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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第五十話 二人の決断その九

「俺と橘さんの仲じゃないですか」
「俺達のか」
「ええ、だから水臭いことは言わないってことで」
「刺し違えるなら二人か」
「何、生き返る時は凄い痛いって話ですけれど」
 草加達から聞いた話だ。
「生き返るんですからね」
「それならか」
「ええ、問題ないですよ」
 こうギャレンに言うのである。
「じゃあいいですね」
「二人で行くか」
「一回死んでみましょう」
「そうだな」
 こう話してだ。そのうえでだ。
 二人は刺し違える気で前に出る。そうしていた。
 やがてモノリスが見えてきた。そしてそこにはだった。
 ジョーカーがいた。それも二体だ。その彼等を見てだ。
 グレイブがだ。こうギャレンに言った。
「あの、それは」
「気にするな」
「そういう訳にはいかないですから」
 強い声でだ。グレイブはギャレン達に言う。
「そんな。一回死ぬとか」
「安心しろ。そうならなければ生きる」
「そうするからな」
「けれどいざとなったらですよね」
 まだ言うグレイブだった。
「その時は」
「それはそうだがな」
「否定はしないさ」
「無茶なことされますね」
「無茶か」
 ギャレンがグレイブのその言葉に応えた。
「そうなるな」
「そうですね。復活できるとはいえ死ぬなんて」
「しかしそれが仮面ライダーだ」
「それは!?」
「そうだ。人間として命を懸けて戦う」
 こう言うのだった。
「それが仮面ライダーだからな」
「それでなんですか」
「そういうことだ。ではだ」
「その時は一度死んでくるさ」
 ブレイラウザーもグレイブに対して言う。
「そういうことだ」
「じゃあまずはジョーカーを倒すか」
「そうしますか」
 彼等は戦いながら前を向いていた。そのうえでのやり取りだった。
 そのやり取りを経ながらジョーカーに向かう。その彼等を。
 新世界の星達の中からだ。彼等は見ていた。そしてだった。
 シャナがだ。こう悠二に声をかけた。
「悠二、どうする?」
「うん、あの人達はね」
「凄く。必死に戦ってるね」
「人間として」
「仮面ライダーとして。そして」
「人間としてね」
 そしてそれは仮面ライダー達だけではなかった。 
 マージョリー達彼等が知っている者達もだった。それにだ。 
 他の戦士達も戦っていた。二人はその彼等も見ていた。それでシャナは悠二に問うたのである。
「皆戦ってるね」
「そうだね。本当にね」
「皆必死に戦ってる。けれど」
「戦力が足りないね」
「あと少し。少しだけ」
「シャナ、いいかな」
 切実な声でだ。悠二はシャナに言った。
「僕はこの世界で罪を償うつもりだった」
「私はこの世界で悠二と一緒にいるつもりだった」
「けれど。それはね」
「うん。もう」
「僕は行くべきだと思う」
 その表情もだった。悠二は切実なものだった。
「さもないと皆が」
「このままだと負けるわ」
「だから。行こう」
 こうシャナに言うのである。
 
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