあ」
「私達もね」
「今からね」
「アルト君もですね」
 ここでまた話すマヤだった。
「ひょっとしたらバルキリーから離れているかも知れませんから」
「ああ、それはな」
「確かね」
「有り得るわね」
 三人もその可能性を否定しなかった。
「それならな」
「本人達も探さないとね」
「バルキリーだけでなく」
「多分そんなに離れていないと思います」
 マヤはこうも話した。
「バルキリーから」
「それならいいがな」
 そんな話をしてだった。アルト達の捜索が行われていた。その時彼等は。
 今水を浴びていた。アルトは紫のトランクス一枚になってだ。そのうえで頭から水を被っていた。
「この水はな」
「どうしたの?」
「飲まないと大丈夫だからな」 
 こう言うのである。
「飲まないとな」
「それ以外はなのね」
「水質チェックはしたからな」
 そのうえでの言葉だった。
「だからな」
「そうなの」
「ああ。それにしても」
「それにしても?」
 ここで話が変わった。
「何だな」
「うん」
「あのマクロス」
「グローバル艦長の乗ってるのと同じタイプ?」
「ああ、第一世代のだ」
 その時のものだというのである。
「それでも随分年代が経ってる感じだな」
「どうしてあそこにあるのかしら」
「さてな」
 アルトにもそこまではわからなかった。
「ただな」
「ただ?」
「ガリア4に駐留しているゼントラーディ軍も知らないみたいだしな」
「そうよね。それは」
「ゼントラーディもここに来て日が浅いらしいしな」
 このことはもう知っているのである。
「それでも。あんなのがあるなんてな」
「ええ。有り得ないかしら」
「有り得ないことじゃないさ」
 アルトはそれはそうではないという。
「けれどな」
「けれど?」
「何であれを最初に見た時あんなに騒いだんだ?」
 彼が今言うのはこのことだった。
「それは何でなんだ?」
「御免なさい、自分でも」
「わからないか」
「ええ」
 こう答えるランカだった。
「私。そうした記憶は」
「ないか」
「そうなの。だから」
 また言うランカだった。
「だから」
「そうか」
「自分でもどうしてかわからないの」
 こうも話す。
「そうした記憶がないのは」
「思い出す必要がないからだろ」
 アルトはそのことはこう言ってフォローした。
「それはな」
「そうなの。だから」
「そうさ。よしっ」
 ここでだ。水を浴び終えた。
 そうして身体を拭く。しかしこの時だ。
 ランカはだ。こう彼に言ったのである。
「あの」
「あの?」
「髪くくらせて」
 こう言ったのである。
「アルト君のその髪」
「これか」
「そう、それくくらせて」
 これが彼女の今の願いだった。
「それは駄目かしら」
「いや、頼む」
 それを受けてのアルトの言葉だった。
「それじゃあな」
「ええ、じゃあ」
 こうしてだった。アルトは座りランカはその髪を後ろからくくった。そうしてそれからだった。アルトはそのランカにこうも言ってきたのである。
「しかし御前な」
「私?」
「ああ、びっくり箱みたいな奴だな」 
 微笑んでの言葉だった。
「本当にな」
「びっくり箱?」
「最初に会った時からな。何をするかわからないからな」
 こう彼に言うのである。
「本当にな。凄い奴だよ」
「私は別に」
「この後でコンサートもあるんだろう?」
「ええ」
「間に合わせるからな」
 こうランカに言うのである。
「楽しみにしてろよ」
「うん、有り難う」
「バルキリーも思ったより故障が少ないしな」
「そうなの」
「ああ、充分飛べる」
 こう言うのであった。
「充分な」
「そう、よかった」
「じゃあまずはバルキリーに乗って」
「帰るのね」
「帰らないとはじまらないだろ」
 だからだというのだ。
「そうだろ?それは」
「そうね、確かに」
「だから戻るぞ」
 また微笑んだ声を出すアルトだった。
「それじゃあな」
「ええ、じゃあ」
 こんな話をしてからだ。バルキリーに戻る。しかしここでだ。
 服を着たアルトにだ。ランカが赤い顔で言ってきた。
「あの」
「あの?」
「ちょっと」
 こう言ってきたのである。
「いいかしら」
「どうしたんだ?」
「すぐに戻るから」
 俯いた顔での言葉だった。
「だからね」
「おい、離れたらまずいぞ」
 アルトはここでは鈍感だった。
