仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第五十六話 はい、仮面ライダーですその五
「教官でもありますし」
「あの口髭は止めて正解だったわね」
「それは俺も思います」
自分でも似合っていないと思っていたのだ。実は。
「ですからすぐに剃ったんですよ」
「というか何で生やしたのよ」
そもそもその時点で疑問だというのだ。小沢は相変わらず容赦がない。
「似合わないのがわかってるのに」
「まあ。貫禄をつけたくて」
「貫禄?」
「だって俺あれですよね」
不安に満ちた顔での言葉だった。
「凡人ですから」
「やっぱりそれ?」
「言い出したの小沢さんじゃないですか」
「それはそうにしても」
「本当に気にしてるんですから」
「わかったわよ。それじゃあね」
小沢は観念した様にこうその尾室に言った。
「尾室君にもcyんと出てもらうから」
「本当にですよね」
「私は約束は破らないわよ」
それは絶対だというのだ。
「何があってもね」
「じゃあG3になって」
「その時が来ればですね」
「働いてもらうから」
「よし、じゃあ俺頑張りますから」
「で、あんたは控え」
必然的にそうなる。小沢は北條に顔を向けて彼にはこう言った。
「そういうことで宜しくね」
「私は貧乏くじですか」
「ライダーにならなくても活躍できるからいいでしょ」
北條の能力を以てすればだというのだ。
「あんたの場合は」
「ではそのうえで、ですね」
「ちゃんとサポートを頼むわよ」
「今貴方達の邪魔をするメリットはありませんから」
「だといいけれどね」
小沢は剣呑な目で北條を見て述べた。
「本当にね」
「ははは、信用がないですね
「信用できる筈ないでしょ」
小沢はまだ言う。
「あんたの場合はね」
「ですから何もしませんので」
「だといいけれどね」
小沢と北條は毎度のことながら仲が悪かった。こうしたやり取りを経てそのうえでだった。一行は門を潜った。その世界はというと。
「こっちの世界も現代ね」
「はい、そうですね」
小沢に氷川が応える。
「文明のレベルは」
「ビルもあるわね」
見事な高層ビルが彼等の前にある。
「それにね」
「はい、それに言語は」
ライダー達は次に街に溢れている文字を見た。それはというと。
「日本語ですね」
「ここは現代の日本なのね」
「そうなりますね。けれど」
それでもだとだ。次は津上が言った。
「この世界は俺達の世界とはまた別なんですね」
「そうであることは間違いないな」
それは蘆原も言う。
「何もかも同じだが少しな」
「違う雰囲気もしますね」
「やはり俺達の世界とは違う」
それは間違いないとだ。蘆原は確かな声で述べた。
「この世界はな」
「そうですね。とりあえずこっちの世界には来ましたけれど」
「そのゾンビで魔法少女というのは」
北條がその少し聞いただけでは全く得体の知れない人物について言及した。それは一体何者かというのだ。
「何処にいるのでしょうか」
「そのことは詳しく聞いてないんですよ」
津上の返答は北條にとってはあまりいいものではなかった。
「ただ。そうした女の人がいるというだけで」
「魔法少女でしたね」
「はい、そうです」
「ということは女の子ですから」
津上も北條も過ちを犯していた。魔法『少女』という言葉から。
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