仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第五十四話 昼の熱気の中でその四
「まあ。そのうち出て来てくれるよな」
「その時まで楽しみにしてればいいですね」
「まずは現状で待機」
三人はそれ程落ち込んではいない。
「じゃあ今はな」
「心衣さんのことを祝福しましょう」
「もう一人の自分と出会えて」
こうした話をしながら心衣を見ていた。暖かい目で。
そして竜司もイエヤスにこんなことを話していた。
「何かいい予感しない?」
「確かに」
イエヤスはその竜司に顔を向けて応える。
「誰か。私達にそれぞれ似た人が」
「来てくれるよね」
「そういう気がするわね」
二人は直感的にこう感じ取っていた。
「まあ僕は明久君もそうだけれど」
「私ははじめてよ」
「はじめてでもかなり楽しみだよね」
「それはね」
二人も二人でこうした話をしていた。
小林と神津も顔を見合わせてこうした話をしていた。
小林は意外といった顔だがそれでも笑顔でこう言った。
「こうして一緒に戦えるとは思わなかったよ」
「そうか」
「僕としてはね」
「最初からそうでもよかったな」
「うん。けれど君は」
「さっきも言ったが抵抗はある」
そのことは否定しないのだった。
「だがそれでもだ」
「今は」
「こうまで軸が多いとな」
彼等の周り、そこも見てだった。
「対立なぞ馬鹿馬鹿しくなる」
「だからなんだ」
「そうだ。しかしだ」
「しかし?」
「御前は変わらないな」
神津はその知的な顔を微かにだが綻ばせもした。そのうえでの言葉だった。
「昔からな」
「いや、僕も変わったよ」
「あまりそうは見えないがな」
「仲間ができたからね」
だから変わったというのだ。
「そのせいでね」
「変わったか」
「君もじゃないかな。昔は一人だったれど」
「そうな」
ここで彼女達を見た。そのうえで微笑んで言ったのである。
「俺も今ではな」
「一人じゃないね」
「そうなった」
神津自身も言う。
「今はな」
「人は変わるんだよ」
「仲間ができれば余計にな」
「うん、そうなるからね」
「俺も御前も変わったな」
「お互いにね。じゃあ」
「握手はしないがな」
神津は出を組んだままだった。動かそうともしない。
「だがそれでもな」
「うん、これから長い戦いになるけれど」
「共に戦おう」
「そうしようね」
こう二人で話すのだった。それぞれの仲間達を見ながら。
握手はしないが彼等も仲間同士になった。多くの戦士達の中に入ったのである。
そのことを聞いてだ。アルセーヌは会長室で満足している顔でこう言ったのだった。
「いいことです。これで」
「スサノオと戦えますね」
「万全ですね」
「後は私達だけです」
こうストーンリバーとトゥエンティーにも言う。
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