仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第五十四話 昼の熱気の中でその六
「真の美味というものを」
「そうですね。イギリスはあまりにも」
「そこまで酷いんですか?イギリスのお料理って」
祖父が他ならぬイギリス人のシャーロックがジョージとしみじみと話す小林に問う。フォークで肉の塊を口の中に押し込みながら。
「まずいんですか」
「イギリスにいた時に一番苦労したのはね」
小林も否定せずに苦笑いと共に話す。
「料理だったね」
「そうだったんですか」
「うん、口に合わなかったよ」
「全くです」
フランスがルーツにあるせいだろうか。アルセーヌがここで言う。
「あれだけ酷い料理の国は他にはありません」
「会長もご存知なんですか?」
「はい」
その通りだとだ。アルセーヌはシャーロックに答える。
そのうえでこんなことを話した。
「日本と同じだと思ってはいけません」
「そうなんですか」
「日本はいい国です」
「食べ物が美味しいからですか」
「そうした意味でも」
「なんですね。日本でよかったんですね」
「心からそう思います」
アルセーヌの口調はしみじみとしたものだった。
「日本はいい国です」
「私も日本人ですが」
今出て来たのはイエヤスだった。アルセーヌの顔を見ながら話す。
「ただ。この時代ではないです」
「戦国時代ですね」
「世界は違いますが」
そこから来たとだ。イエヤスは少しきょとんとした感じの顔でアルセーヌに話す。そしてアルセーヌにこんなことを話した。
「ただ。この時代のこの世界はいい世界ですね」
「そうですね。それで貴女は」
「徳川イエヤスといいます」
「妙に私に似ていますね」
「はい、私もそう思います」
「まるでもう一人の自分といる様な」
「そんな感じですね」
「よっ、俺」
「何かな、僕」
「宜しくな」
ホームズ学園の制服姿のラットに竜司と明久が三人で手を上にやって打ち合わせながら明るい笑顔で話うぃている。
「初対面とは思えないよな」
「うん、もう一人の自分と会ったみたいな」
「そんな感じだよね」
こう三人で話すのだった。
「この時を待っていたってな」
「そうそう。僕達絶対に気が合うよ」
「仲良くできるね」
三人で今にも一つになりそうだった。そんな三人を見てだ。
アルセーヌとイエヤスはお互いに満足した顔で話した。
「こうして知り合えたのも縁ですから」
「仲良くしましょう」
「貴女とは全てを分かり合える気がしますから」
「助け合っていけますね」
「またおかしな組み合わせになっておるのう」
ノブナガは実の姉妹の様に仲のいいアルセーヌとイエヤスを見て呟く。そしてよりによってこんな言葉を出してしまった。
「広島のおなごに弱そうじゃの」
「!?広島」
「安芸・・・・・・・」
ノブナガのその言葉を聞いた瞬間にだった。アルセーヌもイエヤスもその顔を強張らせた。
そのうえでだ。二人でこうノブナガに言った。
「あの、できればその方の話は」
「本当に止めて下さい」
本音からの言葉だった。
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