| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

仮面ライダー エターナルインフィニティ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十二話 知略その六

「僕達は基本的に受けてだよ」
「そういうの性に合わないけれど」
 見ればアリアの顔はむくれている。
「攻める方がね」
「敵の拠点がないからな」
 キンジはこのことを指摘した。
「完全なゲリラ相手となると」
「だからゲリラは嫌いなの」
 アリアはこうも言う。
「こっちが受身になるから」
「そうなのよね。相手の拠点がわかればそこを攻めればいいけれど」
 このことは理子も指摘する。
「けれどそれがないとね」
「こっちは来た奴を迎え撃つしかないのよ」
「それが厄介よね」
「全く。こうしてちまちま倒すのって」
「まあそれもこれからの展開次第だから」
 小野寺はむくれるアリアにこう声をかける。
「結局のところはスサノオの名乗りからだよ」
「わかったわ。じゃあ戦いも終わったし」
 アリアは小野寺のその言葉を受けながら話題を変えた。
「とりあえずだけれど」
「うん、どうするのかなこれから」
「食べるものも食べたし」
 先程の蕎麦に桃饅だ。だからもう腹は減ってはいない。
「学校に戻ろうかしら」
「今日お休みだけれど」
 生徒会長でもある白雪が言ってきた。
「土曜だから」
「あっ、そうだったわね」
「部活ならあるけれど」
「部活ね」
「アリアは何か入っていたの?」
「ええと、そういえば」
 アリアは白雪の今の問いに首を捻ってしまった。言われてみればだった。
「入ってたかしら」
「自分のことなのに覚えてないの?」
「入学してからばたばたしてて今もグロンギとの戦いがあってだから」
 つまり忙しかったというのだ。
「入ってなかったと思うわ」
「だったら学校に行っても」
「そうなのよね。じゃあどうしようかしら」
「私の方も部活はお休みだから」
 白雪の所属する部活もだというのだ。
「学校に行ってもね」
「特にすることがないっていうのね」
「キンちゃんと一緒に何処かに行くのなら」
 白雪はここでキンジをちらりと見た。
「いいけれど」
「却下」
 即座に理子が止める。
「キンちゃんは私と一緒にデートをするのよ」
「ちょっと、何でそうなるのよ」
「だって私キンちゃんの彼女だから」
「それを言ったら私は許婚よ」
 二人はそのキンジを挟んで顔を突き出し合って言い合う。
「もう子供の頃から一緒だから」
「あら、そういうのは歳月じゃないわよ」
「じゃあ何っていうのよ」
「深さよ」
 それだというのだ。
「深さの問題なのよ」
「深さでも私は」
「勝てるっていうの?私に」
「勿論よ」
 白雪はキンジの右腕を両手で抱き寄せて言った。
「私達の絆に勝てる人はいないから」
「それを言ったら私だってね」
 理子も理子でキンジの左腕をその両手で抱き寄せる。
「キンちゃんのこと何でも知ってるから」
「それは私の言葉よ」
「私だから」
「とにかくだ」 
 こうしたことには全く動じない門矢が言ってきた。アリアもアリアでそこに参戦しようとしていた矢先にだった。
「何も行くところが見当たらないならだ」
「はい、一体」
「何ですか?」
「写真館に来るといい」
 門矢は武偵達を自分達の居場所に誘ったのだった。
「コーヒーとお茶菓子ならある」
「士さん達のお家にですか?」
「家と言えば家になるか」 
 こう白雪に返す。
「とにかくどうする」
「そうね。私も丁度喉が渇いたし」
 アリアが最初に答える。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