仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第五十八話 あっ、皆揃いましたその八
「そうなるな」
「俺達は生きてる限り一緒だからな」
「俺が死ぬのって寿命の時か?」
この辺りは歩自身も確かに言えない。やはりゾンビだからだ。
そしてその歩に氷川がこう言ってきた。一歩前に出て。
「僕達仮面ライダーにしてもね」
「何度死んでもスサノオとの戦いがある限りはですね」
「黒衣の青年やスマートレディが蘇らせてくれるからね」
「だからですね」
「そう。死ねないんだよ」
氷川は遠い、それでいて微妙な悲しさを帯びた目で話す。
「仮面ライダー一号、そして二号も」
「あの人達もですか」
「今でも世界の何処かで戦っているよ」
「何十年にもなるっていうのに」
「そう。戦っているよ」
氷川はまた言った。
「仮面ライダー、人間としてね」
「人間ですか」
「仮面ライダーは人間だから」
それでだというのだ。
「今も戦っているよ」
「辛いですね」
歩は己がゾンビであるという苦しみから理解した。仮面ライダーというものもまたそうした苦しみを背負っているということを。
そのことを理解しそして言うのだった。
「それは」
「いや、辛いというのは」
「それは?」
「言ってはいけないことだからね」
だからそれは言わなかった。もっと言えば言えなかった。
「絶対ね。仮面ライダーだと」
「仮面ライダーだからですか」
「そう。人間だとね」
ここでもまた仮面ライダーと人間は同じだった。
「言えないから」
「人間だからスサノオと戦う、ですか」
「これまで何度も話しているけれどね。仮面ライダーの力は人間のものなんだよ」
それは決してスサノオのものではない。人の心を持つ者達の力、それが仮面ライダーの力だというのだ。
「だから戦うことも」
「当然なんですね」
「仮面ライダーの力を持っているとね」
当然のこと、だから辛いと言えないというのだ。
このことを話してからだった。アリエルが一同にこう提案した。
「ところで決戦に備えてですね」
「はい、この学校に結界を張るんですか?」
「それもいいですけれど多分来る数が違いますから」
津上に穏やかに応えながら述べていく。立てて出す人差し指も可愛らしい。
「皆さんに来てもらいましょう」
「他の世界の皆にもですね」
「数は力ですから」
まさに戦略の基本である。
「そうしましょう」
「そうですね。それじゃあ」
「多分スサノオは戦力が集結して決戦になることを望んでいます」
それは何故か、やはり楽しめるからだ。
「それなら戦力をうんと集めてです」
「そうして待てばいいんですね」
「向こうから来ますから」
「じゃあ早速集めますね」
「そうしましょう。ではお話が決まったところで」122
アリエルは話題を変えてきた。今度の話題はというと。
「他の世界の人達が集まるまで何処かに行きませんか?」
「何処か?」
「はい、山か海にでも」
つまり遊びに行こうというのだ。
「そうしませんか?」
「戦いの前に心をほぐしておくということか」
葦原は話を聞いてこう理解した。
「そういうことか」
「はい、どうでしょうか」
「じゃあ山か」
葦原はそこがいいと言った。
「山に行くか」
「山ですか。あそこは」
だがここで歩くが暗い顔になって入って来た。
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