仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第五十六話 はい、仮面ライダーですその八
鯨を囲み攻撃に入る。G3エックスはその手にガトリングガンを出しその銃を回転させながらその攻撃を行なった。
エクシードギルスは接近し両手から触手を出し鞭打つ。アギトも一度上に高々と上がってから蹴りを入れる。
そして歩もミストリティンで切り裂きに掛かる。四人同時攻撃だった。
その戦いを下から望遠鏡で見上げながらだった。北條は自分と同じく望遠鏡を使っている小沢に対して言った。
「若しも私達の世界にいれば」
「逮捕していたっていうのね、あの子」
「少なくとも事情聴取ですね」
それをしていたというのだ。
「明らかに変態ですから」
「そうね。それは私もね」
小沢も珍しく北條の言葉に同意して言う。
「確信しているわ」
「できる、じゃなくて」
「あれは確実に変態でしょ」
誰がどう見てもだというのだ。
「あからさま過ぎて怖いわ」
「これまでの世界ではああいう人はいませんでしたね」
尾室の言う通りだった。そうした意味でも歩は特殊だった。
「しかもゾンビだっていうんですから」
「個性的にも程があるわよ」
「若しも本当に私達の世界にいるなら」
北條もさらに言う。
「違った意味で警戒すべき存在でしたね」
「ええ、本当にね」
「変態ですから」
「聞こえてますから!」
上からその歩の抗議が来る。
「俺変態じゃないです!」
「ゾンビであることはいいんですよ」
北條も成長した。そうしたことはもう些細なことでしかないとわかっていた。人間というものを考えるうえで。
しかしそれと共にだ。歩はどう公平に見てもそうだったのだ。
「ですが貴方は誰がどう見てもです」
「変態だっていうんですか」
「女装して戦う人なぞ変態でしかありません」
北條は容赦なくこの現実を指摘する。
「女装だけならまだわかりますが」
「日本は女装も多い国よ」
小沢は日本文化から話す。それこそ源義経、いや日本武尊の頃より女装文化は存在している。日本の女装文化は深いものがある。
だが今の歩の姿はその範疇を超えているというのだ。それは即ち。
「それでも今の君はね」
「うう、どう言えばわかるんですか」
「説明の必要がないから」
姿を見れば一目瞭然というのだ。
「もう誰がどう見てもね」
「違う世界の人達みたいですけれど」
「その話は後でね」
仮面ライダーについての話は長くなる。それでその話は後回しにすることにした。
小沢はそのうえでこう歩に言った。
「とにかくその鯨だけれどね」
「こいつですよね」
「百メートル以上は優にあるわね」
この時点で既に普通の鯨ではなかった。
「それに空も飛んでるけれど」
「色々とありまして」
「こっちの世界でのことね」
「そうなんです。それで俺はこの連中と戦う魔装少女なんです」
「とりあえずそれはわかったわ」
ようやく歩が変態であるということ以外のことがわかった。
「それじゃあね」
「協力してくれるんですね」
「そのことはね」
確かだとだ。小沢も返す。
「約束するわ。私達は君の味方よ」
「わかりました。じゃあそういうことで」
「いい、氷川君」
小沢はまずはG3エックスに対して言った。
「この鯨は確かに大きいけれどね」
「それでもですね」
「ええ、大きいだけにね」
鯨の攻撃ポイントはそこにあった。
「細部まで目が届かないわ。それにね」
「小回りも効かないですよね」
「つまり攻め方はね」
「機動戦ですね」
「いけるわね、それで」
「はい、やってみます」
それでだとだ。G3エックスも返す。
「今から」
「一点に攻撃を集中させた方がいい」
エクシードギルスの声が鋭くなる。
「そう、ここはな」
「急所にですね」
「小回りは効かなくとも防御力も生命力はかなりのものだ」
エクシードギルスはアギトにも話す。
「それならだ」
「はい、その急所に攻撃を集中させて」
「倒す。俺達四人の攻撃でな」
「ええ、じゃあ」
アギトが頷く。空中を飛び跳ねながらそのうえで鯨の弱点を探る。その中で歩が三人のライダーに対して言った。
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