「そんなことをしたら」
「違うわよ」
 しかしここでだった。ランカは言うのだった。
「それは、その」
「その?」
「トイレなの」
 顔を真っ赤にしての言葉だった。
「それでなの」
「そ、そうか」
「すぐに戻るから」
 ランカはまた言った。
「それじゃあ」
「ああ」
 こうしてだった。ランカは茂みに向かった。ジャングルの中には緑の蜥蜴や二本足の二足動物もいる。しかしその他は至って平穏だった。 
 だがその平穏はだ。突如として崩されてしまった。
「!?ランカ!」
 ランカの悲鳴を聞いてだ。銃を手にそちらに向かう。しかしそこに彼女はいなかった。
「まさか・・・・・・」
 目の前にあるそのマクロスを見てだ。アルトは何かを直感していた。
 その頃シェリルはだ。カーテンの中で着替えていた。その彼女に背を向けたままだ。ミシェルが彼女に対して言うのであった。
「どうしてもか?」
「ええ、風邪はなおったから」
 シェリルは着替えながら答える。
「行くわ」
「そう、行くのか」
「絶対にね。ただ」
「今度は何だ?」
「悪いわね、残ってもらって」
 今度はミシェルへの言葉だった。
「自分もアルトは探したかったんでしょ?」
「否定はしないさ。けれどな」
「けれど?」
「命令だからな」
 だからだというのだった。
「これもな」
「だからいいの」
「仕方ないな。それでな」
「ええ、それで?」
「今から行ってだ」
 ミシェルはそこから話した。
「マネージャーには言ってるのか?このこと」
「言ってると思う?」
「いいや」
 言葉だけで首を横に振ってみせた。
「そうは思えないな」
「じゃあそう思っておくといいわ」
「どうしても行くんだな」
「ええ、何があってもね」
 この言葉と共にだ。カーテンを開いた。見れば今のシェリルはパイロットスーツを着ていた。その見事な体型がスーツに完全に覆われている。
「行くわよ」
「若しマネージャーに言ったら?」
「殺すわよ」
 これが返答だった。
「言っておいたわ」
「そうか、わかったよ」
「そういうことよ」
「それはわかったさ。ただ」
「ただ?」
「操縦はできるのか?」
 今度聞くのはこのことだった。
「それはどうなんだ?」
「できるわ。ちゃんと授業で習ってるじゃない」
「本当に強気だな」
「やれることを絶対にやり遂げる」
 シェリルの言葉がさらに強いものになった。
「それが私だからね」
「やっぱり強いねえ」
「わかったら行くわよ」
「ああ、それじゃあな」
 こうして二人も行くのだった。しかし二人が出てすぐにだった。  
 そのミシェルにだ。オズマから通信が入ってきた。
「御前はこのまま捜索を続けてくれ」
「何かあったんですか?」
「また敵軍が来た」
 こうミシェルに話すのである。
「今度はバッフクランだ」
「連中ですか」
「そうだ、五十万だ」
 数も告げられた。
「それで捜索隊は御前だけにしてだ」
「そのうえで今からですね」
「わかったな」
「了解」
 こう元気よく返すミシェルだった。
「そういうことで」
「二人を頼んだ」
 オズマの今度の言葉は明らかに本音だった。
「それじゃあな」
「はい、そういうことで」
 こう話してだった。ミシェルはそのまま捜索隊に残った。ロンド=ベルはそんな話をしているうちにだ。バッフクラン軍と対峙していた。
 そのうえでだ。総攻撃にかかっていた。
「くそっ、今大変なのに!」
「アルトがいるのにな!」
「ここで来るか!」
「貴様等の事情は知らん」
 ギジェが指揮官だった。
「だが、だ」
「何だってんだ?」
 この彼にコスモが言い返す。
「今度は一体」
「その巨神」
 彼が見ているのはイデオンだった。
「一体何処まで。ゲッターの力も気になるが」
「イデオンがどうしたのよ」
「やはりかなりの力があるな」
 こう言うのであった。
「イデの力というものは」
「それがどうかしたのよ」
 カーシャは気の強い言葉で彼に返す。
「あんたに関係あるの?それが」
「関係はない」
 こうは返すギジェだった。
「しかしだ」
「しかし?」
「いや」
 コスモの問いにだ。言葉を一旦打ち消した。
 そしてそのうえでだ。また言うのだった。
「何でもない」
「何よ、一体」
 カーシャはむっとした顔で返す。
「何が言いたいのよ」
「それはともかくとしてだ」
 モエラがここで言ってきた。
