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混沌の魔術師と天空の巫女

作者:白鋼
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第3章 エドラス編
  飛べ!友のもとに!

一方、ハッピー達はエクシードの兵達から逃げていた。

「はぁ・・・はぁ・・・!」

「どいてどいてー!!」

ハッピー達は取りあえず走り続けた。

「あれに隠れよう!」

ハッピーは目の前にあった藁を入れた木の荷車にハッピー達は隠れた。

ドドドド!!!

「・・・行ったみたい・・・。」

ミントはこっそり見て、そう言った。

ガタ

「「「?」」」

ゴロゴロ・・・ガガガガガガ!!!!!!!!

「うわああああああああっ!!!!」

「「きゃああああああああっ!!!!」」

突如、荷車が走りだしてしまった。






































一方、ハッピー達が自分達の任務について話をしている頃、コージはというと・・・

「もう朝なのか・・・。」

時間って経つのが早い時があるんだな・・・俺とジェラールは坑道から出た。

「コージ、お前はガジルを探せ。多分この町にいる筈だ。」

「ジェラールは?」

「俺は魔水晶(ラクリマ)にされた者達を戻す。だがそれにはかなりの時間が必要となる。
 すまんが、魔水晶(ラクリマ)を使わせたりしないようにしてくれ。」

「わかった・・・あ、でも、魔水晶(ラクリマ)の場所が・・・」

魔水晶(ラクリマ)はこの王都の上に浮かんでいる。」

「ええ!?」

「近くにはエクスタリアがある。ハッピー達はそこにいる可能性がある。」

「そうか・・・わかった。」

「それとこれも渡そう。」

ジェラールは俺にビンを渡した。中には赤色のエクスボールがたくさんあった。

「これを作るのに手間取った。ガジルにも持たせているが念の為だ。」

「ありがとう・・・!」

「頼んだぞ!!」

ジェラールはそう言い、姿を消した。

「ガジルさんを探すか・・・。」

俺は取りあえず、城下町の方へ行った。




























「あれは・・・」

巨大な魔水晶(ラクリマ)がおいてある所だった。

ドーン!

「ん!?」

何だ!?

「花火だ!!」

「いいぞぉ!もっとやれぇ!!」

何だ花火か・・・

「何だ!?」

「花火なんて聞いてないぞ!」

「(何・・・?)」

兵士達の言葉をこれは聞いた。

さらに花火には『N』という文字が・・・

ズゥン!!

さらに花火が・・・!

「(『N』に・・・『O、R、T、H』・・・『NORTH』、北・・・?)」

北・・・どういう意味なんだ・・・?

「見ろ!あそこに何て書いてある!!」

「ん?」

この声は・・・まさか・・・!?

「広場の北だ!!怪しい野郎が魔水晶(ラクリマ)を狙っているみたいだぜ!!」

やっぱりガジルさんだ!!

「何!?」

「まずいぞ!北側は魔水晶(ラクリマ)の裏だ。固める人数が少ない!」

「3分の1を残して北へ向かえ!!見物人をもっと後ろに下げろ!!」

「さ、下がってください!!もっと後ろへ。」

一体・・・どういう事だ・・・?兵士を減らす事か?

「ようし!これで大暴れできるぜ!!ギヒ。」

まさか・・・その為に・・・?

「おい、何をしている。下がれ。」

だが、ガジルさんはかぶっていたフードを脱ぎ、魔水晶(ラクリマ)へ向かった。

「あのミストガンってのは嘘くせぇ奴だが、ひとまず今は信じてやるぜ!!」

そうか!ガジルさんもジェラールから聞いたのか!!

「手伝います!!」

俺はガジルさんの隣を走り、そう言った。

「テメェは・・・!!」

「話は後です!」

「はん、足手まといななるなよ。」

「なりませんよ!!」

俺達は攻撃をし始める。

「鉄竜棍!」

「闇竜の鉄拳!!」

ガジルさんは腕を棍棒のようにし、
俺は手に闇を纏わせた拳で、兵隊達を攻撃した。


ドスーン!!


