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インフィニット・ストラトス ~五年後のお話~

作者:リクヤ
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学園生活
  第十七話 緊急参戦!?

 
前書き
めっちゃ遅れてすみません・・・ 

 
観客席
「何なのですか、あの試合は!イギリスの代表候補なのですからもっとしっかりしてもらわないと!」
「まあまあ、落ち着いてよ。ね?」
「むぅ・・・」

話している二人が居るのはイギリスとフランスの観客席である。周りにはスーツの男女が大勢居る。
怒っている女性がイギリス、それをなだめている女性がフランス側に座っている。見た目は二人とも金髪でスーツだが、フランス側は後ろで髪を縛っているのに対して、イギリス側はウェーブのかかった長髪。またスーツもフランスは無駄の省かれたものに対して、イギリスは胸にフリルのついた、スーツではあるがお洒落の意味合いが強いものとなっている。
彼女らは齢20にして社長になった二人、デュノア社のシャルロット・デュノア、オルコット社のセシリア・オルコットだった。
シャルロットはIS学園を卒業後、自分の父親である父親の悪行を摘発し、自分がその後釜についた。そのとき、少なからずいざこざはあったのだがシャルロットは自分の立場と仲間の手助けを最大限に利用してそれをねじ伏せた。今では社内改革を終え、信用できる部下が重要な地位に就き、それ以前の父親側についていた社員は窓際部署に移動、もしくはクビとなっている。

セシリアは卒業後、両親が経営していた会社を引き継ぎ、社長となった。今までは女性向けの化粧品などを取り扱っていたが、セシリアが就任してからIS関連の商品にも手を伸ばし、今では大手を食いかねないほどの急成長をしている。この急成長にはセシリアの活躍ではあるが、秘書であるチェルシーの活躍が大きいと言われている。
二人は大人になり、同じ商品を扱う会社としてライバル同士になったのだ。しかし、二人の交友関係は途絶えず、今もこうして話している。むしろ深まったかもしれない。

そして、今回二人は自らの国のISを見に、クラス代表戦にまで来ていたのだ。
しかし、セシリアからすると後輩に当たるシャラが新型とはいえ量産機に敗北。これに苛立ちを抱いていた。

「まずピットの使い方がなっていないのですわ!これだからオートはやめておいた方がいいといったのに!」
「マニュアルとオートでどちらも長所と短所があるからねー。それは乗り手に合うかどうかでしょ。」
「それはわかっていますが・・・」
「はいはい、悔しいのは分かるけど今注目するのはそこじゃないでしょ?」
「ええ、そうですわね。あのアメリカの・・・アリシア?でしたっけ?彼女が使っていたあの武器のことですわね。」
「うん。あの()は代表候補生じゃないから国からの支援武器は考えにくいんだけど・・・」

仕事の話になった二人の目は真剣そのもの、先程は打って変わって仕事モードになっていた。

「だとすれば彼女自身が作ったか、友人が作ったものですわね。」
「そうだとすると作った人は凄いね。あの武器は今ある武器の常識からかけ離れているよ。間合いの無い刀なんて対応できないもの。」
「この武器のセンスは・・・ぜひとも会社に欲しいですわね!」
「セシリアには渡さないよ!」

二人の間に火花が散ったように見えた。



場所は変わって選手控え室。
輝龍とシャラが話していたCコーナーの控え室へと向かう女性がいた。彼女の名前はナターシャ・ファイルス。以前は『銀の福音(シルベリオ・ゴスペル)』のテストパイロットをしていたが、現在は代表候補生たちをまとめる仕事をしている。代表候補生のデータの収集や生活の管理など様々なことをしている。その内の仕事の一つのために控え室へと向かっていたのだ。
部屋の前に到着すると、中から声が聞こえた。

