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ソードアート・オンライン stylish・story

作者:黒神
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第二十八話 会合

 
前書き
更新が遅れて申し訳ありません!!

では!どうぞ!! 

 

「どうする・・・貴様もやるか?」

キリトとシュウが二人のサラマンダーを倒し、しばらくの沈黙が走った。
しかしサラマンダーが何時になっても答えないため、シュウが再び尋ねると我に返ったのか答えた。

「やめておくよ。君達二人を相手にするには無謀すぎる。それに、もうちょっとで魔法スキルが900なんだ、死亡罰則(デスペナ)が惜しい」

このサラマンダーが投降するのも無理は無かった。自分の仲間をあっさり倒してしまったキリトとシュウを同時に相手にするのは命知らずがやる事だと思って良いだろう。

「正直な人だな」

「君はいいのか?」

キリトはサラマンダーの素直な返答に心を緩めた。
それに対してシュウはシルフの女の子に尋ねるがその娘も戦闘の意思が無い事を告げる。

「あたしもいいわ。今度はきっちり勝つわよ」

「君ともタイマンでやるのは遠慮したいな」

それだけを言い残すと赤い羽を羽ばたかせ、その場から居なくなった。それに伴って二つの赤い炎・・・さっき倒したサラマンダーの意識が完全に消えた事を確認したシルフの女の子はキリトとシュウに尋ねる。

「それで、あたしはどうすれば良いのかしら。お礼を言えばいいの?逃げればいいの?それとも・・・戦う?」

「俺達は別にお嬢さんと戦うために助けた訳じゃねぇよ。女の子相手に大人数でかかってきたアイツ等が気に食わなかったから助けた・・・それだけだ」

ギザっぽく答えているシュウに対してキリトは・・・

「俺的には正義の騎士が悪者からお姫様を助けたっていう場面なんだけどな」

「「・・・はっ?」」

キリトのおとぎ話の様な会話に二人は呆気を取られたような表情を浮べた。

「普通ならお姫様が涙ながらに抱き付くって場面な筈だしな」

「おいおい・・・そりゃ夢見過ぎだろ?ガキか?お前は」

シュウは頭を抱えて、キリトに反論するがキリトが突っ掛かって来た。

「冗談が通じないな、シュウは。それならシュウの英語を入れて話しているあれの方がよっぽど厨二っぽいぞ!!」

「んだと!!」「なんだよ!!」

キリトとシュウの漫才染みたやり取りを見ていたシルフの女の子は可笑しかったのか、小さく笑い声を上げると・・・

「パパもおじさんもどっちもどっちです!!でもパパに抱き付いて良いのはママと私だけです!!」

「わっ!?バカ!!声を出すな!!」

キリトの忠告も虚しく、ユイが胸ポケットから飛び出てくるとキリトの肩に乗った。
それを見たシルフの女の子はキリトに近づきながら、プライベートピクシー姿のユイを指差しながら尋ねる。

「これってプライベートピクシーって奴よね?」

「まあ・・・そんな所だ」

キリトの代わりにシュウが質問に答えるとさらに続ける。

「それと、スプリガンとインプが何でこんな所をうろうろしてるのよ?」

「・・・単刀直入に言うぞ」

シュウは少し眼を細めながら、シルフの女の子に向き合うとその娘も少し身構える。しかし還ってきた返答は・・・

「道に迷った」

至ってシンプルな返答だった。それを聞いた女の子は我慢出来なかったのか笑い声を張り上げる。

「ぷっ・・・あはは!!スプリガンの領地はもっと東でしょ?インプはもっとその先よ?方向音痴にも程があるよ」

「「・・・悪かったな、方向音痴で」」

キリトとシュウは恥かしかったのか顔を背ける。
二人はバグによってこんな所に飛ばされた事は伏せて置く事にしたみたいだった。

「でも、お陰で助かったわ。私は【リーファ】って言うの。よろしくね」

シルフの女の子・・・リーファが自己紹介をするとキリトとシュウも続けて自己紹介をする。

「俺はキリト。んで、こっちがユイだ」

「んで、俺はシュウ・・・よろしくな?リーファ」

三人はそれぞれ握手を交わすとリーファが今後の予定を聞いてきた。

「キリト・・・君。シュウ・・・さん。この後どうするの?もし良かったらお礼に一杯奢るわ」

「別にさん付けで呼ばなくて良いぜ?俺もリーファって呼ばせてもらうからよ?そっちの方が親しみ易いってモンだ」

リーファはキリトの事を【君付け】で、シュウの事は【さん付け】で呼んで来た。
キリトのアバターはリーファと同年代の様に見えていたため【君付け】で呼んだみたいだが、シュウのアバターは少し年上を思わせるような体格をしていたためリーファは【さん付け】で呼んだみたいだったがシュウは普段通りに接して良いと言い聞かせると・・・