「「「「うわああああっ!!!」」」」

兵士達が倒れた、今だ!!

「いくぞ!!」

「はい!!」

「鉄竜剣!!」

「闇竜の鉤爪!!」

ガジルさんは腕を剣のようにし、俺は足に闇を纏わせて、魔水晶(ラクリマ)を攻撃した。
俺とガジルさんの滅竜魔法でこの魔水晶(ラクリマ)になった人を元に戻せる!!

ガキィィン!!

「まだまだ!!」

「ええ!!」

「「おりゃああああっ!!!!」」

俺とガジルさんは出した滅竜魔法をもう1発、魔水晶(ラクリマ)に向かい放った。
ガジルさんは剣となった上を上にあげ、降ろし、俺は右足でやったのを今度は左足でやった。

バリィィィン!

すると、魔水晶(ラクリマ)が光り出した。

「何・・・!?」

「・・・っ!!」

俺達は驚いた。その光が小さくなり・・・とある人となった、
魔水晶(ラクリマ)から戻った人は・・・!




































一方、ちょうどコージとガジルが魔水晶(ラクリマ)を攻撃をした頃、ハッピー達は・・・

「ううーん・・・」

「うう・・・」

「いった~い・・・」

ハッピー達の乗っていた木の荷車が途中で崖に落ち、ハッピー達も落ちていた。

「っ!」

シャルルが何かを見て、起き上がる。

「ハッピー、ミント!!あれ見て!!!」

「あれ?今・・・名前で・・・っ!!」

「!!」

目の前に見えたのは巨大な魔水晶(ラクリマ)が浮いていた。

魔水晶(ラクリマ)が浮いてる!!」

「王都のより大きいよ!!」

「ギルドのみんなね。」

「あんな所にあったんだ!!」

ハッピー達はただ驚くしかなかった。

「見て!ここ空に浮いてるよ!!」

ミントは下を見てそう言う。

「王都があんな下にあるなんて・・・!」

「つまり、こんな位置関係なのね。」

シャルルは近くにあった木の棒で絵を描いた。
王都の上にエクスタリア、その横に巨大な魔水晶(ラクリマ)が浮いている、そんな感じであった。

「どうやって“王都”まで降りよう・・・。」

「今の私達の“(エーラ)”が使えないし・・・」

「う~ん・・・」

(エーラ)の使えない自分達に悩むハッピー達。

「おめぇ達、オィラの畑で何しとるだ。」

「「「!!」」」

後ろから誰かが声をかけて来て、ハッピー達はすぐに振り向いた。

「しまった!!!」

「ははーん・・・兵隊共が探し回っとる“堕天”とはおめぇらの事だな。」

その声の主は毛は白く、田舎にいる様な格好をし、鍬を持った猫、いやエクシードであった。

「「「・・・・・・。」」」

「かーーーーーっ!!!!」

そう言い、鍬を振り回した。

「ひいいいっ!!!!」

「ひゃあっ!!!!」

そのエクシードの怒鳴りと行動にハッピーとミントは驚く。

「出てけ出てけーっ!!!」

「あい!!!ごめんなさい!!!」

そのエクシードに謝るハッピー。

「荷車が転がっていったのはこの辺りか!」

「探せっ!」

「はっ。」

何と、追手がここへやって来てしまった。

「もう追ってきた・・・。」

「どうしよう・・・」

「かーーーーーーっ!!!!」

「うぎゃあ!!!!」

「ひゃわああっ!!!!」

「畑から出てけーっ!!!」

「あい!!すぐ出て行きます!!!」

「そしてウチへ来いっ!!!!」

「え?」

「ええ?」

「・・・・・・。」

そのエクシードの言葉に驚くハッピーとミント、唖然となるシャルル。































そのエクシードの家にて、ハッピー達は追われている訳を話した。

「あらあら、それは大変だったわね。」

そこに、そのエクシードのおばさんが現れた。
濃い緑色の頭巾をかぶり、白の服を着た青い毛のエクシードであった。
そのエクシードは皿に盛った魚をハッピー達に出してあげた。