「まずはこの連中との戦いを終わらせないと」
「アルト達のことね」
「やっぱり気になる」
 モエラは彼等のことを気にかけていたのである。
「だからここは」
「そうだな」
 コスモがその言葉に頷いた。
「やっぱりここはな」
「それを優先させたい」
「そうね。私も」
 カーシャも頷く。イデオンとしてはそれで決定だった。
 そしてだ。イデオンはだ。
 一歩前に出る。そのうえで前の敵を叩く。
「よし!」
「一気に叩くわよ!」
 こう話してだ。そのまま敵を倒していく。
 その戦いの中でだ。ロンド=ベルはバッフクラン軍と戦っていく。
 そしてその時だ。ブレラはだ。
「いいかしら」
「?」
「今戦闘中ね」
「そうだ」
 謎の通信の声に応えていた。戦闘中にだ。
「今はだ」
「そう。それじゃあ今はいいわ」
「今はか」
「ええ、そちらに専念して」
 こう言うのである。
「今はね」
「それでどうするんだ?」
「後で頼むわ」
 こう言って今は通信を切るのだった。だが彼が誰かと話をしていたのは確かだった。
 グレイスは一人でジャングルにいた。そしてだ。
 人間とは思えない跳躍を見せてそのマクロスのところに行ってだ。そうしてそのうえでマクロスの前に来て。右手を伸ばすと異様な触手が数本出て来た。
 そしてその右手の触手を中に入れてだ。何かをしようとしていた。
 アルトはマクロスの中にいた。そしてそこで見たものはだ。
「何だ、ここは」
 研究室らしきものの中を見てだった。そこは。
「最近使われたばかりなのか?ここは」
 そしてだ。バジュラの標本も見た。水槽の中のだ。
「何でこんなものまで」
 その次はだ。
 何と今度はランカの写真だ。誰かと一緒だ。それを見てまた言った。
「ランカ!?まさか」
 ランカのことも思い出したのだ。彼女がいた第百十七捜索船団だ。彼女以外は消息を絶ったというだ。その船団を思い出したのである。
 すると目の前のボードに書いてあった。その数字がだ。
「第百十七・・・・・・。このマクロスが」
 彼は気付いたのだった。
 ランカもだ。気付くとそこは。
 何か幻想的な場所だった。蓮を思わせる葉の上にいた。そして前には。
 バジュラがいた。そのうえで虫、それも水棲のものを思わせる卵を産んでいた。ランカはそれを見てあることを悟ったのである。
「そう、ここで」
「おい、ランカ」
 アルトの通信が入った。
「生きているのか!?大丈夫か!?」
「う、うん」
 すぐアルトに答えるランカだった。
「大丈夫だけれど」
「場所はわかった」
 その通信からである。
「今すぐそこにいる」
「バルキリーで?」
「そうだ、今行く」
 バルキリーはマクロスの前に置いていた。いざという時に準備しておいたのだ。
「そこにだ」
「ええ、けれど」
「けれど?」
「気をつけて」
 こうアルトに言うのだった。
「ここにはバジュラが卵を産んでるから」
「マクロスの中にか!?」
「うん、だから」
 気をつけてというのである。
「それは」
「わかった、それじゃあだ」
 すぐにその廃棄されたマクロスから出てバルキリーに乗る。そのうえでランカを救いに向かおうとする。しかしその前にだった。
「ちっ、出て来たか!」
「どうしたの?」
「バジュラだ!」
 ランカの問いに答える。彼の前にバジュラの大軍がいたのだ。
「バジュラの大軍だ!」
「バジュラの!?」
「この連中が先だ!」
 こう言うのだった。
「済まない!」
「いえ、いいわ」
 ランカはそれはいいとした。
「けれど」
「けれど、何だ?」
「死なないで」
 アルトに言う言葉はこれだった。
「絶対にね」
「ああ、わかってる」
 強い言葉での返答だった。
「それはな」
「ええ、絶対にね」
「くっ、それにしても」
 ランカとの通信を一旦切るとだった。目の前のその大軍と戦う。
 確かにアルトも善戦した。しかしだった。
「何て数だ」
 こう言って歯噛みするのだった。
「この数だと」
「おい、アルト」
 しかしだった。ここでだ。
 ミシェルから通信が来たのである。
「生きてるか!?」
「ミシェルか」
「ああ、俺だ」
 こうアルトに返す。
「どうやら生きてるみたいだな」
「何とかな」
「私もいるわよ」
「何っ、その声は」
「そうよ、私よ」
「シェリル、まさか」