「そう?なら・・・シュウ君って呼んで良いかな?」

「君付けってのは少し気になるが・・・リーファがそう呼びたいって言うならそれでOKだ」

リーファは親しい人とは呼び捨てで呼んでいるみたいだが、初見の人を呼び捨てにするのは嫌っているみたいだった。
そして二人のやり取りを聞き終えたキリトが口を開く。

「それは良かった。ちょうど色々教えてくれる人を探してたんだ。特に・・・あの樹の事について」

「あの樹?【世界樹】の事」

「まあな。俺達はあの樹に用があるからな・・・」

シュウとキリトの眼は世界樹に向けられていたがその表情は険しく、目つきは鋭かった。

「それならちょっと遠いけど北のほうに中立の村があるから、そこまで飛びましょう?」

「あれ?スイルベーンって街のほいが近いんじゃないの?」

キリトがそう口を挟むとリーファは呆れ顔になると説明を始める。

「ほんとに何も知らないのねぇ。あそこはシルフ領だよ」

「ん?と言う事はスプリガンやインプは入れないって事なのか?リーファさん」

「リーファで良いわよ。シルフ領では他の種族は攻撃出来ないけど、逆はアリって事なの」

「別に構わねぇよ。俺達はそこいらの連中に遅れを取るほど柔じゃねぇし、全員がPKしてくる訳でもねぇんだろ?それにリーファがいるから俺はシルフを信じるぜ」

初めて会った他の種族をここまで気遣ってくれるリーファを見たシュウはシルフの連中はそれ程まで危険な奴等ではない事を心の中で言い聞かせたみたいだった。
リーファはシュウの信頼してくれている心に感謝の念を抱いていた。そして二人の実力は先ほどの戦闘をみていたため大丈夫だと取ったのかスイルベーンまで案内することにした。

「じゃあ、スイルベーンまで飛ぶよ」

リーファは左手にコントローラーを出さずに緑色の羽を出した事にシュウは尋ねた。

「ん?飛行にはコントローラーが必要な筈じゃないのか?リーファ」

「ああ。ちょっとコツが必要な飛行なんだよね、これ。キリト君、シュウ君。ちょっと後ろ向いてくれないかな?」

「あ、ああ」「了解だ」

キリトとシュウは言われるがままにリーファに背を向ける。するとリーファは二人の背中に手を触れた。

「今触ってるの分かる?」

「ああ」「分かるぞ」

「ここん所から仮想の骨と筋肉が伸びてると想定してそれを動かすの」

(仮想の骨と筋肉をイメージ・・・それを動かす)

シュウは眼を瞑り、イメージを頭の中で思い浮かべながらそれを試みると・・・

バッ!!

とシュウの羽が大きく広がった。それを感じ取ったシュウは地面を思いっきり蹴ると大空に飛び上がった。シュウはそのまま旋回、降下、上昇などの基本動作の練習を始めた。

「これは便利だが慣れるのに時間が掛かりそうだな・・・。んで、キリトはまだ来ねぇのか?」

シュウがキリトの心配をし始めた同時に・・・

「うわあああぁぁぁ!!!!」

叫び声と共にキリトが森から飛び出てきた。
シュウは「おいおい」とその姿を呆然と見ていると後からリーファとユイが飛び出して来た。

「シュウ君!!キリト君は!?」

「It's there(あそこだ)」

そして見たのは情けない悲鳴を上げなら飛行を制御出来ずに大空を飛び回っているキリトだった。

「と、止めてくれぇぇぇ!!!」

その姿にシュウはリーファとユイと顔を見合せると同時に笑い声を張り上げた。

「ぷっ!!あははははは!!!」

「ご、ごめんなさいパパ。面白いですー!」

「あはは!!こいつは傑作だな!!」

そして三人でしばらく笑い合うとリーファがキリトを止めた所で飛行訓練が始まった。 
 

 
後書き
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