「ではいつにしましょうか?」
「まて、デートとはどういうことだ!?」
「もちろんそのままの意味ですわ。あら、拒否権はありませんよ?」
「・・・ぐっ」

どうやら輝龍の他にもう一人いるようだが、生憎今時間が無い。会話をとぎる形となるが仕方ない。ナターシャは一度ノックをして、返事を聞かずに中へ入る。

「キリュー、いるかしら?」

急の来客に輝龍とシャラは驚く。が、輝龍は入ってきた人の顔を確認して間の抜けたような顔になった。

「あれ、ナターシャさん。どうしたんですか?」
「輝龍さん、お知り合いですか?」
「あら、自己紹介がまだだったわね、シャラ・クリスティさん。私はアメリカの代表候補生をまとめているものでナターシャ・ファイルスというわ。」
「・・・!私の名前を・・・」
「先程の試合見せてもらったわ。技術ならば勝っていたのに惜しかったわね。あの武器さえなければ圧勝だったでしょ。ね、キリュー?」
「え、ええ・・・俺が作ったのはばればれですか・・・」
「当たり前でしょう?あんなもの作れるのあなたぐらいだわ。あんな武器があるのなら私たちに見せてくれればよかったのに。」
「・・・もしかして怒ってます?」
「いえ、もうあなたは開発局の職員ではないもの。その点は怒ってないわ。」
「その点は・・・ってことは怒ってるんですね・・・」
「輝龍さん、開発局というのは・・・?」

シャラが不思議に思ったのかたずねてくる。

「ああ、俺は二年前からアメリカのIS開発局で働いていたんだよ。主に武器開発だけどな。それで仕事してたときにISに触ったら動かしちまったってことだ。」

今まで触れても動かなかったのに何故あの時動いたのだろう?まあ、考えたところわからないのだろうけど。

「なるほど、メモメモ・・・」
「メモはせんでよろしい。」
「話、戻していいかしら?」

ナターシャの顔は笑っているが目は笑っていない。

「あ、すみません!それで何ですか?」
「あら、分からないの?」

ナターシャの目が先程よりも鋭くなる。

「す、すみません!」

ナターシャさんは怒ると本当に恐いんだよな・・・
師匠とは違う恐ろしさ、なんというか教師に怒られている気分になる。
輝龍が本当に分からないのだと理解したナターシャはため息をつく。

「・・・はぁ。今回来たのは大会に何故出ていないのかと『インディゴ・ドラグーン』の武装についてよ。心当たりがない訳じゃないでしょう?」
「うっ・・・そのことですか・・・」

ナターシャの仕事には代表候補生の管理の他にもう一つあり、その内容が「輝龍の管理」である。

輝龍は先程述べたようにアメリカで長く過ごしていたため、輝龍がISを動かせるとわかったときに日本とアメリカでISをどうするか話し合いがあったのだ。輝龍は純粋な日本人なので当然日本側に輝龍のISについては権利が強いのだが、輝龍と一緒に働いていたアメリカのIS開発局の面々が『輝龍のISを作るなら俺達が作る』といって聞かなかったのだ。アメリカ側からすればこれはいい理由になる。既に一人目の男性操縦者である一夏は日本の管理下にある。二人目の例外は是非とも欲しいと思ったアメリカはこれを利用しない手はない。これによってアメリカにも輝龍のISを管理する言い分ができたため、話し合いはこじれにこじれた。最終的に本人である輝龍が決めることになり、機体は日本、武装はアメリカという現在のような形になった。

完全な管理下には出来なかったものの約半分の情報アドバンテージを得ることが出来たアメリカだったが、ここで問題が起きた。
輝龍がアメリカの武器を使用しないのだ。これでは情報は全く手に入らない。これを由々しき問題だと思ったアメリカは輝龍と認識があるナターシャを使わしたのだった。


「さて、理解したなら武装を使わない理由を聞きましょうか、キリュー?」
「いやぁ・・・だって『(ファング)』の方が便利ですし・・・」
「確かにね、あなたの作った『ファング』は便利よ。第三世代の武器に匹敵するほどにね。だけれど、それが使わない理由にはならないのよ?」
「ですよね・・・でも、あの見た目はちょっと『インディゴ・ドラグーン』には合わないと言うか・・・」
「なに?『銀の鐘(シルバー・ベル)』が使えないって言うの・・・?」

(しまった!地雷踏んじまった!)
ナターシャに『銀の福音(シルベリオ・ゴスペル)』に関する侮辱はNGだということを忘れていた。彼女は自分の乗っていたISをとても大事にしていて、暴走事件が起きて乗れなくなってしまってから5年が経過した今でも犯人を許すつもりはないらしい。ここまでISを愛している人は見たことがない。

