仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第五十六話 はい、仮面ライダーですその十三
「百人前ありますんで」
「もっと増えたぞ」
サラスが歩に横から言う。
「あれからな」
「えっ、増えたって」
「二百人前になったぞ」
倍だった。これは大きい。
「わらわの店で仕入れたのが残ってな」
「えっ、それで百人前なんだ」
「そうじゃ。魔界から取り寄せた肉じゃ」
そうだというのだ。
「遠慮なく食うがよい」
「ちょっと。二百人前だと」
「援軍が必要ですね」
セラフィムが歩の横から言ってくる。
「ここは」
「誰呼べばいいかな」
「歩のお友達を」
セラフィムはすぐに歩にこう答えた。
「そすればいいでしょう」
「というかアンダーソン君に」
「あとあの糞虫の同類も」
セラフィムは淡々とこんなことも言った。
「呼ぶといいでしょう」
「織戸もか」
「はい、あの彼もです」
「じゃあそうしようか」
「それに人は多い方が賑やかですから」
セラフィムは少し彼女らしからぬことも言った。
「いいでしょう」
「じゃあそういうことで」
こちら側の世界の方はこれで決まった。そうしてそれからだった。
セラフィムはライダー達にも顔を向けてこう言った。
「ではライダーの皆さんも」
「うん、それじゃあね」
「頑張って下さい。二百人前です」
氷川に対しての言葉だ。
「お肉の種類は色々です」
「それは有り難いね」
「では遠慮なく召し上がって下さい」
セラフィムはライダー達には礼儀正しい。しかしよく見れば歩に対しても嫌悪しているということはなかった。
その彼女がこう氷川達に言ったのである。
「歩の家まで案内させてもらいますので」
「じゃあそこで焼肉を食べながら」
「詳しいお話をしましょう」
「うん、それじゃあね」
こうして話は決まった。かくしてライダー達とこちら側の戦士達はその二百人前の肉と戦うことになった。そうして歩の家に行く最中にだ。
紫の中世のそれを思わせるドレスに甲冑を着た少女が前に出て来た薄紫のロングヘアに青い大きな目を持っている。その彼女に何時の間にか緑の目になっているセラフィムが言う。
「ユークリッド、迎えに来てくれたのですか」
ユークリッドと呼ばれた少女は答えない。その代わりに。
ペンとメモ帳を出してきた。そこに書いてその言葉を見せてきた。
『そう』
「そうですか。すいません」
『気にしない』
また書かれる。
『何か気になることがあったから来ただけ』
「気になることとはまさか」
『そちらの人達』
無表情だが仮面ライダーの面々を見ての言葉だった。
『こっちの世界の人達じゃない』
「はい、そうです」
ユークリッドに津上が微笑んで答える。
「俺達は仮面ライダーです」
『仮面ライダー?』
「このことはこれから詳しくお話することですけれど」
『歩の家で?』
「今からそうさせてもらうつもりです」
「それでなんだよ」
歩もここで話す。
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