 驚いた顔での言葉になっていた。
「風邪はどうなったんだ?」
「そんなのもう治ったわよ」
 いつもの調子で返したのだった。
「もうね」
「もうか」
「そうよ、もうね」
「よく言うよ」
 ミシェルは彼女の前に苦笑いしていた。
 そうしてだ。そのうえで言うのだった。
「しかしあいつの周りは」
 まずはシェリルを思い出し。次にランカだった。
「頑固な女ばかり集まるな」
 こう思ったところでクランも思い出してだ。戸惑いも覚えた。
 だが二機になった。それで助かりはした。
 しかしまだ数は多い。しかもであった。
 海からバジュラの戦艦が次々と出て来たのだ。
 それを見て一人グレイスは笑っていた。
「まずはこれでいいわ。これでね」 
 こういい残して何処かに消えた。その彼女の行方をわかっている者は一人もいなかった。当然ながらその行動についてもである。
 バッフクランとの戦闘はだ。そのバジュラの大軍の登場によって中断されてしまった。
 バッフクラン側がだ。狼狽しだしたのだ。
「ここでこの数は」
「まずい」
「確かに」
 まず将校達が狼狽しだした。そしてだ。
 指揮官であるギジェに対して言うのだった。
「閣下、ここは」
「やはい」
「既に数も半数を切っています」
「このままでは」
「わかっている」
 こう返すギジェだった。
「ここはだ」
「はい、撤退しかありません」
「やはり」
「あの敵。バジュラといったな」
 彼等のことはもうわかっていたのだ。
「ここで彼等と戦うわけにはいかない」
「はい、それでは」
「今は」
「そうだ、撤退する」
 こう決断を下したのである。
「いいな」
「はい、それでは」
「今より」
「全軍撤退だ」
 こうしてだった。バッフクラン軍は撤退していった。残るロンド=ベルはだ。
 そのままバジュラの大軍と戦いに入る。しかしだった。
「何だ、この数は」
「これだけの大艦隊がここにか」
「来たってのかよ」
「いや、これは」
 ここでオゴタイが言ってきたのだった。
「どうやら違う」
「違う!?」
「というと」
「このガリア4にいたのだ」
 こうロンド=ベルの面々に話すのである。
「だからこそここに」
「これだけいたんですか」
「そうだったんですか」
「そうだ、だからだ」
 それを聞いてだ。ロンド=ベルの面々はその掃討ををはじめようとする。それと共にだ。
「アルトだ!」
「アルトは!?」
「無事か?」
「ああ、俺はだ」
 返事が返って来た。
「何とかな」
「そうか、よかった」
「じゃあランカちゃんも」
「いや」
 しかしだ。ここでアルトは言うのだった。
「敵の中だ」
「敵!?」
「どういうことなんだ、それって」
「そうだ、詳しい話は後だ」
 まずはこう言ってからだった。そしてだ。
「とにかく今はだ!」
「あれだな」
 ここで言ったのは何とブレラだった。
「あの巨大な戦艦の中だな」
「何っ、わかるのか!?」
「何となくだがな」
 こうアルトにも答える。
「わかる」
「そうなのか。実はランカはだ」
 敵の中でだ。とりわけ巨大な、異様なシルエットの戦艦を指し示しての言葉だった。
「あの中だ」
「ア=バオア=クーみたいだな」
「そうですね」
 そのシルエットを見てスレッガーとセイラが言った。
「そういう感じですよね」
「そうだな」
「そしてあそこにか」
 オズマの言葉だ。
「ランカがか」
「はい、そうです」
「大体わかった。それならだ」
 オズマのバルキリーがここで前に出た。そうしてた。
「行くぞランカ!」
「えっ、隊長」
「一体何を」
「知れたことだ!」
 こうミシェルとルカに答えるのである。
「ランカは俺が救い出す!」
「そんな、相手はあのデカブツですよ」
「無茶過ぎます!」 
 ミシェルもルカも何とか彼を止めようとする。しかしだった。
 オズマは速かった。止めることは無理だった。
「ランカ、今行くぞ!」
「隊長!」
「アルト、ここは任せろ!」
 アルトの言葉も今は意味がなかった。
「俺が行く!」
「お、おい何なんだよ」
 アルトも今の事態には唖然となる。
「隊長がランカを大事にしてるってのはわかってたけれどよ」
「そうだな、それでもな」
「これは。かなり」
 ミシェルもルカも唖然となるばかりだった。
「しかし。これは」
「また極端過ぎます」
「おい、まずいぞ」