「いやいやいや『銀の鐘(シルバー・ベル)』が嫌って訳じゃなくてですね、なんというかそのISにも武器の相性みたいのがあるじゃないですか!『銀の鐘』は『インディゴ・ドラグーン』とかじゃなくてもっと他のISに合うと思うんですよ!」
「・・・まあいいわ。そう言うと思ってね、今回は違う装備を持ってきたのよ。」
「へ?」

怒りが収まってくれたのは良かったと思いながらも、新装備の方に心が引かれる。俺の装備と言うことは開発局の面々が作ったのだろう。あのメンバーが作った装備の期待しないわけが無い。

「それはどこにあるんですか!?」
「まあまあ落ちついて。その前に聞かせてもらうことがあるわ。何故今回の大会に出ていないの?てっきりアルバレルトって娘があなたと戦うのだと思っていたのだけど?」

そうか、あの電話での会話だとそう受け取られてしまうのか。あの時なにも言われなかったからてっきり問題ないのだと思っていたけど・・・

「いや・・・本当は俺が出るはずだったんですが少し事情がありまして・・・」
「事情?」
「はい・・・実はですねーーーー」


~説明中~


「ーーーということでして・・・」
「・・・なによ、その下らない理由は。まったく、あなたは世界で二人しかいない男性操縦者なのだからもっと自分の立場を意識して頂戴?今回の試合はたかがクラス代表戦といってもね、あなたがいるだけで重要な試合になるの。今日だって本来来ないようなお偉いさんがいっぱい来ているのよ。あなたの試合を見るためにね。」

そしてこれが本題、とナターシャは輝龍の肩をガシッと掴む。


「キリュー、あなたにはこれから新武装を使って次の試合に出てもらうわ。」


「・・・え、ええ!?なんでですか!?この大会はアルバレルトが出てるんですよ!?」
「大丈夫。既に山田先生から許可はもらっているわ。というかあなたに拒否権なんてないわよ。偉い人達も待っているしデータもいい加減とらないといけないから。」

俺の拒否権がよく否定される日だな・・・今日。

「わかったら早く武装を貰いに行くわよ。」
「は、はーい・・・」

どうやらもう諦めるしかないようだ。新武装は気になるので、俺はシャラに一言謝ってナターシャのあとをついて部屋を出た。




着いた部屋には二人の男と布に被されている新武装らしきものがあった。

「よ!キリュー!元気にしてっか?」
「お、羨ましい男の参上だぞ。」
「おお、ブライアンにジェイク!!久しぶりじゃないか!」

中にいた二人は開発局のメンバーだった。特にブライアンは同い年ということもあって昔からの親友である。ジェイクは口髭のあるガッシリとした体格で、ブライアンは眼鏡をかけているのが特徴だ。ブライアンはいつも通りの服装だがジェイクは仕事の都合上かスーツを着ている。

「にしてもジェイク、スーツ姿似合わないな。」
「うるせぇな、ガキンチョ。大人のかっこよさがにじみ出ててるだろうが。」
「はいはい。話は後にしてね。時間に余裕ないんだから。」

それもそうだな、とジェイクが言い、コンピューターの方へ向かう。

「じゃあそろそろお披露目といくか!ブライアン、布をとってくれ。」
「お!待ってました!」

やっと新武装のお披露目となる。輝龍は何が出てくるのかワクワクが収まらなかった。武器制作をしていた輝龍にとって武装を見るのは大きな楽しみのひとつである。それゆえ輝龍は待ちきれなかった。

「OK、ジェイク!じゃあいくよ、それ!」



ブライアンが勢い良く布を剥いだそこには、銀色をした『銀の鐘』とは違った機械的な羽が鎮座していた。




「これが『インディゴ・ドラグーン』の専用武装―――――









『空の狩人(スカイ・ハンター)』よ。」 
 

 
後書き
前の話から大分間が空いてしまい住みませんでした。ちょいちょい書いていたんですがいかんせん時間がなくて・・・
次の話はもっと早くあげられるよう頑張ります。

感想お待ちしてます。

後ツイッターもやっとりますので良かったら
https://twitter.com/rikuya18 
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