「おじさん、おばさん・・・かくまってくれてありがとう。」

「ありがとうね!」

ハッピーとミントはエクシードのおばさんにお礼を言った。

「かーーーーーっ!!!めしを食え!!!めしっ!!!」

「はい!!」

「あい!!」

「ありがとう・・・。」

エクシードのおじさんの言葉に返事をするハッピーとミント。シャルルもお礼を言う。

「ウチの人ってば、王国と考え方とソリが合わなくてね、
 昔追い出されちゃってこんな所で暮らしているのよ。」

「そうなんだ。」

エクシードのおばさんの言葉にそう言うミント。

「かーーーーーっ!!!いらん事言わんでええ!!!」

「はいはい。」

「そっか・・・それでオイラ達を・・・」

「そんなんじゃねぇやい!!!めし食ったらフロ入れー!!!かーーーーーっ!!!」

「あ・・・あい・・・。」

その後、風呂から出たあとにも・・・

「かーーーーっ!!これ着ろ!!!」

と、服を貸してあげたり・・・

「かーーーーっ!!!この辺で勝手に休め!!!かーーーーーーっ!!!」

と、エクシードのおじさんは怒鳴りながらも、ハッピー達を休ませてくれた。























少し経ち・・・

「ハッピーとシャルル、ミントって言うのね。素敵な名前。
 アースランド生まれなんでしょ?誰が名前つけてくれたの?」

エクシードのおばさんをハッピー達の事を聞いてきた。

「ナツ・・・友達だよ。」

「私やミントも・・・そう・・・友達。」

「私とシャルルの名前をつけてくれ2人は義兄妹なの。」

「そうなの。」

ハッピー達はエクシードのおばさんの質問にそう答えた。

「その友達が王都に捕まってるんだ。オイラ達助けに行かなと。」

「私に名前をつけてくれた友達は今逃げているから大丈夫だけど。」

「人間を助けるのね。」

「エクスタリアではその考え方は間違っているのよね・・・。」

「そんな事はないわ、素敵な事よ。」

シャルルの言葉にエクシードのおばさんは違うと言う。

「友達にエクシードも人間も関係ない、
 だって見た目が違くても“大好き”っていう心の形は同じなのよ。」

「心の形・・・?」

「そう、大好きの心の形はみんな一緒。」

「おばさんの言うとおりかもね。」

エクシードのおばさんの言葉にミントは納得する。

「私の心は・・・私じゃない、誰かによって操られてる。
 今・・・話してる言葉さえ私のものなのかどうか・・・。」

「シャルルの言葉だよ!!!シャルルの心だよ!!!」

シャルルの言葉にハッピーがそう言う。

「オイラ達がみんなを助けたいって心はオイラ達のものだ!!!」

「ハッピーの言う通りだね。私達がみんなを助けたい心が自分以外の誰のものでもないと思う!!」

ハッピーとミントはシャルルに向かいそう言う。

「今はちょっと迷っているみたいだけど、きっと大丈夫よ。
 こんな素敵な友達とナイト様が近くにいるじゃない。」

「!!ナイトさま・・・////」

エクシードのおばさんの言葉にハッピーは顔が赤くなる。

「あなたは自分の心を見つけられる、ううん本当はもう持っているの。
 あとは気づけばいいだけなのよ。“大好き”の気持ちを信じて。」

その言葉にシャルルは口を開く。

「おばさん変わってるのね。」

「そうかしら?」

「だって・・・エクシードはみんな自分達を“天使”か何かのように思ってる。
 人間は劣等種だって言ってた。」

シャルルはニチヤとナディの言葉を思い出し、そう言う。

「昔はね・・・そういう考えだった。でも、子供を女王様にとられてね。」

「「「!!」」」

その言葉にハッピー達は驚きを隠さなかった。