 ヘンリーもここで言ってきた。
「この状況はだ」
「ええ、隊長が」
「危険です!」
「助けに行くぞ!」
 ヘンリーはそのバルキリーを駆った。
「今すぐにだ!」
「はい!」
「それじゃあ!」
「これはまた」
 カナリアも今の事態には呆然としていた。
「変なことになったわね」
「そうだな。だがだ」
 クランがカナリアのバルキリーの横に来た。
「ここはやるぞ」
「はい、それでは」
「我々も」
 ネネとララミアも頷く。そうしてだった。
「行きましょう」
「私達も」
「オズマだけで行かせてはならん!」
 クランは今は戦友を助けることに専念していた。
「いいな!」
「はい!」
「了解です!」
「こうした時これは便利ね」
 カナリアは己が乗るモンスターを駆っていた。
「機動力もあるから」
「確かにそうですよね」
「そのケーニッヒモンスターは」
 マックスと柿崎も続いている。
「普通のモンスターって機動力がありますから」
「俺達のデトロイトってそれがありませんからね」
「あれはあれでいい機体ばかりなんだがな」
 フォッカーはどちらかというとデトロイトを庇っていた。
「しかしな。機動力は確かにないからな」
「それが難点ですね」
 ミリアもここで言う。
「どうしても」
「そうだな。けれどあのケーニッヒモンスターは違う」
 輝は少し羨ましそうだった。
「特にこうした時は」
 彼等は時としてデトロイトに乗る。それでこうしたことも考えられるのだ。
 その時だ。ブレラにまた通信が入って来た。
「いいかしら」
「何だ?」
「ランカ=リーだけれど」
「今から救い出す」
「その身柄を全力で確保すること」
 こう言ってきたのである。
「しかし」
「しかし?」
「それが不可能ならそれをしなくてもいいわ」
「いいのか」
「それはそれでやり方があるから」
 これがブレラへの言葉だった。
「わかったかしら」
「ランカは俺が護る」
 ブレラはこう声の主に返す。
「それは言っておく」
「好きにするといいわ。ただし命令は伝えたわ」
「わかった」
「その為に貴方はここにいるのよ」
「このロンド=ベルに」
「そうよ。そして」
 さらに言うその主だった。
「いいかしら」
「わかった」
 それに頷きだった。バジュラとの戦いに向かう。その彼にまた言う声だった。
「そして」
「そしてか」
「既にスイッチは押しておいたわ」
 こう言うのである。
「ここでも戦いはもう少しよ」
「惑星ごと滅ぼすか」
「ええ、そうよ」
 こう話してだ。通信を切った。そうして。
 十分程してだ。それが来た。
「何だありゃ」
「黒い衝撃波!?」
「爆発か!?」
「いや、違う!」
 それを見てだ。全員に動揺が走る。
「ブラックホールみたいなものだ」
「あれに飲み込まれたらそれでは」
「惑星ごと」
「おい、どうする!」 
 ここでゴウが叫んだ。
「ここはだ、どうすればいいんだ!」
「わからない。けれど」
「このままじゃ」
 ケイとガイも言う。
「私達も」
「巻き込まれるぞ」
「そんなことになってたまるか!」
 ゴウがここで激昂する。
「俺達だけじゃない!この星にいるゼントラーディの人達だって生き物達だっているんだぞ!」
「じゃあどうするの?」
「ここは」
「ゲッターだ!」
 彼は言った。
「この真ドラゴンの力でだ!やってやる!」
「よし、それなら!」
「今はな!」
「行くぞドラゴン!」
 こう真ドラゴンに対して叫ぶ。
「いいな、このままだ!」
ええ、それじゃあ」
「今からな!」
 真ドラゴンを突き進ませてだ。そうして。
 その黒い衝撃波に対してだ。真ドラゴンの力を放った。
「これで!」
「これなら!」
「やれるか!」
 ゲッターの力を全て放出せんとする。
「真ドラゴン!いけえええええーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
 その力を放って一気に衝撃波と消したのだった。だが。
 真ドラゴンはそれで力を失いだ。大地に落ちていく。
「おいゴウ!」
「大丈夫!?」
「あ、ああ」
 ゴウは仲間達に対して答えた。
「何とかな。まだ少し位なら飛べる」
「よし、それなら」
「今は下がれ」
「いいな」
「ああ」
 こうして真ドラゴンは下がった。そのうえでだった。
 衝撃波は消した。しかしここで。
 バジュラ達がだ。宇宙に出て行ったのだ。
 あの巨大なバジュラもだ。宇宙に行く。
「ちっ、追え!」
「逃がすな!」
 全員でこう叫ぶ。
「宇宙だ!」
「宇宙に!」
「しかしそれでも」
「一旦シャトルを使わないとここは」
「宇宙に出られませんが」
「いや、待ってくれ」
 だがここでレオンが言ってきた。
「一つ方法がある」
「方法が?」
「ありますか」
「はい、あります」
 また話すレオンだった。
「フェードアウトを使い一気に」
「行きますか」
「このまま」
「そうだ、それで行く」
 こうしてだった。彼等は一旦集まった。そうしてである。
「フロンティアごとフェードアウト」
「それですね」
「今から」
「それによってバジュラの前に出ればいい」
 これがレオンの考えだった。
「わかったな」
「はい、それでは」
「今より」
 こう話してだった。まず姿を消すのだった。しかしだ。
 アルトはその中でだ。苦い顔をしていた。
「あの戦艦の中に入ってだ」
「ああ、やろうぜ」
「ランカちゃんを」
 ミシェルとルカが彼に言う。
「絶対に助け出せよ」
「先輩、本当に」
「わかっている」
 アルトも二人のそのことばに頷く。
「絶対にそうしてやる」
「わかっているならいい」
「やりますよ」
「絶対にそうするのよ」
 ここでシェリルも彼に言ってきたのだった。
「いいわね、ランカを助けなさいよ」
「絶対にか」
「失敗したら許さないからね」
 こうも言うのであった。
「その時は覚悟しなさい」
「ああ、わかってる」
 それもだというのだ。アルトも本気である。
「それならな。今からな」
「そろそろフェードアウトだ」
「いよいよですね」
「いいか」
 無理に止められて今ここにいるオズマがここで言う。
「奴等の前に来たらすぐにだ」
「ええ、すぐに」
「絶対に」
「ランカを助け出す」
 また話す彼等だった。
「いいな」
「俺が行きます」
 アルトはここでも名乗り出る。
「そして絶対に」
「いや、俺が行く」
 だが今度はオズマも引かない。
「そしてランカを救う」
「いえ、俺です」
 何とアルトも引かない。
「俺が行きます」
「何かな」
「そうですね」
 また言うミシェルとルカだった。
「次の戦いもな」
「熱くなりますね」
「熱くて構わん!」
 オズマはやはり普段の冷静なオズマとは違っていた。
「ランカの為だ!」
「そうだ!」
 そしてそれはアルトもだった。
「ランカの為なら!」
「何時でも行ってやる!」
 こう叫んでだ。フェードアウトから出た。そこは。
 宇宙空間だった。そこに彼等もいた。
「すぐに決戦だな」
「そうなるわねえ、ここは」
 ボビーはグローバルの言葉にすぐに頷いた。
「ここは」
「うむ、ジェフリー君」
「はい」
 ジェフリーも応えて頷く。
「決戦だな」
「思わぬ戦いですが」
「それでもだ」
 こう言ってだった。いよいよであった。
「決戦に赴くぞ」
「いいな、諸君」
「ああ、言われなくてもな!」
 ここでも真っ先に叫ぶアルトだった。
「ランカ、今から行ってやる!」
「先に俺が助け出す」
 何気にオズマも言う。
「いいな」
「ええ、じゃあ先を争う形になりますが」
「行くぞ」
 そしてだ。二人に続いてだ。
「俺もだ」
「何っ!?」
 ヘンリーは彼の姿を見て驚きの声をあげた。
「御前もかよ」
「行かせてもらう」
 誰もが意外に思った。ブレラも出て来たのだ。
「それでいいか」
「ま、まあな」
「助っ人の数は多い方がいい」
 ヘンリーに続いてクランも一応こう言った。
「しかし。御前がか」
「おかしいか」
「意外だからな」
 実際にこう話すヘンリーだった。
「普段は冷静に動くからな」
「俺は冷静だ」
「そうか?」
「そうだ、冷静だ」
 こう言うだけであった。
「だから安心していてくれ」
「ならいいがな」
「では総員出撃だ」
 クランはあらためて全員に告げた。
「幸い全員コクピットに乗ったままだ。すぐに行くぞ」
「はい、それじゃあ」
「今から」
 こう話してだ。全員で出撃する。戦いは宇宙でも行われるのだった。


第三十三話   完


                          2010・6・4
  
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