「ドラゴンスレイヤー抹殺の計画とかで100人もの子供・・・卵を集められた。
 そして自分の子供の顔も知らないままアースランドに送られてしまったの。」

「「「・・・・・・。」」」

その言葉にハッピー達は唖然となる。その100人の中に自分達もいる事と思えると・・・

「その頃からね、私達は神でも天使でもない・・・私達はただの“親”なんだって気づいたの。
 そしたら人間だとかエクシードだとかどうでもよくなってきたわ。
 ウチの人も口は悪いけど私と同じ考えなのよ。」

「かーーーーーっ!!!!くだらねぇ事話してんじゃねーよ!!!
 おめぇらもいつまでいやがる!!!」

「アナタ・・・。」

エクシードのおばさんの言葉にエクシードのおじさんが後ろから声を出してきた。

「辛気くせぇ(ツラ)しやがってぇ!!生きてるだけで幸せだろーが!!!
 かーーーーーーっ!!!甘えてんじゃねぇぞー!!!お役出てけーーーーーっ!!!!」

「アナタ・・・そんな急に・・・」

「ううん・・・おじさんの言う通りだよ。
 オイラ達早くみんなを助けにいかないと!」

「そうだね。」

ハッピーの言葉にそう言うミントと、頷くシャルル。

「怯えたままじゃできる事もできねぇんだっ!!!
 最近の若ぇのはそんな事もわからねぇのか!!!!」

「!」

エクシードのオジサンの言葉にハッピーの顔つきは少し変わった。




少し経ち・・・

「ありがとう!!おじさん!!おばさん!!」

「色々とありがとう~!!」

「かーーーーーっ!!二度と来んなーーーーーっ!!!!」

「気をつけておいきー。」

ハッピー達は助けてもらったエクシードのおじさんとおばさんに別れを告げ、
仲間を助けに行くとした。

「シャルル、ミント!!さっきのおじさんの言ってた言葉の意味わかる?」

「ええ・・・わかったわ。」

「私も・・・私、エドラスに来て・・・物凄く不安だった。」

「そうね、私も・・・。」

「あい!」

「でも・・・今は違う!!」

「進まなきゃいけないからね!!!!飛ばなきゃいけないからね!!!!」

ハッピー達は崖の下から飛び降りた。

「(私達はエクシード、この世界において唯一体内に魔力を持つ者。
 魔法を使えなかったのは、心が不安定だったから。)」

シャルルは心の中でそう言っていた。そしてハッピー達は(エーラ)を出せた。

「(ホラ・・・自分の心が見えたから、翼が私達を前へ進ませてくれるよ・・・!)」

ミントは心の中でそう言っていた。

「行こう!!!!みんなを助けなきゃ!!!!」

「うん!!!!」

「あい!!!!」

シャルルの言葉に返事をするミントとハッピー。






「かーーーーーっ!!!ちゃんと飛べるじゃねーか。」

「飛び方がアナタそっくりね。」

エクシードのおじさんとおばさんはハッピーの姿を見て、そう言った。

「バカ言うんじゃない!!!飛び方なんかじゃねぇ!!!一目見りゃァ気がつくだろ!!!!」

「そうね・・・あの白い娘、彼女かしら?」

エクシードのおばさんは涙を出し、そう言った。

「かーーーーっ、女つれてくるなんて100年早ェんだョ!!」

「友達想いの優しい子に育ったね・・・。」

「かーーーーーっ、グス・・・あい・・・。」

我が子を見て、嬉し泣きをする2人の親がいたのであった。 
 

 
後書き
どうも、白鋼です。今回の話はいかがでしたでしょうか?
また、ミントの親についてはいずれ明かそうと思いますが、今はまだです。
しばらくお待ちください。次回もお楽しみに~! 
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